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目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

3シーズンぶりに滑りに行く

2020-01-13 | 山雑記

2019年12月28日(土)曇り時々晴れ  

メンバー 山の神と私

私が腰痛を患ってから、ここ2年ほど避けていたスノーボード(山の神はスキー)に年末行ってみた。翌日は山に行くつもりだったので、ザックや登山靴、それに加えてスノーシューも車に積み込んで早朝出発した。

行き先は菅平高原スノーリゾート。最初はパルコール嬬恋にしようと思っていたのだが、調べてみると雪がなく、滑走できるのはファミゲレの1コースのみとわかり、嬬恋の奥の菅平ならまだましだろうとふんでそうしたのだった。

積雪量は50cmとパルコールとほぼ同じなのだが、広いスキー場だけに滑れるところも多くあった。

ダボスの駐車場に車を停め、久々にスノーボードの支度。前日に板の手入れをしていなかったので、さらさらとブラシをかけて汚れを落とし、ワックスがけをする。ウェアは着てから山の神にシューっと防水スプレーをかけてもらう。その後に山の神のウェアにも私がスプレーがけ。やはり年末は忙しすぎる。とくに今年は超がつくほど忙しかったから、準備がだいぶおろそかになっていた。

1日券&食事券のセットを購入し、いざ滑り始めようと、ゴーグルを改めて装着しなおしたとき、ストラップがはずれた。つけ直そうとすると、本体に留めるところがない。劣化したプラスチックが割れて大きな穴になっていた。しょぼすぎる。なんでこんな壊れやすい構造になっているのだろうと、しげしげと見てしまった。でも長くやっていると道具も古くなって、端から壊れていくのは避けられない。車に戻り、降雪時、夜間用のオレンジ色のゴーグルに取り換えてようやく滑り始めた。


左:晴天用のゴーグル崩壊 右:太郎エリア

コースは昨晩少し降ったようだが、サラサラの雪はほんの一部にしかなく、ほとんどが重い感じ。場所によっては、ガリガリだった。3、4本滑って昼食にすることにし、食事券の使える太郎エリアのホテルへ向かう。雪が少ない割には、年末だけあってかなりの人出でレストランは混んでいた。山の神と席を確保し、名物のインドカレー(ナン付き)を食べる。

そして午後は人だらけの太郎エリアで滑る。山の神はご満悦だったが、私は人を避けるためにブレーキをかけてばかりでちっとも面白くない。14時ころに新たに1本コースがオープンしたのだが、ここは超ガリガリで膝への振動がすさまじかった。


太郎エリアからダボスの丘を見下ろす

もうヨレてきたから、上がるかとダボスへ移動すると、小さなお子様たちのスクールを開設していたようで、リフト乗り場にちびっこたちの長蛇の列ができていた。これはあかんと即座にコーヒータイムにすることにして、近くの喫茶店鈴蘭館に退避した。

しかし、しばらく休憩しても、列は短くなるきざしがない。もうあきらめて並ぶかと山の神と最後尾についた。それからリフトで丘の上にあがり、駐車場に向けて重い雪をものともせずに滑走したのだった。

雪との格闘、的岩へスノーシューへつづく

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今年行きそこなった山

2019-12-23 | 山雑記


イメージ:岩手山麓の三石湿原

今年の異常気象はすごすぎた。巨大台風、豪雨、それに伴う洪水やがけ崩れ、停電や断水。幸いにしてすんでのところで我が家の被災は回避されたが、来年以降は神のみぞ知るだ。被災された方には、改めてお見舞い申し上げます。

こうした悪天や自然災害は、私の山行にも大きな影響を及ぼした。今年こそはと思っていた平ヶ岳は、台風とともにあっけなく吹き飛んでしまった。8月下旬につくった山行計画書は当面お蔵入りだ。

来年こそはと思うものの、平ヶ岳に行けないのは台風ばかりのせいではない。じつは山の神が渋るのだ。なぜなら標準コースタイムが11時間を超えるという長丁場。まるで人里離れたヒグマの楽園、北海道の山に登るような覚悟(ヒグマはいないが)、つまりは強靭な体力が必要なのだ。

最近はゆるゆるの山行が多いせいか精神面のハードルが高い。夏場に向けて徐々に体力をつけ、来年こそは実現させたい。

行きそこなったのは平ヶ岳ばかりではなく、山梨百名山の渋い山、源氏山もそうだった。厳密には昨年でやはり台風が原因だった。ヤマレコによれば、登山道の一部が崩壊していて通行が困難になっていると。せっかく登りはじめて、途中で登頂を断念せざるをえなくなるほどつまらないものはない。今年も崩れたままなのではとろくに調べもせずに回避してしまった。

来年も台風で登山道がずたずたに寸断されるところが出てしまうのだろう。それにしても地球温暖化は困ったものだ。

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冬季富士山登山での滑落事故

2019-11-18 | 山雑記


2011年12月4日倉見山より撮影

先日自らの富士山登山をライブ中継していた方が滑落して亡くなられた。ご冥福をお祈りいたします。

今頃なぜこのニュースをとり上げるかといえば、このブログで何度かとり上げた栗城史多くんを想起された方が多かったようで、拙ブログを訪れて栗城くんに関する記事を読んでいかれたからだ。たしかに似ている。登山中はモノローグで自己演出をし、皆に賞賛されるような挑戦を続ける。そして取り返しのつかない事故。

事故後すぐにYouTubeの動画は削除されたようだが、いったんネットに上がったものは、あちこちにコピーが出回る。その動画を見てわかったが、彼はピッケルではなく、ダブルストックで登山をしていた。滑落直前には、「すべる」と何度も口にしていたので、アイゼンは装着していなかったか、軽アイゼンだったのかもしれない。

きちんとした冬山の装備をもたず、ましてや訓練をしていない、経験もないものが冬季の富士山にチャレンジしたとしか思えない。

吹きさらしの富士山は凍結しているところは多いだろう。山頂付近の気温は下界よりも22、23℃は低くなるから、間違いなく零下だし、風が強ければ体感温度はぐんと下がる。どんなに晴れていても過酷な環境なのだ。

またいったん滑落すると、仮にピッケルをもっていたにせよ、アイスバーンだと停止できない可能性はある。滑落停止の訓練をしていてもそうなのだ。

用意周到で臨んでも危険に満ちている冬季の富士山登山。40代後半という年齢(人生経験が豊富なのに)でありながら、なぜこんな無謀なことをしてしまったのか。無知からきているのか? それとも栗城くんのように引くに引けなくなったのか? たんなる自己顕示欲なのか? いずれにしても大きな教訓を残した事故であることには変わりない。

ちなみにベテラン登山家でさえもエベレスト遠征で、テントから不用意にテント用スリッパで外に出て滑落死していて、その映像が残されている。アイスバーンはそれほどまでに危険なのだ。一度滑りだすと、どんどん加速していくから、滑落直後に停止できないとまず助かることはない。停止に失敗すれば、好むと好まざるに関わらずカーレーサーを体験することになる。もちろん手足は複雑骨折し、頭を岩に打ちつければ、即死。想像するだに恐ろしい。

ここまで読んだら、この方の真似をしてみようと思う人はいないだろう。

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快楽の30日間山ごもり

2019-10-09 | 山雑記

岩手山麓の三ツ石山荘(上の写真)を訪れたときだ(前回のブログ記事参照)。明日から台風の影響で雨といっていたので、まさかこんなところに人がいようとはまったく思わなかった。

無人と思っていたその小屋には、3人の男がいた。話を聞いて驚いたが、一人は山ごもりを始めて2週間の登山者(以下山ごもらー)。記憶が定かではないが、埼玉県から来たといっていたような気がする。もう一人は、山岳ミステリーを読みふけっていた長身のがっちりした人で、なんと岩手県の山岳救助隊の人だった。2階で仮眠をとっていて、ひょっこり顔を出したもう一人もそうだった。

山の神と私がこの小屋で昼食をとり始めると、山ごもらーとミステリーを読んでいた山岳救助隊員が時折とつとつと会話を始めた。そこへ割って入る山の神。

「どちらから来たんですか?」

山ごもらーは、「茶臼」と答えた。山の神と私がとっさに思い浮かべたのは那須の茶臼だったせいで混乱した。

救助隊員が救助の手を差し伸べる。「八幡平の茶臼ですよ」。

そうなのだ。岩手山だけで救助活動をしているわけではなく、八幡平の岩手側も活動地域なので、この辺りの山塊には詳しいのだ。

山ごもらーは、毎年8月になると、避暑をかねてこの山塊に入るのだと語り始めた。ここ7,8年そうしているというから、かなりのつわものであり、自由人だ。八幡平から縦走し、この岩手山麓の三ツ石山荘にたどりついた。そして明日の雨天時はここで停滞するのだと。

今回は、3リットルのウィスキーをペットボトルに詰め込んで山に入ったと聞いてさらに驚いた。よくよく聞いてみると、ほぼ1ヵ月間山籠もりするため、1日100ミリリットルの消費として、掛ける30日で3リットルの計算をしたという。

ビールや焼酎を死ぬほど背負って登ってくる人はたまに見かけていたが、ウィスキー3リットルは、初めて聞いた。ただそう言っていた割には、広げた荷物に半分以上残っているはずのウィスキーがない。飲んじゃったんだね。残りの2週間強は酒なしだ。

さらに山ごもらーはウィスキーばかりか水も残り少ないとこぼし、最悪この小屋で溜めている雨水を使うんだとのたまう。それを聞いた山の神が大量にもってきていた水1.5リットルのうち1リットルを分けていた。

帰りがけに救助隊員から聞いた話では、この一帯の小屋はすべて、雨樋の下部に水を溜める小さなタンクがついていて、それを非常用に使えるようになっている。前回のブログに小屋側面の写真を載せていたが、向かって右側の軒先にハシゴで上がり、手を伸ばせば届くところにそのタンクはある。ふたをはずせば、溜まっている水を取り出せるようになっている。よく考えたものだ。

今回、山の神とともに偶然長期山ごもり登山者に会ってしまったけれど、じつは今までたまたま会っていなかっただけで、こうした登山スタイルの人は、意外といるのではないかと思った。 

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追悼 池内紀先生

2019-09-05 | 山雑記

ドイツ文学者で、山や温泉のエッセイで有名な池内紀先生が8月30日に亡くなられていた。享年78歳。ご冥福をお祈りいたします。

池内先生といえば、文筆ばかりではなく、しゃべりも達者で講演会もされていた。私はいちど地元で行われた先生の無料の講演会を聞きに行き、講演後にサインをしてもらった(上の写真)。茶目っ気たっぷりにお花の絵も描いてくれたのがいかにも池内先生らしい。

それはさておき、当ブログを検索してみたら、以下3つの記事に池内先生のお名前が登場していた。やはり3つとも山の本にまつわることだった。これでもう池内先生の新しい本はもとより推薦の本も知ることはできないと思うと残念でならない。

たしか先生お奨めの本にドーデの『アルプスのタルタラン』があったように記憶している。追悼の意味もこめて、同書をひもといてみたい。

参考:当ブログ関連記事 
ザックにしのばせる句集
考える人~ひとは山に向かう
山からの絵本

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