ゼミの4年生で卒論のためにこの夏休み中観察やヒヤリング調査を行う予定の者がいます。時間のある夏休み中に,名古屋を離れ,関東や関西などに出向いて,その地のファッションや消費行動を調べてみようというのです。非常に意欲的なので支援したいと思っています。自分の足を使い,頭をひねって調査したデータをもとに論文を書き上げることは,必ず重要な知的訓練になり,結果的に大学生活の記念になります。コピペ卒論ばかり目につく昨今,頑張りを期待しています。
さて,その観察・ヒヤリング調査の心構えを示したいと思います。やみくもに実施しても,よい卒論を書き上げることにつながらないからです。
まず,調査の目的をはっきりさせてください。何のためにやるのか,何を調べてどのようなデータを得ようとするのか,あらかじめ具体的に文章化しておいてください。とりあえず,現地に行って見てから,面白そうなデータを集めてみるでは,結局たいしてデータを収集することはできません。なぜならば,目的や焦点が定まっていなければ,何を見るべきなのか聞くべきなのかが分からないからです。
また,あらかじめ,調べようと考えている対象について,できる限り文献調査を行ってください。文献調査では明らかにできない部分を観察・ヒヤリング調査で拾い集めるという態度で臨んでください。なぜならば,調査する側にあらかじめ知識が蓄積されていないと,重要な事象が現れても,重要だと認識せずにやり過ごしてしまうことが多いからです。また,観察・ヒヤリング調査には時間的制約があるので,文献調査によって把握できるようなことをわざわざ調べていれば,肝心の観察・ヒヤリング調査でないと収集できないデータを集めることができなくなってしまうからです。
さらに,徒労を覚悟してください。1度や2度の観察・ヒヤリング調査で知りたいことがきちんと把握できるということはあり得ません。なぜならば,現実は自分の想定を超えるからです。試行錯誤のうちに,どのように観察すればよいのか,何を聞けばいいのかを学習し,うまくデータが収集できるようになります。最初のうちはうまくデータを収集できないままの練習になってしまうのです。調査を繰り返すうち,ときには,事前に決めた調査目的や焦点が現実に合っていないことが理解され,調査方法や研究目的を見直す必要に迫られるかもしれません。そうなれば,初期に実施した調査は役に立たないものになります。しかしながら,これらの徒労は実際には無駄になりません。より洗練された思考に到達するために必要な段階なのです。
学生生活最後の夏休み。卒論でも,海外旅行でも,時間をじっくりかけることができるような事柄に挑んでください。
さて,その観察・ヒヤリング調査の心構えを示したいと思います。やみくもに実施しても,よい卒論を書き上げることにつながらないからです。
まず,調査の目的をはっきりさせてください。何のためにやるのか,何を調べてどのようなデータを得ようとするのか,あらかじめ具体的に文章化しておいてください。とりあえず,現地に行って見てから,面白そうなデータを集めてみるでは,結局たいしてデータを収集することはできません。なぜならば,目的や焦点が定まっていなければ,何を見るべきなのか聞くべきなのかが分からないからです。
また,あらかじめ,調べようと考えている対象について,できる限り文献調査を行ってください。文献調査では明らかにできない部分を観察・ヒヤリング調査で拾い集めるという態度で臨んでください。なぜならば,調査する側にあらかじめ知識が蓄積されていないと,重要な事象が現れても,重要だと認識せずにやり過ごしてしまうことが多いからです。また,観察・ヒヤリング調査には時間的制約があるので,文献調査によって把握できるようなことをわざわざ調べていれば,肝心の観察・ヒヤリング調査でないと収集できないデータを集めることができなくなってしまうからです。
さらに,徒労を覚悟してください。1度や2度の観察・ヒヤリング調査で知りたいことがきちんと把握できるということはあり得ません。なぜならば,現実は自分の想定を超えるからです。試行錯誤のうちに,どのように観察すればよいのか,何を聞けばいいのかを学習し,うまくデータが収集できるようになります。最初のうちはうまくデータを収集できないままの練習になってしまうのです。調査を繰り返すうち,ときには,事前に決めた調査目的や焦点が現実に合っていないことが理解され,調査方法や研究目的を見直す必要に迫られるかもしれません。そうなれば,初期に実施した調査は役に立たないものになります。しかしながら,これらの徒労は実際には無駄になりません。より洗練された思考に到達するために必要な段階なのです。
学生生活最後の夏休み。卒論でも,海外旅行でも,時間をじっくりかけることができるような事柄に挑んでください。