OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

細野晴臣は鬼か? 福か?

2020-02-03 20:31:26 | 日本のロック

恋は桃色 c/w 福は内 鬼は外 / 細野晴臣 (ベルウッド / キングレコード)

今日は節分、ということは、豆まきに恵方巻なぁ~んていう浮かれた世間に背を向けたくなるのが、例によって天邪鬼なサイケおやじの性分ではありますが、とりあえず音楽だけでも、それらしい歌や演奏を聴いてみるかっ!?

そんな気分で取り出したのが、元はっぴいえんどの細野晴臣が昭和48(1973)年に出した本日掲載のシングル盤で、もちろん狙いはB面収録の「福は内鬼は外」であります。

ご存知のとおり、ここで「元」と記したのは既に前年末、はっぴいえんど正式解散が表明されていたからで、そして細野晴臣は同じ頃、はっぴいえんどの同僚だった鈴木茂(g)、加えて松任谷正隆(key) と林立夫(ds) を入れた新バンドのキャラメル・ママを結成し、その最も初期のレコーディングセッションとなったのが、このシングル盤収録の2曲を含むLP「HOSONO HOUSE」の制作でした。

しかも、これがアルバムタイトルどおり、当時の細野晴臣が住んでいた狭山市の米軍住宅を借りた自宅で行われ、つまりはポール・マッカトーやジェームス・テイラー、そしてザ・バンド等々が既にやっていた所謂「ホームレコーディング」を実践したという、ある意味では流行の先端という歴史的な意味づけが今ではあるらしいんですが……。

現実的には決して一般的に売れたレコードでは無かったと思いますし、歌謡フォークが全盛だった日本の歌謡界においては、こ~ゆ~フォークでもロックでも明確な分類が自意識的に難しい音楽は、それが相当だったんじゃ~ないでしょうか?

少なくともサイケおやじにとっては、知り合いから件のLPを借りて聴いただけではありますが、どこかしら中途半端な仕上がりとしか思えませんでした……。

ところが、そんなある日、偶然にもラジオから流れて来たのが、このシングル盤収録のA面曲「恋は桃色」で、細野晴臣が作詞作曲&編曲した曲調は、ポコザ・バンドして、さらにリンディスファーンしたような、ふんわりふわふわのカントリーロックなんですが、耳を惹きつけられるのは、なんとも不思議な快感を導いてくれるコード&コード進行なんですねぇ~~♪

う~ん、前にアルバムを借りて聴いていた時には全く感じる事の出来なかった気持ち良さって、なんでせう?

そう思い込んでしまえば、後は自ずと掲載したシングル盤をゲットする他はありませんでした。

そしてB面に入れられていたのが、同じくアルバム「HOSONO HOUSE」からカットされた「福は内 鬼は外」というわけなんですが、こちらは異国情緒がたっぷりのラテンビートをメインにダジャレっぽい語呂を用いたと思われるコミックソング?!?

それは例によってサイケおやじの勘違いかもしれませんが、陽気でありながら、せつない気分も滲み出る歌と演奏は、何時の世にも安定と不安定がゴッタ煮となった世相にジャストミートしている気がしますねぇ~~♪

ということで、このシングル盤に魅せられなかったら、サイケおやじにとっての細野晴臣は、はっぴいえんどの「風をあつめて」だけの歌手であり、歌謡曲の世界の優れたスタジオミュージシャンというだけの認識だったと思っています。

全く……、福は内 ♪ 鬼は外 ♪

コメント
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