OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

Rock of Made In Japan

2023-04-09 17:58:17 | 日本のロック

涙のゴーゴー / エミー・ジャクソン (日本コロムビア)

我が国の流行歌である「歌謡曲」は極めて雑食性&汎用性が高いので、すんなりと諸外国・他地域の音楽性や流行を取り入れ、しかもオリジナルよりも素敵な作品に仕上げてしまった楽曲は枚挙に遑がないわけで、だとすれば、その逆も有り?

例えば日本産の本格的なロックやソウルミュージック、つまりは外国で通用するヒット曲が作られていても不思議じゃ~ないはずっ!?

サイケおやじは何時からか、そんな漠とした疑問と想像を抱いていたんですが、フッと気がつけば、昭和41(1966)年にエミー・ジャクソンが出した本日掲載のシングル盤A面曲「涙のゴーゴー」は、堂々の「それ」じゃ~ないか?

―― なぁ~んて事に思い当たったんですねぇ~~。

なにしろ、作詞作曲&編曲を担当したのが、共に我が国歌謡ポップスの発展に寄与した沢村美司子沢村和子の実兄たる中島安敏ですから、まず以て歌詞が全篇英語で作られており、それは歌っているエミー・ジャクソンが当時はバリバリの外人女性シンガーとして我が国で活躍していたもんですから、さもありなん!?!

もちろん、このあたりは以前に書きましたが、彼女はイギリスから来日したボーカリストという触れ込みながら、実は横浜のアメリカンスクールに通う学生であり、昭和40(1965)年に「涙の太陽」を大ヒットさせていた流れから制作発売されたのが、シリーズ物恒例という「涙のゴーゴー」とはいえ、しっかりと「You Don't Know Baby」というサブタイトルが用意されているのは、なかなか念の入った企画と思うばかりです。

そして肝心の歌と演奏はアップテンポのロッキンソウルがド真ん中 (^^♪

刺激的に叩きつけるオルガンのイントロからヘヴィなドラムス&ベースが提供するビート感は、完全に同時期の歌謡曲を凌駕した勢いがありますし、程好い哀愁を滲ませたメロディラインを歌うエミー・ジャクソンの「外人ノリ」は、極上の洋楽ヒットでありましたよ、当時はっ!

ちなみにジャケットスリーブ裏に記載があるとおり、バックの演奏とコーラスはジャッキー吉川とブルー・コメッツであればこそ、間奏のカッコイイィ~ギターソロは三原綱木でしょうか、思わずコピー衝動が沸き上がってしまうんですが、これは難しいなぁ~~、サイケおやじには (^^;

とにかく、歌良し、曲良し、演奏良しっ!

三拍子揃った痛快な日本産の本物の洋楽ヒットですよ、この「涙のゴー・ゴー」はっ!

そして前述「涙の太陽」と同じく、「涙のゴーゴー」も我が国の女のアイドルシンガーにカバーされ、そのひとつが、あらためて日本語詞を附して昭和50(1975)年に小林美樹が歌った「太陽の誘惑」というのは、良く知られていると思います。

これは追々ご紹介しようと思っておりますが、それでも、個人的には、やっぱりエミー・ジャクソンが英語で歌ってくれた「涙のゴーゴー」が一番好きなんですけどねぇ~~♪

ということで、最近は我が国で昭和50年代に制作発売されていたニューミュージックの中から抽出(?)された楽曲が、極めて少ないながらも、海外で再発見的に注目され、それが「シティ・ポップ」という括りで逆輸入されてのブームになってみれば、そのまた逆の流れから、国産洋楽が聴き直されてもイケると思うんですが、いかがなものでしょう。

思えば今は昔の物語とはいえ、一時期論争があった「日本語のロック」云々という稟議から、やっぱり「ロックは英語が本物」という、どちらとも判断出来かね思想に鑑みて、そのひとつの拠り所が、例えばエミー・ジャクソンの「涙のゴーゴー」かもしれないなぁ……?

そんなふうに思ってしまうのが、旧態依然としたサイケおやじの本音の吐露というわけです。


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