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アジアと小松

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小松基地問題研究会

レジュメ『共産党宣言』から学ぶ

2016年02月15日 | 落とし文
マルクス主義とは何か-『共産党宣言』から学ぶ

(まとめ)
①資本主義は永遠の体制ではなく、これまでの他の社会体制と同じように、歴史的に登場し、限られた歴史的生命を持つ一体制に過ぎない。
②資本主義社会は階級対立が極限にまで激化した社会であり、人類史における階級社会の最後の形態である。労働者階級は資本主義を打倒する以外に自分を解放できない。
③労働者階級は政治権力を獲得し、社会的生産を労働者自身の手で意識的に組織していくこと。
④労働者階級は賃労働と資本の関係で、世界共通であり世界革命としてのみ実現する。

マルクスが生きた時代―マルクス主義が生まれた時代的背景
15.6世紀 羊毛の確保-囲い込み運動(イギリス)コロンブス、バスコダガマなど(大航海時代)
1750年代 産業革命が始まる(イギリス)-紡績機、蒸気機関、水力紡績機など
1776年  アメリカ独立宣言
1793年  フランス 第1共和制←絶対王政の打倒
1818年  マルクス出生(1883年死亡)
1820年  エンゲルス出生(1895年死亡)
1825年  始めての本格的恐慌 労働組合承認、工場法制定(イギリス)-資本主義社会の確立
1836年  恐慌
1837年  チャーチスト運動(イギリス)―普通選挙権要求、議会改革、10時間労働制の要求
1847年  恐慌 、10時間労働法成立
1848年  フランス2月革命-第2共和制 『共産党宣言』(マニフェスト)
1852年  第2帝政→第3共和制(1870年~)
1853年  ペリー、開国
1857年  恐慌
1867年  『資本論』第1巻
1868年  明治維新
1871年  パリコミューン(3/28~5/28)
1875年  恐慌 江華島事件
1880年代 独占資本の形成-帝国主義政策
1882年  ロックフェラーの石油トラスト(アメリカ)
1883年  マルクス死亡
1884年  帝国主義諸国のアフリカ再分割会議、フランスの中国侵略戦争
1887年  イタリアのエチオピア侵略戦争
1889年  イギリスの南ア侵略戦争 大日本帝国憲法
1890年  恐慌
1894年  日清戦争(1895年台湾割譲)
1895年  エンゲルス死亡
1901年  モルガン鉄工トラスト結成(アメリカ)
1904年  日露戦争(1905年独島略奪)
1910年  韓国併合
1917年  ロシア革命 『国家と革命』(レーニン)

『共産党宣言』の抜粋

第1章 ブルジョアとプロレタリア
A 歴史と階級社会
「これまでのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である」

「近代のブルジョア社会は、封建社会の没落の結果生まれてきたが、階級対立を廃止したわけではなかった。それはただ、新しい階級を、抑圧の新しい条件を、闘争の新しい形態を、古いものとおきかえたに過ぎない」

B ブルジョアジーの発展
「ブルジョアジーの時代は、階級対立を単純化したことを特徴としている。社会全体がますます、敵対する2大陣営、直接に対峙する2大階級に分裂していく-すなわちブルジョアジーとプロレタリアートに」

「市場はさらにますます拡大し、それにともなって需要がいっそう増加した。マニュファクチャでさえももう間に合わなくなった。そこで蒸気機関と機械が現れて工業生産に革命をもたらした。マニュファクチャの代わりに近代的代行業が現れた。…近代ブルジョアジーが登場した」

「ブルジョアジーは歴史上極めて革命的な役割を演じた。ブルジョアジーは、支配権を握ったところでは、あらゆる封建的、家父長的、牧歌的な諸関係を破壊した。…冷たい現金勘定以外にどんな絆をも残さなかった」

「ブルジョアジーは生産用具を、従って生産関係と社会的な諸関係全体を、絶え間なく革命し続けていかなければ生きていけない。…生産の絶え間ない変革、社会状態全体の不断の動揺、永続的な不安定と運動、これが全ての時代と異なるブルジョア時代の特徴である。固定し、さびついた全ての諸関係は、古くから畏敬されてきた観念や見解とともに解体された。…あらゆる身分的なもの、固定的なものは煙と消え、…」

「ブルジョアジーは、あらゆる生産用具を急速に改良し、交通・通信を無限に容易にすることによって、全ての民族、最も未開な民族をも文明の中に引きずり込む。…ブルジョアジーは全ての民族に対して、滅亡したくないならば、彼らの生産様式を採用するよう強制する。…ブルジョアジーは、自分自身の姿に似せて世界を創造するのだ」

「ブルジョアジーは生産手段、所有および人口の分散状態をどんどん解消していく。人口を密集させ、生産手段を集中させ、財産を少数者に集積させた。ここから必然的な結果として生じたのが政治的中央集権制であった。…諸州が、1つの国家、1つの政府、1つの法律、1つの国民的な階級利害、1つの関税線の中にまとめ上げられた」

「ブルジョアジーの成長の土台となってきた生産手段と交通手段は、封建制社会の中で形成されたものだ。生産手段と交通手段がある発展段階に達すると、封建社会が生産と交換をおこなっていた諸関係、農業と工業の封建的な組織、ひとことで言って封建的な所有諸関係は、すでにそれまでに発達していた生産諸力と、もはや対応しきれなくなった。封建的な所有諸関係は生産を促進するのではなく、阻害するに至った。発展の結果、それは束縛に変わってしまったのだ。封建的な所有諸関係は粉砕されるべくして粉砕された。封建的な所有諸関係に変わって、自由競争が登場した。自由競争にふさわしい社会的政治制度、すなわちブルジョア階級の経済的・政治的支配が現れた」

「ここ数十年来の工業と商業の歴史は、ブルジョアジーの生存条件であり、彼らの支配の存立条件でもある近代的生産諸関係と所有諸関係に対する近代的生産諸力の反逆の歴史に他ならない。商業恐慌が周期的におこって、全ブルジョア社会の存立をますます深刻におびやかしている。商業恐慌では、既存の生産物の大部分だけでなく、既成の生産諸力の大部分までもが定期的に破壊される。…すなわち過剰生産という疫病である。」

「ブルジョア的諸関係は自分の生み出した富を手の中に容れておくには狭くなりすぎたのだ。…ブルジョアジーが封建制を打ち倒すのに用いた武器が、今やブルジョアジー自身に対して向けられる」

C プロレタリアートの登場と成長
「ブルジョアジーは自分に死をもたらす武器を作りだしただけではない。その武器を取る人々をも作りだした。すなわち、近代の労働者、プロレタリアである。資本が発展する度合いに応じて、プロレタリアートも発展する。…近代の労働者階級は労働がある限りで生きることができ、その労働が資本を増殖する限りで労働にありつける」

「労働者にかかる費用はほとんど労働者が自分たち自身の維持と自分たち労働者種族の繁殖に必要な最小限の生活手段に限られる。…したがって、労働の価格もその生産費に等しい。」

「近代工業は家父長制的親方の小さな作業場を産業的資本家の大工場に変えた。工場にぎゅうぎゅうに詰め込まれた労働者の大集団は兵隊のように組織される」

「プロレタリアートは様々な発展段階を通っていく。プロレタリアートのブルジョアジーに対する闘争はその存在と共に始まる。最初は個々の労働者が闘う。次に一つの工場の労働者…一地方における一労働部門の労働者が…」

「労働者はこの段階では全国に分散し競争によって引き裂かれた集団にすぎない。」

「工業の発展と共に、…プロレタリアートはよりいっそう密集した巨大な集団となり、彼らの力は大きくなる。」

「プロレタリアは」階級へ組織され、それと共に政党に組織されていくが、それは労働者自身の間の競争によって、繰り返し破壊される。しかしこの組織化はいつもそのたびに再建され、ますます強力になっていく」

「階級闘争がついに決着に近づく時期になると、…支配階級の一小部分が自分の階級から絶縁し、未来を決する革命的階級に結びつくようになる」

「今日ブルジョアジーに対立しているすべての階級の中で、プロレタリアートだけが真に革命的な階級である。…中間諸階層は…保守的である。ルンペンプロレタリアートは…反動的策動に買収されやすい」

「これまでのすべての運動は少数者の運動あるいは少数者の利益のための運動だった。プロレタリアの運動は圧倒的多数者の利益のための、圧倒的多数者による自立的な運動である。現在の社会の最下層であるプロレタリアートは、公的社会を形成しているいくつもの層の上部構造全体を空中に吹き飛ばさなければ、起きあがることも、身をのばすこともできない」

D 資本主義の歴史的限界とプロレタリア革命の必然性
「近代の労働者は工業の進歩と共に、地位が上昇するのではなく、逆に自分の階級的諸条件以下にますます深く沈んでいく。…ブルジョアジーには支配する力がない。なぜなら、彼らは自分たちの奴隷に対して奴隷制の内部で奴隷としての生存を保障することができないからであり、…社会はブルジョアジーのもとでは、これ以上生きていくことはできない。ブルジョアジーの存在はもはや社会とは相容れない。」

「ブルジョア階級の存在と支配にとってのもっとも本質的な条件は、…資本の形成と増殖である。そして資本の条件は賃労働である。」

「工業の進歩は…組織による労働者の革命的団結をもたらす。大工業の発展と共に、ブルジョアジーの足下から、彼らが生産し、その生産物を取得していた土台そのものが取り払われる。ブルジョアジーは何よりも自分たち自身の墓堀人を生み出す。ブルジョアジーの没落とプロレタリアートの勝利は、いずれも不可避である。」

第2章 プロレタリアと共産主義者
A 共産主義者の党の性格と任務

「共産主義者が他のプロレタリア党と違う点は、一つは…国籍と無関係な、プロレタリア階級全体の共通の利益を協調し貫徹すること。もう一つは、…常に運動全体の利益を代表すること、以上の点だけである」

B 共産主義者の当面の目的としての権力奪取
「他のすべてのプロレタリア党と同じである。すなわち、階級へのプロレタリアートの形成、ブルジョアジーの支配の打倒、プロレタリアートによる政治権力の奪取である」

C 私有財産の廃止を中心とする共産主義論の展開
「すべての所有関係は絶えず歴史的に交代し、歴史的に変化してきた。…フランス革命は封建的所有を廃止して、ブルジョア的所有をもたらした。共産主義の特徴は所有一般を廃止することではなくて、ブルジョア的所有を廃止することである。」

「近代的なブルジョア的私的所有は、階級対立すなわち他人の搾取にもとづいて生産物の生産と取得がおこなわれる、最後のそして最も完成された表現なのである。このような意味で、共産主義者は自分たちの理論を、私有財産の廃止という一語に総括することができる。」

「賃労働すなわちプロレタリアの労働によってプロレタリアに財産ができるだろうか? …賃労働が作りだすのは資本だ。…資本は共同的な生産物であり、社会の多くの成員の共同の活動、究極的には社会のすべての成員の共同の活動によってのみ運動することができるものである。だから資本は個人的な力ではない、社会的な力なのである。」

「賃労働の平均価格は…労働者が労働者としての生存を維持していくのにどうしても必要な生活手段の総計である。…われわれが廃止しようとするのは、資本を増殖させるためにのみ労働者が生き、支配階級の利益が必要とする限りにおいてのみ労働者が生きていける、というこの取得の惨めな性格である。ブルジョア社会では生きた労働は蓄積された労働を増殖させるための単なる手段にすぎない。…ブルジョア社会では過去が現在を支配し、共産主義社会では現在が過去を支配するのである。」

「共産主義は社会的生産物を取得する力を誰からも奪うものではない。共産主義が奪うのは社会的生産物の取得によって他人の労働を隷属させる力だけである。」

D 教養、家族、祖国と国民性、イデオロギーと共産主義革命
「ブルジョアジーが失われると言って嘆いている教養とは、圧倒的多数の人々にとっては機械になるための訓練である。」

「ブルジョア家族は、いったい何に基礎をおいているか? 資本、私的営利に基礎をおいているのだ。完全に発達した家族はブルジョアジーにとってしか存在しない。ただしこれはプロレタリアに強制された無家族状態、および公的な買売春によって補完されている。…資本が消え去ればこの両者も消え去る。…現在の生産関係が廃止されれば、それと共にこの生産関係から生じている女性共有制、すなわち公認および非公認の買売春も消え去る。」

「労働者は祖国を持たない。…プロレタリアートはまず政治支配を奪取し、自らを国民的階級へと高めねばならない。…プロレタリアートの支配はこうした諸民族の国民的分離と対立をいっそう消滅させるであろう。団結した行動がプロレタリアート解放の第一条件の一つである。」

「一個人による他の個人の搾取が廃止されるに従って、一国による他国の搾取も廃止される。国民の内部での階級対立がなくなると、諸国民相互間の敵対関係もなくなる。」

「思想の歴史が証明していることは精神的生産は物質的生産と共に変化していく。…一つの時代の支配的思想は常に支配階級の思想でしかなかった。…古代世界が没落期に入ったときに、様々な古代宗教はキリスト教によって打ち負かされた。キリスト教思想が18世紀に啓蒙思想に敗北したときに、封建社会は当時革命的であったブルジョアジーと死闘を演じていた。…共産主義革命は伝来の財産諸関係からの最も根底的な決裂である。だから共産主義革命の進展の中で伝来の思想と最も根底的に決裂することは当然のことである。」

E 政治綱領、政治的諸方策、共産主義社会論
「労働者革命の第一歩はプロレタリアートを支配階級へ高めること、民主主義を闘いとることである。プロレタリアートはその政治支配を利用して、ブルジョアジーから次第にすべての資本を奪い取り、すべての生産用具を国家すなわち支配階級として組織されたプロレタリアートの手に集中し、…このことはまずは所有権とブルジョア的な生産関係に対する専制的侵害を通じておこなわれる以外にない。」

「①土地所有の収奪と地代の国家支出への充当、②強度の累進課税、③相続権の廃止、④すべての国外逃亡者と敵対分子の財産の没収、⑤国家資本に依拠し排他的な独占権を握った国立銀行を通しての信用の国家への集中、⑥すべての運輸機関の国家への集中、⑦共同計画にもとづく国立工場の増設と生産用具の拡大、農地の開墾とその改良、⑧すべての人の平等な労働義務、産業軍の形成、特に農耕のために、⑨農業と工業の経営の結合、都市と農村の対立を次第に除去することをめざすこと、⑩すべての子供に対する公的で無償の教育、今日の形態における子供の工場労働の除去。教育と物質的生産の結合、等々」

「政治権力とは…一つの階級が他の階級を抑圧するための組織された暴力である。プロレタリアートがブルジョアジーとの闘争において必然的に階級へと結集し、革命によって支配階級となり、支配階級として古い生産関係を暴力的に廃止するときに、プロレタリアートはこのような生産関係と共に階級対立の存立条件と階級そのものの存立条件を廃止し、それによって階級としての自分自身の支配を廃止するのである。」

第3章 社会的および共産主義的文献(略)

第4章 種々の反政府党に対する共産主義者の立場
「共産主義者は労働者階級の直接当面する目的と利益を実現するために闘うが、現在の運動の中にあって、同時に運動の未来を代表する」

「共産主義者はどこでも現存の社会的政治的状態に反対するすべての革命運動を支持する。共産主義者は所有の問題をその発展形態の如何に関わらず、運動の根本問題として提起する。」

「共産主義者は自分たちの見解と意図を隠すことを軽蔑する。共産主義者は自分たちの目的がこれまでの一切の社会秩序の暴力的転覆によってしか達成され得ないことを公然と宣言する。…プロレタリアはこの革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」
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