鉄道撮影はブルートレインが中心だったアントンKだが、そのブルートレインが消滅してから早3年以上の月日が経ってしまった。ブルートレインが、多種多様の機関車のお世話になり、夜を徹し目的地を目指した数々のシーンを残された画像とともに振り返っている。それぞれの列車に思い出があり、忘れられない出来事も多々あるが、こうして列車自体が消えてしまうと、そんな他愛のない事柄も日常の世界からは、埋没していくだろう。機関車に牽かれているという、あの静けさと乗り心地、走行音、そして車内放送、窓の景色。全てが旅情を感じる至福の時だった。何事も体験しないと解らないということか。大袈裟に言えば、言葉ではうまく語れない特別な世界だったように思っている。
掲載写真は、現在でも運転がある「カシオペア」号。決してブルートレインではなく、特別列車的な様相なのだ。とても同一には語れないが、カシオペアに出会うことで、かつての寝台特急を頭の中で思い描いてしまう。北海道内は、青いDD51の重連運転で迫力があったことを思い出している。来年には、東急が企画する特別列車が道内を走ると聞いているが、どんなシーンに巡り合うことができるのか、今から楽しみでならない。
2006-10-21 8009ㇾ カシオペア DD511143 JR北海道/室蘭本線:長和付近