毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




復活節第1日にきくのは、モントリオール・バロックによる「キリストは死の縄目につながれたり」(BWV4)です。モントリオール・バロックはこのブログでも何回か紹介していますが、チェロのスージー・ナッパー(音楽監督)と、オルガンのエリック・ミルンズ(指揮)という体制で活動をおこなっています(「Festival Montréal Baroque」という音楽祭も主催)。このカンタータの録音は2014年。ミュールハウゼンでの初演ではなく、ライプツィヒでの再演にさいして付加された金管楽器が編成された稿で録音されています。合唱は独唱者のみの4名(OVPP)で、歌手はオデイ・ビロドエレーヌ・ラチカフィリップ・ガーニドリュー・サンティーニです。

CD : ACD2 2406(ATMA Classique)

ACD2 2406

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これからきくのは、アンネ・マーリエ・ドラゴシッツの「Ich schlief, da träumte mir」(2020年録音)から、ハ短調のプレルーディウム(BWV921)です。このプレルーディウムは「アンドレーアス・バッハ本」に所収されており、「Harpeggiando Praeludium(アルペッジョによるプレルーディウム)」と題されています。アルバムのテーマは表題(わたしは眠り、夢をみた)からもわかるように、「眠り」と「夢」。また、このテーマは使用楽器、クリスティアン・ツェル(1728年製)のオリジナル・チェンバロと深く関わっていると、ドラゴシッツが解説書で述べています。

CD : ECL 2002(ENCELADE)

ECL 2002

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聖金曜日にきくのは、ヴンダーカンマーたちによる「ヨハネ受難曲」(BWV245)です。この受難曲には複数の稿が伝承されており、ヴンダーカンマーの録音は1725年上演の第2稿にもとづくものです。第2稿については「礒山雅『ヨハネ受難曲』(筑摩書房)」の第3部第10章「《ヨハネ受難曲》第二稿」に解説があり、興味のあるかたは一読をおすすめします。ヴンダーカンマー(驚異の部屋)は2014年に結成されたアンサンブル。ここでは12名というごく小編成(通奏低音をのぞけばパート1名)で録音にのぞんでいます。合唱(OVPP)、福音史家とイエス、レチタティーヴォとアリアは、2018年に結成されたエルプグートの歌手たち6名(一部の曲でテノール歌手が交代)が歌っています。こうした編成からもうかがえるのですが、演奏はじつにこぢんまりとしたもので、迫力ある響きを期待すると、失望してしまうかもしれません。しかし、ヴンダーカンマーたちの音楽はとても内省的といえ、これはこれでちゃんと成立しているといえるでしょう。録音は2020年です。

CD : COV 92007(COVIELLO CLASSICS)

COV 92007

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一昨日からきいてきた、マシュー・ダーストアルス・リリカ・ヒューストンのメンバーによるオルガン協奏曲。これから楽しむのはニ長調のオルガン協奏曲で、原曲はチェンバロ協奏曲第2番(ホ長調)です。チェンバロ協奏曲第2番は、ヴァイオリン、オーボエ、リコーダーといった独奏楽器のための協奏曲に再構成(復元)されることがありますが、ここでの独奏楽器はもちろんオルガン(ヒューストンの聖フィリップ長老教会の2010年建造のオルガン)です。ダーストの演奏は近年よくきかれるアグレッシブなものではなく、テンポも中庸でしっとりとしたもの。特別な個性はありませんが、じゅうぶん楽しめます。録音は2018年です。

CD : LRCD-1138(Loft Recordings)

LRCD-1138

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昨日に続き今日もきくのは、マシュー・ダーストアルス・リリカ・ヒューストンのメンバーによるオルガン協奏曲です。これから楽しむト短調のオルガン協奏曲は、チェンバロ協奏曲第7番を再構成したもの(さらに同第7番はヴァイオリン協奏曲第1番の編曲)。チェンバロ協奏曲第7番をオルガンのために再構成した録音はめずらしく、というか記憶にはなく、ひょっとするときくのはこれがはじめてかもしれません。ダーストの使用楽器は、ヒューストンの聖フィリップ長老教会の2010年建造のオルガン。共演はピリオド楽器アンサンブル、アルス・リリカ・ヒューストンのメンバーで、録音は2018年です。

CD : LRCD-1138(Loft Recordings)

LRCD-1138

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今日から明後日まできいていくのは、マシュー・ダーストアルス・リリカ・ヒューストンのメンバーによるオルガン協奏曲。「The First Organ Concertos」と題されたCDには、ヘンデル(1曲)とバッハ(3曲)が収録されており、ここではバッハのみを収録順に楽しみます。これからきくのは、チェンバロ協奏曲第1番をオルガン協奏曲として再構成したもので、オルガン独奏はダーストです。ダーストは1961年、ヒューストン生まれの、オルガン、チェンバロ奏者、指揮者(共演しているアルス・リリカ・ヒューストンの創設者でも)。オルガンは、ヒューストンの聖フィリップ長老教会の2010年建造のそれで、アルプ・シュニトガーらの北ドイツ系の音色を踏襲しているとのことです。アルス・リリカ・ヒューストンは弦楽がパート1人の3人、通奏低音が2人という編成。録音は2018年です。

CD : LRCD-1138(Loft Recordings)

LRCD-1138

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これからきくのは、フランスのフルート奏者、マリオン・ラランクールによる無伴奏フルートのためのパルティータ(BWV1013)。バッハとスティーヴ・ライヒの作品を交互に配したアルバムに収録されており、BWV1013でラランクールが吹いているのは、カルロ・パランカのフラウト・トラヴェルソ。これは同じフランスのフルート奏者、アレクシス・コセンコに貸与してもらったトラヴェルソということです。ラランクールの演奏は、やや平板にも感じますが、装飾をまじえた美しいもの。録音にはブレスの音も生々しくとらえられています。アルバムの録音は2015年、2018年、2019年におこなわれていますが、パルティータについての録音年は解説書にも記されていません。なお、アルバムにはBWV1013のほかに2作品のバッハも収録されています。オルガン曲などいろいろな作品の楽章から編曲、再構成した組曲ニ長調、そしてハ短調のリュート組曲(パルティータ)の編曲(フーガは回避され「霊と心は驚き惑う」第5曲シンフォアで代替)がそれで、どちらも違和感を感じさせないすばらしい編曲、そして演奏です。

CD : NMM0990(NoMadMusic)

NMM090

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棕櫚の日曜日(枝の主日)にきくのは、グナール・レツボール(ヴァイオリンと指揮)、アルス・アンティクァ・オーストリアザンクト・フローリアン少年合唱団、ケプラー・コンソートによる「天の王よ、汝を迎えまつらん」(BWV182)です。1714年3月25日に初演されたこのBWV182は、しみじみと美しい音楽に彩られています。これを活かすにはピリオド・アプローチが最適と思われ、そのためか1990年代以降、同アプローチよる録音が急速に増えてきており、レツボールの録音(1995年)もそのひとつです。なお、このCDのメイン・プログラムはこのカンタータではなく、ペルゴレージの有名な「スターバト・マーテル」にもとづくバッハ編曲(BWV1083)です。

CD : SY 95139(SYMPHONIA)

SY 95139

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今日これからきくのは、昨日と同じ「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)。演奏はエレナ・バルシャイで、フィルメルゲン(スイス)の聖ペーターおよび聖パウル教区教会のメツラー社のオルガン弾いての録音(2007年)です。バルシャイの録音は手堅く美しいもので、くり返しきいても飽きのこない演奏。そのかわり個性にはやや乏しく感じます。

CD : 93765(Brilliant Classics)

93765

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これからきくのは、クリスティーネ・ショルンスハイムによる「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)。ショルンスハイムのWV988は、1994年録音のCDをすでにきいています(「ゴルトベルク変奏曲」 BWV988 [3])が、これからきくのは2度目となる2016年の録音です。1994年録音のCDはどのような演奏だったか、どうもはっきりしないので比較はできないのですが、新録が自然なゆらぎをのある、すぐれた演奏であることはたしか。弾いているチェンバロも替わり、ミヒャエル・ミートケにもとづくチェンバロ(クリストフ・ケルン工房)がここではもちいられています。2枚組のCDの余白(といっても1枚目冒頭)には、ブクステフーデのアリアと変奏「ラ・カプリチョーザ」も収録ており、これはよい選曲ですね。

CD : C5286(CAPRICCIO)

C5286

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これからきくのは、ベンクト・トリブカイトによる「フーガの技法」(BWV1080)です。トリブカイトは1964年生まれのスウェーデンのオルガン奏者。このブログで何度もきいている、同じスウェーデンのオルガン奏者、ハンス・ファーイウスに学んだとのことです。使用楽器は、ヨハン・ニクラス・カーマンが1728年に建造した、レウヴスタ・ブリューク教会(スウェーデン)のオルガンで、録音は2007年。解説書にはトリブカイトの楽曲解説とファーイウスの楽器解説が掲載され、ともに日本語訳も付されています。

CD : MRSACD 017(Musica Rediviva)

MRSACD 017

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今週前半はシュシャヌ・シラノシアンたちの「Bach before Bach」をきいており、これからきくのはヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ(BWV1023)です。シラノシアンの演奏はとてもアグレッシブ。さすがラインハルト・ゲーベルの弟子だと感じさせます。師のゲーベルにくらべより自在感が増し、挿入される即興的な装飾も豊かです。ゲーベルが腕の故障のため指揮者に専念したいま、さらなる活躍が期待されます。ゲーベルが録音していない、バッハの無伴奏ヴァイオリン曲もぜひ録音してほしいものです。共演はバラージュ・マーテーとレオナルド・ガルシア・アラルコンで、録音は2020年です。

CD : Alpha 758(Alpha)

Alpha 758

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昨日からききはじめた、シュシャヌ・シラノシアンたちの「Bach before Bach」(2020年録音)。このアルバムからバッハの作品のみを収録順にきいており、今日これから楽しむのは、ヴァイオリンと通奏低音のためのフーガ(BWV1026)です。シラノシアンのほか、バラージュ・マーテーとレオナルド・ガルシア・アラルコンが共演しています。

CD : Alpha 758(Alpha)

Alpha 758

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今週前半にきいていくのは、シュシャヌ・シラノシアンたちによる3曲のヴァイオリン曲。「Bach before Bach」と題されたアルバムにはバッハのほか、カルロ・ファリーナ、ヨーハン・ゴットフリート・ヴァルター、ヨーハン・ゲオルク・ピゼンデル、ゲオルク・ムッファト、パウル・フォン・ヴェストホフ、アンドレアス・アントン・シュメルツァーのヴァイオリン曲が収録されています。同種の企画はこのブログでもいくつかきいていますが、バッハの親戚のヴァルターの力作ヴァイオリン曲(パッサカリア)はめずらしい選曲ですね。これから楽しむのは収録順どおり、ト長調のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ。共演はバラージュ・マーテー(チェロ、バス・ヴァイオリン)とレオナルド・ガルシア・アラルコン(チェンバロ)で、録音は2020年です。

CD : Alpha 758(Alpha)

Alpha 758

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今日は復活節前第2日曜日(四旬節第5日曜日)ですが、この日のためのバッハのカンタータは伝承されていません。したがって、今週後半にきいてきた、アナ・デ・ラ・ヴェガたちによる「Bach Unbuttoned」(PENTATONE CLASSICS PTC-5186 893)をひき続き楽しみます。これからきくのは、2つのヴァイオリンのための協奏曲。このCDではフルートのヴェガとオーボエのラモン・オルテガ・ケロという、めずらしい独奏楽器で録音(2020年)されています。共演のオーケストラはハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団です。

PTC-5186 893

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