アジアと小松

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小松基地問題研究会

朝鮮半島情勢を読む 2/24韓国39団体共同声明から

2014年06月27日 | 軍事問題(小松基地など)
         朝鮮半島情勢を読む 2/24韓国39団体共同声明から

 2月24日から4月18日にかけて、韓米合同軍事演習がおこなわれた。キーリゾルフ(指揮所演習)には韓国軍1万人、アメリカ軍5200人、フォールイーグル(野外機動訓練)には韓国軍20万人、アメリカ軍7500人が参加した。

 この韓米合同演習に対して、韓国進歩連帯など39団体による共同声明(対話に冷水を浴びせるキーリゾルフ/フォールイーグル演習を中断し、韓半島非核化と平和協定協商を再開せよ!)が発表された。

 声明文によると、北朝鮮の「張成沢事件」以後、韓米は「北韓変化誘導方案」協議のための「北韓情勢評価高位級会議」を新設し、朴槿恵韓国大統領は「吸収統一」を可能性の次元から実際の政策へと進めている。

 今年のキーリゾルフ/フォールイーグル演習では、対北先制攻撃戦略である「即応型抑止戦略」がはじめて適用された。北朝鮮が核・ミサイル使用の兆候を見せただけで、北朝鮮を先制攻撃する方案を含んでおり、戦争の危機を解消するのではなく、逆に戦争の可能性を高めるものである。

 また、「即応型抑止戦略」のために、キル・チェーンとミサイル防衛体系構築のために、高高度無人偵察機「グローバルホーク」などの関連兵器体系を確保しようとしているが、これは日本の集団的自衛権行使に合わせている(日本は集団的自衛権行使を推進して、対北先制攻撃能力を確保しようとしている)。

 今年の演習は昨年3月に合意された「韓米共同局地挑発対処計画」にもとづいて、「北韓急変事態」を口実に、平時に韓米連合軍を投入する特殊戦訓練や北朝鮮軍の士気を低下させるための心理戦訓練が含まれている。

 3月末には浦項一帯で、1万人余りの兵力と大型輸送機、大型上陸艦、オスプレイなどの最新装備を動員し、最短時間内に平壌を占領する米韓連合上陸訓練がおこなわれた。韓米連合軍が北朝鮮の元山一帯に上陸して平壌から元山ライン以南を遮断し、平壌を占領するシナリオで、米海兵隊が5000人投入され、チーム・スピリット演習以後はじめての大規模な攻撃演習になった。

 キーリゾルフ/フォールイーグル演習は北朝鮮軍撃滅、北朝鮮政権除去、韓半島統一を作戦目的とする「作戦計画5027」に沿ったもので、共同声明は下記の点で、強く反対している。

武力攻撃が発生した場合に限って自衛権の行使を許容する国連憲章51条に反する。
平和統一を闡明している韓国憲法4条と5条に反する。
大規模兵力と攻撃的装備を動員して2ヶ月もの間、攻撃的戦争演習を実施することは、国連憲章2条4項が禁止する武力による威嚇に該当する。
「防御」のみを目的とした韓米相互防衛条約に反する。
韓国国境外からの人員と装備等の武力増強を禁止した停戦協定第2条13項3,4に反する。
国防部の国防目標(外部の軍事的脅威と侵略から国家を保衛して平和統一を後押しし、地域の安定と世界平和に寄与する)にも反する。

 声明の最後に、「私達はアメリカの対北敵対政策の廃棄と韓半島非核化を共に実現させる韓半島平和協定を締結し、韓半島戦争危機を根源的に解消する事を南北とアメリカ、中国など韓半島周辺当事国に求める」とし、暗に日本の集団的自衛権行使、核武装、敵前上陸部隊の創設などに対する危機感もにじませている。

 フォールイーグル演習には、沖縄や岩国の米軍部隊が投入され、沖縄普天間基地に配備されたオスプレイも朝鮮半島周辺に出撃した。日本は韓米軍事演習に深く咬んでいる。韓国・朝鮮人民の声に応え、安倍政権による9条改憲と集団的自衛権行使を喰い止めめねばならない。
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