海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

『モイラの裔』松野志保

2011-01-20 21:49:46 | 短歌


ジュンク堂へ本当の初心者用の料理本を探しに行ったがなかった。
(これは後で紀伊国屋書店で見つかった)
それで次に短歌コーナーに行って、歌集を一冊買った。

『モイラの裔』松野志保

私・・不思議と『月光の会』所属の歌人の歌に惹かれる。
『六月挽歌』黒田和美
『白炎』篠原霧子
そして
松野志保・・風媒社の『松野志保歌集』は前から持っていた。

『月光の会』所属の歌人の歌は雰囲気が似ている。
テンションが高い・・激情というか。。
私はそれが好きなのだろう。

松野志保も共通の言葉遣いがある。
そして幻想的。
どこか廃墟の匂いがする。
SF的な感じも・・好きなんだな・・井辻朱美も。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平城山

2011-01-19 08:35:53 | 短歌


 ひと恋ふはかなしきものと平城山に
  もとほり来つつ堪えがたかりき

この『平城山』という歌を始めて聞いたのは小学生の頃だったと思う。
ラジオで流れていた。
その優美で悲しげな旋律と歌詞に強く惹かれて頭の中でよく歌っていた。
この歌詞が短歌形式を取っていることはごく最近まで意識になかった。

この歌詞は宿毛出身の女流歌人 北見志保子の歌から取られている。
1935(昭和10)年、いの町出身の作曲家平井康三郎(保喜)によって作曲され愛唱されてきた。

最初の夫と離婚したのち、12歳年下の恋人がフランス留学をして遠く離れている時、仁徳天皇の后の磐姫の古墳の辺りを逍遥していたとき、恋人を思うその恋しさと寂しさを磐姫の心境に重ね合わせて詠った歌といわれている、(これも最近知った)
磐姫も仁徳天皇から離れて宮中には戻らないという意地を通しつつ、本当は天皇を恋ししく思っている歌を残している。
(このことについてはまた別で)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笹井宏之さんの歌4

2011-01-17 22:14:53 | 歌評

「とてつもないけしごむかすの洪水が来るぞ 愛が消されたらしい」

近未来のSF世界をイメージしてしまった。
それはSF好きな私の勝手な感想。
近未来人類は愛をほとんど持てなくなって荒廃した世界をさまよっている。
遥か遠い場所に<愛>はまだ残っていたのに、それが消されてしまった。
誰によって?・・・この世界を創った創造主だろうか?

しかしその<愛>は大きくて深いから、それを消すためにはとてつもない消しゴムが要って、その消しゴムかすがとてつもなくて洪水となって人類を飲み込もうとしている。
ほとんどの人類は死んでしまうが、心に強い<愛>を持った少数の人類が生き延びた、ちょうどノアの方舟のように。
洪水がおさまったとき、陸には一つの<愛>の双葉が芽を出していた。
生き延びた人類はその芽をそっと大切に育てていきました。

わ~勝手にこんな物語を紡いでしまった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

阪神大震災16年目の朝

2011-01-17 09:23:14 | 短歌

 震災の後に生まれた君たちに語り継ぎたいあの朝のこと

 おばあちゃんが救ってくれたこの命 おばあちゃん、わたし母になったの

 写真でしか知らない家族に会うためにこの街へ来た十五の春に

 年取ればともに行かむと言ひをりし亡き妻と二人お遍路の旅
 結願の日の初雪はもういいよと許してくるる妻の微笑み

あの阪神大震災から16年が経った。
ボランティアもしないのにただの野次馬と自分を責めつつ、大好きな神戸がどうなったか知りたくて2週間後の神戸に向った。
武庫川を越えると景色は一変し、信じられない光景が広がっていた。
阪急春日野道駅から歩いて1時間・・三宮に着いた。
ビルが斜めになっている、粉塵のなんともいえない匂い。。
眩暈がした。
それから何回も神戸に行って復興の様子を見てきた。
今は見た目にはすっかり復興し、私が神戸に行くこともなくなった。
神戸まで行って買い物をする余裕がなくなったということもある。

去年の震災の特集番組で何人の遺族のエピソードを紹介していて、それに触発されて詠った歌。


1首目は私の感想の歌。

2首目
震災の時おばあちゃんがかばってくれて助かった女性のこと。
おばあちゃんは女性をかばって亡くなった、それから15年女性は結婚して母になった。
それをおばあちゃんに報告している姿。

3首目
まだ赤ちゃんだったその人は一人だけ助かり家族を失った。
祖父母に育てられた。
震災のあった神戸には行くことが出来なかった。
15歳になったとき初めて神戸に行く決心をする。
家族が住んでいた跡地にも行った。
大きなものに立ち向かいながらその場に立つその人。。

4首目
夫は震災で妻を亡くした。
仕事に打ち込んで妻との会話を余り取ったとはいえなかった。
妻が亡くなった後その事を猛烈に責めた。
妻が生前ふともらした言葉を思い出した「もうすこし年を取ったら一緒にお遍路に行きたいわね」
夫はお遍路に行く決心をする、妻と一緒に。。
結願の日、お参りをしようとしたとき初雪は激しく舞い落ちた。
夫は雪を見上げながらつぶやいた「妻がもういいよとゆるしてくれた気がします」

この歌はすべて詞書がないと理解してもらえない歌・・どこかへ提出の歌には不適当。
1年間引き出しに眠らせていた。
そろそろ光を当ててあげよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笹井宏之さんの歌3

2011-01-15 11:47:41 | 歌評

 ①葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある

 ②桃色の花弁一枚拾い来て母の少女はふふと笑えり

宏之さんの歌はどれも詩情に溢れていて素敵だけど、家族を詠った歌は暖かくてとても好きだ。
家族詠だけでなくその歌にも勿論詩情がある。
2首ともお母さんの中の少女を見ている歌。
特に①の歌がいい。
お母さんが愛でるのが満開の桜ではなく葉桜で、その葉桜の下を歩く時お母さんの中の少女が微笑んでいるのが宏之さんには見える。
お母さんの形を残しつつほんのりと浮かび上がってくるのだ。

母親の中の少女を見つけて肯定することはなかなか出来ない・・宏之さんのお母さんへの優しさを強く感じる。
でもそれは宏之さんだけでなく、宏之さんご家族がお互いに持っている純粋さと優しさだろう。

実は私も少女の部分を持っている(女性なら誰でも持っているかもしれない)。
しかし家族は気がつかない。
それどころか気がついたら否定されるだろう。
ああ、いいな~暖かい歌
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天ぷらと鯛めしの店

2011-01-13 20:45:24 | 日記


ネットの知り合いの方から天ぷらと鯛めしのおいしい店を教えていただいた。
私がちょっと豪華な食事をするのは年に1~2回である。
そのうちの1回が友人との会食。
年に1回だけはおいしいものを食べようねと言っている。
今回は鯛めしの店。
大阪の北浜にある。

ランチメニューでもそれなりのお値段だったが、せっかくなら天ぷらと鯛めしの両方を食べたくてそのコースにした。
天ぷらを揚げてもらってその場で食べるお店には今まで私は行ったことがなかった。
予約していてカウンターの天ぷら鍋の一番よく見える位置に座った。
中には銀色に輝く天ぷら鍋に美しい金色の揚げ油が入っていた。
具は厳選された魚と野菜。
海老・細い玉ねぎ・キス・細いにんじん・サツマイモ・大根。
タラの白子がとろりとおいしかった~
今の季節らしく蕗の薹も。
鯛飯は予約してから行ったのであらかじめ炊いてくれていた。
鯛は明石の鯛・・土鍋で炊いて炊き上がりを見せてくれてから骨をとってほぐして持ってきてくれる。
こちらもあっさりとそれでいてうまみがあっておこげもあった。
小皿に少し盛ってくれてお代わりして、残りは包んで持たせてくれる。
ビールはグラスビールがあればと思ったが中瓶で、友人は飲まないから私がほとんど全部飲んでしまった。
私たち以外は余裕のあるシニア世代の男性グループばかりだった。

惜しいことをしたと思ったのは北浜周辺はレトロなビルが残っているのにその資料を持っていかなかったこと。
鯛めしの店のあとすぐ喫茶店は無理なので、ほんの少しそのあたりをアテもなくぶらぶらした。
それでも古いビルが結構残っていた。
また別の機会に古い建築めぐりをすることにしよう。

喫茶店も古いビルを改装したイギリス紅茶の店で、人気があるのでお茶の時間は満席になる。
北浜までわざわざ来ることはないので、この喫茶店も久しぶりだ~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笹井宏之さんの歌2

2011-01-13 10:00:15 | 歌評

 息抜きをしている人に栓をする すべてがぬけてしまわないよう

この歌を読んだら私も「ああ」と息が出た。
ため息ではない、感嘆の息。

人間に息抜きは必要だ。
内側に抱え込んで汚れてしまった空気は外に出さなければ心を蝕む。
しかし息を抜きっぱなしでは人はふにゃふにゃになって壊れてしまうだろう。
だからころあいを見計らって栓をしてあげる。
その人を見守っている優しさを感じる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笹井宏之さんの歌1

2011-01-11 20:50:28 | 歌評


 もうそろそろ私が屋根であることに気づいて傘をたたんでほしい

大きな愛情で守られているのに、その人が余りに身近な人でそれに気がつかないことがある。
それは親かも知れないし、恋人かも、友人かも。
「もうそろそろ・・・気づいて欲しい」とつぶやく屋根は無償の愛をずっとあなたにささげてきた。
あなたが気がつくまでじっと待っているんだよ。
あなたが気づいたら・・そのときは傘をたたむとき。
そうしたら私はあなたの素顔が見ることができる。
そしてあなたは屋根である私を初めて見てくれるのだろう。
「あなたはこんなに大きくて暖かかったのね」と言ってくれるだろう。
傘はあなたの他者に対する警戒心の象徴・・・もう必要ないよ、私がいつも居るから。

歌評は本当に苦手だが、感じたことを書いていこうと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬のサルビア

2011-01-09 10:53:21 | 日記


夏に買ったサルビアがまだ咲いている。
葉は少し霜やけしているのもあるが、緑のまま。
サルビアってどう考えても燃える夏の花でしょ!
前にも買ったことがあるが秋には枯れてしまった。
品種改良が進んでのだろうか?
植え替えなくて済むと経済的だからそのままにしている。
いつまでもつかと観察してきたが、このままでは1年中咲いていそう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

えーえんとくちから

2011-01-06 09:05:13 | 短歌

4日の文でも少し触れたようにジュンク堂で笹井宏之作品集の「えーえんとくちから」を買った。
第一歌集「ひとさらい」は買わなかった(手に入らなかった)ので、断片的にしか笹井宏之の歌を知らなかった。

読んでみて・・詩にあふれていると思った。
こんな平凡なことしか書けなくて情けない。
短歌だって定型の詩のひとつであり、なにより詩情があることが条件なのだがこれがなかなか難しい。
詩のイメージの飛躍が凡人にはなかなか出来ない。
笹井宏之の歌はこの詩の飛躍がすごい・・これが歌人から絶賛される理由だろう。
ピュアな魂・・・稀有なもの。
その代わりというかこんなにピュアな魂を持った人が生きるにはこの世は美しくなかったかも・・
だから子供の頃から傷ついてしまって、それが体の症状に出るという病気で療養生活を送ることになったのだろう。

布団の中だけが安心できる世界・・・それでもその中で広い内面世界・イメージの世界で自由に飛んでいたのだろう。
あまりに突然若く旅立ってしまって悲しい。
しかし世間から注目されて生きていってどうなっていたのかな?
あの素晴らしい御両親がついていたら大丈夫だったかも。

 「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が高い
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする