■冬のオペラグラス / 新田恵利 (キャニオン)
いよいよ寒波襲来ということらしく、各地に警報が発令され、暴風雪による災害が懸念されておりますが、皆様の準備はいかがでございましょうか。
サイケおやじは、もしかしたら明日から、以前の勤務地だった雪国へ向かわなければならないという未定の予定が入っているもんですから、車には冬用タイヤと防雪ワイパーを装着しました。
そして当然ながら(?)、あれやこれや、冬用の音楽を借りているトランクルームから取り出してきまして、本日掲載した新田恵利のシングル盤も、そのひとつ♪
もちろん、お目当てはA面収録の「冬のオペラグラス」なんですが、あらためて述べるまでもなく、これが発売された昭和61(1986)年正月当時の彼女は、例の「おニャン子クラブ」のメインレギュラーとして人気絶頂でしたから、これがソロデビュー作であっても、忽ちチャートトップの大ヒットになったのは既定路線!
―― と言えば、まあ……、それまで…… (^^;
なにしろ、皆が分かっていたと思うんですが、彼女の歌のターヘなフィーリングは、それがアイドルシンガーのひとつの証明として、立派に通用するほどの存在感があり、それを活かしきったのが、作詞:秋元康&作編曲:佐藤準という制作スタッフの強い狙いだったと思われます。
それは、特にサウンド作りにおいて、覚え易くてキャッチーな曲メロを歌う彼女のボーカルが「か細い」アニメ声である事を逆手に使い、重いビートと厚めの演奏パートを仕込んであるという、これは当時、業界主導で流行り物の如く作られていた和製スペクターサウンドを試みたものと思えば、エコーで増幅された彼女のボーカルとの相性は、決して悪くはありません。
ただ……、欲を言わせていただければ、もっとストリングスを豪勢に使い、ボーカル&コーラスが、そこに埋没する寸前のミックスで聴きたかったんですよ、サイケおやじは (^^;
しかし、同時に、これはイントロからの雰囲気からしてモロだと思うですが、その頃のブルース・スプリングスティーンがやっていたサウンド作りを想起させられてしまうという、特にオルガンやドラムスの用い方なんかは、意図的なんでしょうかねぇ~~ (^^;
そして、尚更に穿った考えてとして最初、この「冬のオペラグラス」は佐野元春からの提供か?
なぁ~んて、思ったりしていたんですよ、理由は言わずもがなですが (^^;
それはそれとして、これが世に出た事により、「おニャン子クラブ」からのアイドルは確実に売れるという、ひとつの方程式(?)が証明確立され、歌謡界~芸能界全体がトーシロに蹂躙される前提が、これであったとしたら、サイケおやじは決して容認は出来ないんですが、そこは楽曲そのものの仕上がりに対しての個人的な好みから、飲み込んでいる次第です (^^;
つまり、アイドルとしての新田恵利の印象は薄く、それでいて楽曲「冬のオペラグラス」への思い入れだけが特段に強いというわけです。
ということで、冬本番にとなり、もうひとつ、今日は大阪で悲惨な火災か発生し、多くの人命が奪われてしまいましたですねぇ……。
一寸先は闇とはいえ、なんとも救われない気持ちであります。
そして心から、お見舞い申し上げます。