2月6,7日に商学部公式行事である研究発表会(ビジカン)が開催されました。これにうちのゼミの2,3,4年生全員が参加しました。これが終わり,今年度のゼミの活動は終了しました。
この研究発表会に先駆け,1月22日の補講日に,研究発表会の予行演習と,4年生の卒論評価(および下級生成績評価)のためのゼミ内の発表会を行いました。その際には,学内研究発表会の発表形式を取り入れて,ポスターをスクリーンに映し出し,それを使って,口頭発表してもらいました。そして,ゼミ生全員に相互評価として,自分以外の発表すべてに得点を付けてもらいました。この結果は,卒論およびゼミの成績評価の基礎資料にしました。また,卒論において最も高評価だったものを学部の優秀卒論賞候補としました。
これを踏まえて,研究発表会(ビジカン)に臨んでもらいました。2月6日にポスター発表(全83発表)。その発表の中で優れたものが優秀賞受賞者として(今回6名),7日の口頭発表に進むことができます。そして,6つの口頭発表の中から最優秀賞1つが選ばれます。うちのゼミでは2年生が3つ,3年生が2つ,4年生が8つエントリーし,ポスター発表しました。そのうち4年生2つ(2名)が口頭発表に進みました。口頭発表の結果,うちのゼミの4年生の石黒裕太「臭いケアカテゴリーが形成された理由は何か」が最優秀賞に選ばれました。
この発表はもちろん卒論の内容を要約したもので,特定製品カテゴリーの形成過程とその要因を探り出すことを骨子としています。具体的には,男性用化粧品の一種である制汗デオドラント製品という製品カテゴリーを対象にしています。その歴史と形成要因を明らかにするため,製品を開発する企業側と,それを消費する消費者側双方の動きを探り,さらに双方の相互作用を検討するというアプローチをとっています。これは,神戸大学の宮尾学先生らが論究してきた技術の社会的形成アプローチを参考にしています。
企業側の動きを探るために,石黒君は先駆的企業であるマンダム社にヒヤリングを行いました。また,当時の化粧品業界の動きを整理するため,1980年代から2000年代の新聞や雑誌の記事を多数収集して読み込みました。また,消費者の消費動向を探るために,同様に,新聞や雑誌の記事を多数読み込むとともに,当時の消費現象をとらえたルポも検索しました。そして,消費者の清潔志向が当時興隆したことを指摘し,社会学者のリースマンの学説(他人指向)を引用してその背景を分析しました。
従来マーケティングにおける製品カテゴリー研究というのは,先駆的企業の製品開発の過程を探り出すか,心理学的に消費者のカテゴリー認知過程を分析するものが多く,歴史的に生産者と消費者の動向双方を探り,特定製品カテゴリーの社会的な形成過程を論究するものはあまり存在しないため,なかなか面白い独自性のある卒論に仕上がりました。審査員の先生からも同様の評価がなされました。
ちなみに,1月22日のゼミの卒論発表会でも石黒君の卒論は最高評価になりました。私もこの卒論については今年度ゼミ内で最も良いものであると思っています。
先に優秀賞としてゼミの4年生2名が選ばれたと書きましたが,優秀賞は逃したものの,評価に値するということで,4年生1名が入賞しました。さらに,今年度新設された論文賞において,4年生1名が優秀賞に選ばれました。
今年度の4年生はとにかく皆勉学を楽しんでくれました。3年次の学外研究発表会では失敗して,皆ボロボロの発表をしてしまいましたが,それにめげず,研究発表の面白さに目覚めてくれました。私が指示しなくても,自分たちで進んで企業ヒヤリングや消費者アンケートを行い,図書館に通い詰めてくれました。いつも集まると研究発表に関する議論を楽しそうにしていました。今回の学内研究発表会で賞をとれなかった4年生も,私の目から見れば劣った発表ではなかったと思います。彼らは皆,きっと,人生の糧になるものをこの過程で獲得してくれたと思います。
追伸
石黒君は私だけでなく他大学の先生の研究室にも押しかけて,色々教えを乞うていました。その中のお一人,愛知大学の為廣先生には特にお世話になりました。この場でお礼を述べさせていただきます。
この研究発表会に先駆け,1月22日の補講日に,研究発表会の予行演習と,4年生の卒論評価(および下級生成績評価)のためのゼミ内の発表会を行いました。その際には,学内研究発表会の発表形式を取り入れて,ポスターをスクリーンに映し出し,それを使って,口頭発表してもらいました。そして,ゼミ生全員に相互評価として,自分以外の発表すべてに得点を付けてもらいました。この結果は,卒論およびゼミの成績評価の基礎資料にしました。また,卒論において最も高評価だったものを学部の優秀卒論賞候補としました。
これを踏まえて,研究発表会(ビジカン)に臨んでもらいました。2月6日にポスター発表(全83発表)。その発表の中で優れたものが優秀賞受賞者として(今回6名),7日の口頭発表に進むことができます。そして,6つの口頭発表の中から最優秀賞1つが選ばれます。うちのゼミでは2年生が3つ,3年生が2つ,4年生が8つエントリーし,ポスター発表しました。そのうち4年生2つ(2名)が口頭発表に進みました。口頭発表の結果,うちのゼミの4年生の石黒裕太「臭いケアカテゴリーが形成された理由は何か」が最優秀賞に選ばれました。
この発表はもちろん卒論の内容を要約したもので,特定製品カテゴリーの形成過程とその要因を探り出すことを骨子としています。具体的には,男性用化粧品の一種である制汗デオドラント製品という製品カテゴリーを対象にしています。その歴史と形成要因を明らかにするため,製品を開発する企業側と,それを消費する消費者側双方の動きを探り,さらに双方の相互作用を検討するというアプローチをとっています。これは,神戸大学の宮尾学先生らが論究してきた技術の社会的形成アプローチを参考にしています。
企業側の動きを探るために,石黒君は先駆的企業であるマンダム社にヒヤリングを行いました。また,当時の化粧品業界の動きを整理するため,1980年代から2000年代の新聞や雑誌の記事を多数収集して読み込みました。また,消費者の消費動向を探るために,同様に,新聞や雑誌の記事を多数読み込むとともに,当時の消費現象をとらえたルポも検索しました。そして,消費者の清潔志向が当時興隆したことを指摘し,社会学者のリースマンの学説(他人指向)を引用してその背景を分析しました。
従来マーケティングにおける製品カテゴリー研究というのは,先駆的企業の製品開発の過程を探り出すか,心理学的に消費者のカテゴリー認知過程を分析するものが多く,歴史的に生産者と消費者の動向双方を探り,特定製品カテゴリーの社会的な形成過程を論究するものはあまり存在しないため,なかなか面白い独自性のある卒論に仕上がりました。審査員の先生からも同様の評価がなされました。
ちなみに,1月22日のゼミの卒論発表会でも石黒君の卒論は最高評価になりました。私もこの卒論については今年度ゼミ内で最も良いものであると思っています。
先に優秀賞としてゼミの4年生2名が選ばれたと書きましたが,優秀賞は逃したものの,評価に値するということで,4年生1名が入賞しました。さらに,今年度新設された論文賞において,4年生1名が優秀賞に選ばれました。
今年度の4年生はとにかく皆勉学を楽しんでくれました。3年次の学外研究発表会では失敗して,皆ボロボロの発表をしてしまいましたが,それにめげず,研究発表の面白さに目覚めてくれました。私が指示しなくても,自分たちで進んで企業ヒヤリングや消費者アンケートを行い,図書館に通い詰めてくれました。いつも集まると研究発表に関する議論を楽しそうにしていました。今回の学内研究発表会で賞をとれなかった4年生も,私の目から見れば劣った発表ではなかったと思います。彼らは皆,きっと,人生の糧になるものをこの過程で獲得してくれたと思います。
追伸
石黒君は私だけでなく他大学の先生の研究室にも押しかけて,色々教えを乞うていました。その中のお一人,愛知大学の為廣先生には特にお世話になりました。この場でお礼を述べさせていただきます。