目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

あの陶板を見にウトウノ頭へ

2017-04-02 | 山行~奥多摩・奥武蔵

ウトウノ頭 標高 1587.9m 篶坂(すずさか)ノ丸 1456m 金袋山 1325m 人形山 1176m 東京都

2017年3月20日(月・祝) 晴れ

メンバー 私単独

コースタイム 6:29日原駐車スペース6:35--7:38一石山・籠岩分岐7:42--一石山--ミズナラの巨木--8:38金袋山8:44--9:06篶坂ノ丸9:11--9:50ウトウノ頭9:54--篶坂ノ丸--10:26昼食11:03--11:14金袋山--一石山--11:45一石山・籠岩分岐11:50--12:25駐車スペース

今回は、花粉症のため山の神は不参加。私は漢方薬が効いているのか、今年の症状は軽く、花粉何するものぞだ。山の神が行かないのなら、ちょっとキツいところに行ってみるかと、以前から気になっていた、山頂標示がイカした陶板のウトウノ頭へ行ってみることにした。うちにあった昭文社の山地図「奥多摩」2007年版では、ウトウノ頭は完全にバリエーションルート。そのつもりで行ったのだが、後日書店で最新地図をチェックしてみると、点線がしかれていた。最近はヤマレコの力もあって、そこそこ歩かれるようになったようだ。

まだ暗いうちに目が覚めて、早いけれども出発することにした。4:13ヘッドライトをつけて家の車庫から車を出した。道すがらコンビニで朝食と昼食、それに行動食の買出しをし、吉野街道に入る。やがて寒山寺。ここの駐車場に車を入れ、空が白み始めた頃朝食をとった。

 
左:日原鍾乳洞の駐車場。奥が一石山神社、その先は落石で通行止め 右:一石山神社入口

順調すぎるくらい順調にだいぶ早く日原鍾乳洞の駐車場に着いた。しかしここに車を置く予定だったのだが、駐車禁止になっていた。鍾乳洞の営業時間ともなれば、駐車できるのだろうが、基本登山者に開放されてはいない。売店の隣にも駐車場があり、カラーコーンがなかったので、バックで車を入れたが、「鍾乳洞、売店に御用のない方は車を停めないでください」との貼紙が目に飛び込んできて、しかたなくUターン。日原街道沿いに路駐した。1台先着様がいたので、何気なく停めてしまったが、路線バスが走る道路だから顰蹙ものだった。下山してきたときに、朝先着様の車でブラインドになっていたところに「停めないでください」の文字が。ヤバイ、怒られるとすぐさまザックを車に放り込んで出発したのだった。すいません。

 
左:一石山神社の裏手は岩峰がそそり立つ。左側は燕岩 右:最初の急登をクリアするとベンチが出てくる

支度を整えていると、こんな早朝なのにもう下山してきた単独登山者が間を置いて2名通過していった。長沢背稜でも歩いてきたのだろうか。6:35日原鍾乳洞へ向けて歩き始める。先ほどの売店が出てくる。ここが最終トイレ。

一石山神社の入口に鎮座している仏像に道中の無事を祈願して石段を上がっていく。鳥居をくぐってすぐ左に折れて登山道に入る。かなりの急登で、歩きにくい道が続く。右手には巨大な燕岩がそびえている。燕岩というくらいだから、燕が多く巣くっていると思い、下からなめるように見ていったが、まったく燕の姿はなかった。そう呼ばれるようになった頃は、たくさんいたんだろうけど。

登りきったところにベンチが置かれていた。それなりに登山道整備もされているようだ。さあ、進もうかというとき、小さな鳥が近くに飛んできた。腹部がオレンジっぽい色でよく見るとヤマガラだった。高尾山のヤマガラよろしく人馴れしているのか、至近距離にやってきた。かわいらしいなと眺めていると、仲間に置いてきぼりをくってたまるかと軽やかな身のこなしで飛んでいってしまった。

 
左:一石山・籠岩分岐。籠岩方面は通行禁止でトラロープが 右:一石山山頂

7:38一石山・籠岩分岐に到着する。東日本大震災のときに落石があってから小川谷林道は通行止めになっていて、その林道に出る籠岩方面にはトラロープが張られていた。

水分補給をして、すぐ腰を上げた。まもなく一石山の山頂標示が出てくる。


ミズナラの巨木

一石山を過ぎて、目印となる赤テープが見つからず、行きつ戻りつしたが、ちょっとしたピークが右手上方に見え、方向的にはそちらのはずと歩いていくと、退色した赤テープを発見できた。今回のコースはタワ尾根を進むだけなのだが、ちょっとした地形の高低やトラバース気味に付けられた登山道で迷うこともあるから要注意だ。尾根歩きだからルートファインディングは簡単だと思っていても、油断大敵。ただ今の時期は芽吹きにはまだ早く、葉が落ちていて見通しが利くのがいい。

やがてミズナラの巨木にたどりつく。根方を守るためにウッド・サークルが作られ、立入禁止になっていたが、すでに大きな枝がもげていて、哀れな姿になっていた。


冬枯れの樹林帯を進む

そのうち、たいして休まずにどんどん歩いてきたせいか、汗ばんできた。しかし、暑いなと感じる前に、雪をなめてくるのか、すこぶる冷たい風が肌を刺していく。風が止むたびに、おだやかな日差しを感じる。


鷹ノ巣山。北側斜面にはべったりと雪がついていた

進行方向左手には鷹ノ巣山が終始見えていた。登山口からここまで一人の登山者にも会っていないが、あちらは賑わっていることだろう。

 
左:金袋山山頂 右:篶坂ノ丸

やがてアセビの青々とした自生地に差し掛かかり、小鳥の群れを発見。よくみるとシジュウカラだった。この季節は野鳥を発見しやすいので、バードウォッチングも楽しい。8:38アーティスティックな山名標示のある金袋山山頂に到着。休憩していると、またもや冷たい風が吹いてきて、追い立てられるように出発することになった。金袋山から20分余りで篶坂(すずさか)ノ丸。篶とは、篠竹(すずたけとも)の別称らしいから、このあたりは篠竹が勢いよく繁茂していたのだろう。

 
左:ウトウノ頭への最後の急登 右:ウトウノ頭山頂手前には雪が

登山道からも見える採石場の無粋な雑音を聞き流しながら、篶坂ノ丸からなだらかに下り、最後の急登に取り付いた。ぐんぐん標高を上げていくと、なんと雪が出てきた。一部カチンカチンに凍っていて、冷や汗が出たが、慎重に進めばだいじょうぶ。暗い杉林の中にお目当ての陶板を見つけた。おお、これか。感激のご対面だ。思わず触って陶板であることを確かめた。下には木板のウトウも新たに仲間入りしていた。山名がウトウノ頭だから、頭だけしか描かれていない。Wikipediaでチェックすると、ウトウという海鳥はまさにこんな頭部をしていた。

 上が陶板、下が木板

寒くて、薄暗い山頂からはすぐに退散し、あとは昼食をどこで食べようかと思案しながら下山を始めた。篶坂ノ丸辺りかと思っていたが、いつの間にか通り越していた。そのうち単独登山者とすれ違う。その後も登山者が上がってくるかと思ったのだが、誰にも会わなかった。

10:26腰かけるのにちょうどいい倒木を見つけ、そこで昼食をとった。腹がくちれば、あとは元来た道をたどるだけと一目散に下ったせいか、ミズナラの巨木へ下る箇所に気づかずに通過してしまい、意図せずにショートカットしたようだ。11:45一石山・籠岩分岐で休憩。最後に足場の悪い急斜面を下り、観光客が参拝していた一石山神社に下山した。車道に出ると日原鍾乳洞の駐車場は満車に近い状態で、観光客で賑わっていた。

12:25駐車スペースに戻り、5分後にはもう家路についた。計画では、行動時間7時間30分の予定だったので、嘘のように早い(実際は5時間50分)。渋滞らしい渋滞もなく、途中コンビニでソフトクリームを食べたくらいで、14:30には山の神の待つ自宅に帰っていた。


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