京都発・町家・大工はんなり日記

京都で仕事と道具を楽しみながら毎日過ごす。

2006-07-30 20:57:27 | 道具箱


鏝と言えば左官ですよね。そうなんです私の家いや親父は左官職人でした。

その親父が使っていた懐かしい道具が出てきました。京都で左官と言えば最後に塗るのはたいがい聚楽壁でした。

聚楽壁など糊で材料をこねる物を「糊土」と呼んでいます。それを縮めて「のりつ」と呼んでいたのを覚えています。糊土を塗る鏝だから「のりつ鏝」と呼んでいました。

写真の4点は5寸5分ののりつ鏝です。右からよく使った順番に列んでいます。右の物は減っていて使いにくそうですが実はひねりや腰の強さが一番良い状態の物です。

鏝も鋸と同様に鏝の背中を叩いてムラを抜いてあり、塗っていて引っかかったりいきずまったりはしなくなります。

最近は材料も調合されている物を使うようになりプラスチックの鏝を使っている事がほとんどですがやはり本物を塗る時には本物の鏝が必要になります。

右の鏝2つは約65年ぐらい前の物です。