OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジャンとディーンとビーチボーイズ

2010-07-22 17:04:02 | Beach Boys

Surf City c/w She's My Summer Girl / Jan & Dean (Liberty/ 東芝)

サーファンはやらないというよりも、全く出来ないサイケおやじですが、所謂サーフィンミュージックは大好き♪♪~♪

中でもジャン&ディーンは、その代表選手として、本日ご紹介の「Surf City」等々の痛快夏向きソングをどっさり歌っています。

それはご存じのように初期ビーチボーイズと通底するサウンド&メロディ感覚が顕著で、実はサイケおやじにしても曲は幾つか知っていたのですが、本格的にレコードを集めて聴くようになったのは、「カール&パッションズ」のオマケ扱いだった「ペット・サウンズ」で初期~中期のビーチボーイズに目覚め、後追いで聴くようになった流れからのことです。

そして恥ずかしながら、その頃にはジャン&ディーンって、ビーチボーイズの弟バンド!?! なんて思い込んでいたのですから、今となっては額に汗が滲みます。

しかし実際にはビーチボーイズよりもプロとしての芸歴に先んじていたのがジャン・ペリーという才人で、既に1958年にはアーニー・ギンズバーグとのコンビによるジャン&アーニー名義でレコードデビューを果たし、後に相方をディーン・トーレンスに変えたジャン&ディーンとして、幾つかのヒット曲を放っていました。

ただしそれは所謂サーフィンミュージックではなく、白人ドゥワップ系のオーソドックスなスタイルだったことが、後追いで聴くほどにサイケおやじには不思議に思えるほどでしたし、それでは何故、ビーチボーイズのフォロワーになったかと言えば、ジャン・ペリーとブライアン・ウィルソンが友人関係になったから!?!

まあ、このあたりの真実をサイケおやじは知る由も無いんですが、それでも日本盤レコードの付属解説書からの受け売りでは、ブライアン・ウィルソンはジャン・ペリーのスタジオでの仕事ぶりに感服していたそうですし、一方のジャン・ペリーはビーチボーイズのジャズっぽいコーラスワークをメインにした新しいR&Rに注目していたというのが定説です。

もちろん両者とも、カリフォルニア育ちで年齢も近かったということに加え、後にビーチボーイズのメンバーとなるブルース・ジョントンがジャン&アーニーの影のメンバーだったという偶然もあるようです。

で、とにかく1963年春頃にはすっかり仲間になっていたジャン・ペリーとブライアン・ウィルソンが共作したのが「Surf City」ですから、そのタイトルどおりに夏全開の歌と演奏は「お約束」以上の仕上がりで、発売されるや忽ちチャートのトップに躍り出る大ヒットになっています。

う~ん、まずは冒頭から鮮やか過ぎる「Two girls for every day」というコーラスのキメが最高ですよねぇ~♪

そして続くメロディ展開やコーラスワーク、リズムとビートのもっていき方がモロにビーチボーイズですし、なによりもスピード感溢れる曲調が素晴らしいですよ♪♪~♪

ちなみにこの曲が出た所為で、本家ビーチボーイズの「Surfin' U.S.A.」がチャートのトップに立てなかったのは今や歴史ですし、その所為で当時のビーチボーイズのマネージメントを仕切っていたブライアン・ウィルソンの父親が大激怒!?! 以降に続く確執の原因だという伝説までも残されたのは、皆様もご存じのとおりです。

そしてB面収録の「She's My Summer Girl」が、これまた共作による幾分の自嘲を含んだオールディズ調の胸キュン曲で、そこはかとなく滲む甘さはやっぱり夏向き♪♪~♪ まさに邦題「浜辺の恋人」に偽り無しでしょう。

ということで、ジャン・ペリーとブライアン・ウィルソンの親交は、そのまんまジャン&ディーンとビーチボーイズの繋がりとなって続き、ビーチボーイズの大ヒット曲「Barbara Ann」でリードボーカルを担当したのはディーン・トーレンスでしたし、制作される楽曲のバックを務めるスタジオミュージシャンも共通するメンバーが多かったと言われています。

今になって思えばジャン・ペリーは社交的であり、ブライアン・ウィルソンはネクラな天才だったという解釈も可能なんですが、ジャン・ペリーが1966年に交通事故からリタイアを余儀なくされ、またブライアン・ウィルソンも同じ頃から精神状態が安定せずに逼塞という悲劇が重なったのも、運命なのでしょうか。

しかしそんなことは「Surf City」を作っていた時には、まさに「神のみぞ知る」定めであり、今日まで聴き継がれている名曲の爽快感には何の暗雲も感じれません。

今日ではふたりとも、それなりに健康を回復した頃の歌を残しているわけですから、全ては下駄を履くまでなんとやらでしょう。

やっぱり名曲にはこういうストーリーも必要だと思うばかりです。

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