■ロックンロール・ラブレター / 新田恵利 (キャニン)
昔っから作られている洋楽のカバーバージョンの意図は、手っ取り早いヒット狙いである事は言わずもがな、根本にあるのは所謂「イイ曲」ですから、それが競作と言うよりも、長い年月の間にリバイバル的に用いられるエバーグリーンな名曲になっている場合が少なくありません。
本日のお題「ロックンロール・ラブレター / Rock and Roll Love Letter」にしても、オリジナルはアメリカのシンガーソングライターとしては、失礼ながら、それほど目立った存在ではなかったティム・ムーアが、1975年頃に出した自作自演曲だったんですが、決してヒットしたとは言えず、それが翌年になってイギリスのアイドルバンドだったベイ・シティ・ローラーズにカバーされるや、忽ちにして世界的に売れてしまったという紆余曲折の人気曲でしたから、当然の如くカバーした歌手やバンドも多く、我が国では和製ベイ・シティ・ローラーズを標榜していたローズマリーやピンク・レディー等々が同時期にレコーディングしていました。
つまり、リアルタイムの若年層には、それなりに刷り込まれた楽曲だった事を思えば、新田理恵が昭和63(1988)年に出した本日掲載のシングル盤、それもウリのA面に入れてしまったのも、ムペなるかなっ!? キャッチーなリズムにデジタル風味を塗した聊か軽薄なビート感こそが、如何にも昭和も末期のアイドル歌謡ポップスになっていたんですねぇ~~♪
ちなみに作詞作曲は既に述べたとおり、ティム・ムーアなんですが、メロディ展開は絶妙にベイ・シティ・ローラーズっぽいフェイクが仕込まれている気がしますし、訳詞というか意訳的な日本語を附したのは秋元康、そして編曲は山川恵津子という制作スタッフのクレジットが確認出来ます。
そ~です、彼女は今や懐かしの「おニャン子クラブ」初期からのメンバーでして、ソロデビュー曲も大ヒットしたという記憶はあるんですが、当時のサイケおやじには、それほどの印象が残っていません。
で、このシングル曲「ロックンロール・ラブレター」に関しては、おそらく前述「おニャン子クラブ」を抜けた後に出された様な気がするんですが、ちょいと確証はありません。
ちなみに同曲の以前のカバーバージョンでは訳詞が岡田冨美子だったんですが、それはそれとして、彼女が歌っている男の立場でありながら、ほどほどの女々しさもニクイばかりで、なによりも収録バージョンのミックスが演奏メインっぽいというか、ボーカルがオフ気味なところにロックっぽさを感じたりします。
ということで、実は本日も、ひし美ゆり子様のツイキャスに耽溺しておりますので、これにての失礼、ご容赦お願い致します <(_ _)>
素敵な時代になったんもんですねぇ~~♪