■ブルースから逃れて / The Band (Waner bros. / ワーナーパイオニア)
連日書いてしまっているシビアな成り行きはサイケおやじを確かに疲弊させていますが、だからこそ身に浸み込む歌や演奏があるのは、ありがたいことです。
ザ・バンドが演じる本日掲載のシングル盤A面に収録の「ブルースから逃れて / Out Of The Blue」も、その中のひとつとして、殊更現在のサイケおやじにとっては癒しの名曲♪♪~♪
これが世に出たのは1978年、ザ・バンドが解散する記念に制作された映画「ラスト・ワルツ」のサントラ盤扱いとしての発売ではありますが、ご存じのとおり、件の映画の主要部分を占める1976年のウインターランドにおけるライブ音源とは別に、同名3枚組LP「ラスト・ワルツ」に入れられたスタジオレコーディング音源からのカットというのが、ちょっぴりニクイところでしょうか。
しかも歌っているのがグループ内ではソングライター兼ギタリストとしての存在感が強いロビー・ロバートソンであり、それは皆様もご存じのとおり、当時の立場が映画を観ても間違いないほど、ザ・バンドの中では孤立しての浮きまくりですからねぇ……。
自作の諦観滲む曲調と女々しいばかりのボーカルがジャストミートし過ぎているほどです。
結局、後付けで知った真相らしきものも含めて、ザ・バンドの解散ライブや映画の制作に一番熱心だったのはロビー・ロバートソンであり、同時に何とかザ・バンドを維持継続させようと執着していたのも、本人だけであったというあたりは、なんとなくビートルズの「レット・イット・ビー」に重なって思えるんですが、いかがなものでしょう。
と、まあ、本日も恥ずかしながら、独断と偏見に満ちているサイケおやじではありますが、悲壮感に酔ってはいられないのが現実という厳しさに変わりはありません。
だからこそ、こ~ゆ~歌を欲してしまうという自己矛盾というか、パラドックスの魔力は絶対!?
あぁ、半端な自分が、ここにいます。