目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

アートの町、藤野と高倉山・金剛山

2010-12-10 | 山行~中央線沿線・大菩薩

高倉山 標高378.7m 金剛山 456.4m 山梨県

2010年12月5日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 10:30藤野駅10:45--(11:35シュタイナー学園)--12:15金剛山(昼食)12:54--13:23高倉山13:38--15:10藤野駅

アート鑑賞と山歩きという妙な組み合わせ。でも意図してそうなったのではなく、偶然だった。たんに近場で行きやすい所という選定基準で行き先を決めたのであって、この地に藤野芸術の家という施設があったり、オブジェが散在する「芸術の道」があったり、芸術で子供を教育するというシュタイナー学園があったりする、アート志向の町であるとは、行ってから初めて知ったのであった。

さあ、本題の山行記録に入ろう。
家を出るのが若干遅れ、予定より1本後の電車になる。あとの電車は調べていなかったので、行き当たりばったりでいいかと、高尾駅で大月方面行きの電車を待つ。ふと視線をあげると、駅構内に張り出されていたポスターが目に入った。ダイヤ改正(12月4日)と書かれている。先週、YAHOO!の「路線」で帰りの時刻を調べていたのだが、それが役に立たないということにこの時点では気づいていなかった。アホか!

02img_4327
左:藤野駅入り口 右:「緑のラブレター」高橋政行

藤野駅を10:45に出発。山登りにしてはだいぶ遅い時間のせいか、周りにザックを背負った人は一人もいなかった。 甲州街道を渡って右に折れていくと、JR中央本線の車窓からも見える「ラブレター」が間近に登場。こんなに近くから見るのは初めてだ。正式名は「緑のラブレター」。

03img_4328 04img_4331
左:「カナダ雁」ジム・ドラン 右:弁天橋から相模湖方面を見る

坂を下り切ると、弁天橋。たもとにはさっそくオブジェが据えられていた。黒鳥かと思いきや、カナダ雁。至近距離で見るから、まったく風情がない。もっと設置場所や設置方法の工夫はできないのだろうか? この雁ちゃんたちを尻目に弁天橋を渡っていくと、川の眺めに目を奪われる。相模湖方面を見渡すと、船が点在していて、優雅に釣り(たぶん)。冬でも魚は獲れるのかね?

05img_4332 06img_4336
左:芸術の道の指導標。これもちょっとしたアート 右:一本松山途中の祠

名倉の集落で、「芸術の道」の指導標を発見。この指示に従い、工場のある方へ左折する。まっすぐ進むと、一本松山の矢印が出てくる。その指し示す階段を登っていくと、里山歩きといった風情になる。高度をかせぎ振り返ると、今歩いてきた街並みが見える。眺めはいい。しばらく上ってから下りに入ると、それまであった道標の類はなぜか突然なくなり、オリエンテーリング用らしい記号の表示しかなくなる。でも進む方向さえ間違わなければ、あさっての方に行くことはない。あっという間にまた車道に出る。

07img_4344 08img_4346
左:「森の記念碑」池田徹 右:「FLORA-FAUNA」原智

車道を進むと、シュタイナー学園手前にある「森の記念碑」が現れる。パッと見、簡易ゴミ焼却場かと思える。近くに寄って見ると、コンクリの上からワンポイント・アクセントで植物が垂れ下がっていて、いいテイストを醸し出している。次に左手奥に「山の目」が見える。そして右側には「FLORA-FAUNA」。これは蜘蛛を模しているのだろうか。椅子代わりに座れそうだが、誰も座ってはいなかった。缶ジュースが放置されていて、観光客のマナーの悪さだけが印象に残った。このオブジェのお隣では、おばちゃんが地場の商品を販売していて、観光客との会話に夢中だった。

09img_4352 10img_4353
左:「回帰する球体」中瀬康志 右:好きだなこの感じ、里の風景

神社から分岐を右へとる。無造作に置かれた怪しい球形の岩が現れる。岩には象徴的な刻みが入っており、人工でありながら自然っぽい造形美を狙ったのだろうか。そこから里山ののどかな農道を進む。

11img_4359 12img_4360
左:金剛山山頂付近の登山道 右:金剛山山頂

農道から指導標に従って左へ。山に入る。休まずにここまで来てしまい、結果金剛山山頂までたいした距離もないので、いっきに行ってしまおうということになる。登山道は日陰で、今までの陽だまりの道とは打って変わって、寒く冷えている。しかも直登コースで、がっつり登る。登っていくと右側にイノシシ除けと思しきトタンが張り巡らせてある。それがまた落ち葉とあいまって寒々さを助長する。下界の「芸術の道」には散策の人がちらほらいたが、こちらには人影まったくなしだ。

金剛山山頂には12:15到着。やはり人はいなかった。狭い山頂ながら、見晴らしは非常にいい。

13img_4363 14img_4364
左:桂川が見える 右:丹沢の山々

地元で調達したコンビニごはんを食べ、12:54下山開始。かなりの急坂を下っていくと、広めの道で気持ちのいい尾根がある。でもまた、急な坂を下ることになる。これだけ上りも下りも急だからだろうか、登山者やハイカーとまったくすれ違わない。知名度が低い山ではあるが、昭文社の山地図には、ちゃんとコースが出ている。この山はきついという口コミでもあるのだろうか? でも正直いって、トレーニングコースに近いかもね。

15img_4369 16img_4372
左:天神峠(車道)から高倉山への分岐

天神峠の車道に出る。地図だと、車道を横切って登っていくはずなのだが、目的の道は目の前には存在していない。車道を下ってみたが、登山道らしきものは見あたらず、いったん戻り逆方向に行ってみると、分岐があった(左上写真)。

またもや直登コースをたどって、高倉山山頂には13:23到着。ベンチとテーブルが置かれている。人気(ひとけ)なし、色気なし(関係ないか)、展望もなしで、つまらない山頂。

18img_4374 17img_4377
左:高倉山でティータイムとなる 右:落ち葉に埋もれた階段がまっすぐ続く

13:38高倉山を後にする。またまた急な下り坂が続く。これからの凍てつく季節、この下りはちょっと恐いかも。しばらく進むと、相模湖の端っこに出る。だいぶ前からエンジン音が響き渡っていて、不快感を募らせながら下ってきたのだが、その正体をここで知る。カートのレース場だ。正式名称は、中央サーキット藤野。カートのレンタルができる。実際に疾走しているところを見てしまうと、面白そうと思ってしまうところが節操のなさだよなあ。

それはさておき、分岐に来て、広めの林道へ左折してしまった。その工事中の林道を突き進んでいったら、行き止まりだった。なんてこった。山の神の機嫌が悪くなる。引き返して、もう一方の道へいくと道標が出てきて、やれやれだ。

低山で人があまり行かないところは、油断していると道に迷う(油断していなくてもか?)。 道標が整備されていないからねえ。道標があってもあいまいに立ててあると、どっちだとなる。こういうときには地図とにらめっこするしかない。そして勘。まさにヤマ勘。はずれたら引き返して、違う道に進めばいいだけ。そう割り切らねば先へは進めない。

住宅街を歩いて弁天橋に戻り、藤野駅には15:10頃到着した。15分くらい待てば、電車が来るはずと、駅の時刻表もろくに見ずに山の神とプラットホームへ行く。ベンチに腰を下ろし待った。首を長くして。そう、ダイヤ改正。電車が来たのは15:45だった。   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする