OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

秘密の山口かおり

2020-02-16 18:18:47 | 歌謡曲

フィフティーン・ラブ~口唇の秘密 / 山口かおり (RCA)

字面や発音が紛らわしい言葉は数あれど、それが人名の場合となれば、尚更に混乱と曖昧なイメージがゴッタ煮となって、果て無い思い込みへ繋がってしまうのが、この世の難しさかもしれません。

例えば昭和60(1985)年秋、本日掲載のシングル盤を出して歌手デビューした「山口かおり」は、一般的な結果としては大きなブレイクも無かったアイドルだったんですが、後に「山口かおる」と名乗る女性歌手が登場した時、確かそれは平成16(2004)年頃だったんですが、とにかく正統派歌謡曲~ポップス演歌を得意にしていた彼女と、所謂1980年代アイドルだった「山口かおり」を混同してしまった日本人は絶対に存在していたはずです。

実は何を隠そう、サイケおやじが全くそのひとりだったんですよっ!?

そこで、まず今回はアイドルとして活動した「山口かおり」なんですが、デビュー当初から某社チョコレートのテレビCMに、このシングル盤A面収録曲「フィフティーン・ラブ~口唇の秘密」が起用され、それによってサイケおやじも、おぉ~~♪

なんとも琴線に触れまくったメロディとサウンドに速攻シビレたんですが、肝心のボーカルがロリ趣味というよりは子供っぽいところに聊かの……。

それでもやっぱり、好きな歌のレコードは欲しいという本能(?)に導かれてゲットしたのが掲載盤というわけなんですが、そのジャケ写ポートレートに登場している「山口かおり」はボーカルスタイルとは裏腹に、ちょっぴり大人っぽい感じに思えたんですから、世の中はわかりません。

で、肝心の「フィフティーン・ラブ~口唇の秘密」は作詞:三浦徳子&作曲:財津和夫が提供した、微妙にオールディズ風味が塗されたアイドル歌謡ポップスの典型みたいな仕上がりで、極言すれば松田聖子あたりが出しても不思議じゃ~ない雰囲気なんですが、しかしサイケおやじの心を惹きつけたのは、その「オールディズ風味」を増幅させた矢野誠のアレンジなんですねぇ~~♪

それは、これまでも度々触れてきましたが、その頃の我が国歌謡界は大瀧詠一が主導したというか、フィル・スペクター症候群が蔓延していたもんですから、殊更アイドル業界における編曲やアレンジには例えばロネッツやクリスタルズ等々を特徴づけていたリズムやビートの用い方、そして定番(?)リフの再利用が何の衒いも無く持ち出され、この「フィフティーン・ラブ~口唇の秘密」にしても、それを無意識のうちに意識させられてしまうという、大変な美味しさがテンコ盛り♪♪~♪

ただし、録音やミックスダウンに関しては、そこまで露骨にフィル・スペクター流儀の「音の壁」は取り入れず、むしろ歯切れの良い、その時代の最先端の音作りが試みられているのは、如何にも分かり易さを求められるCMソングにして、アイドルポップスの王道かと思います。

しかし、既に述べたとおり、やはりアイドルシンガーとしてはブレイク出来ず、レコードもシングル盤をもう1枚出したところでグラビアアイドル的な活動や女優へと転身してしまったのは、まあ……、ありがちな進路でしょう。

さて、そうして月日流れ、時代は21世紀に入った平成16(2004)年、突如として「山口かおる」という歌謡曲のボーカリストが登場し、サイケおやじを驚かせたました。

結論から言えば、全くの別人だったんですが、最初に芸名と歌だけ聞いた時は、思わず唸りましたでねぇ~~~!?▲?

あの子供っぽかった「山口かおり」が、ここまで本格的な歌謡曲をやっているなんてっ!?

そうです、「山口かおる」は大きなヒット曲は放っていませんが、実力派として、それなりに熱烈なファンも存在している個性派なんですよっ!

彼女については今回、ここまでとさせていただきますが、気になる皆様は「山口かおる」で検索される事をオススメ致します。

ということで、本日の主役たる「山口かおり」がコアなアイドルマニアの世界で、どのように評価されているかは、知る由もありません。

しかし、彼女の様な存在こそが、実は忘れられないアイドルじゃ~なかろうか?

そんなレトリックを用いたくなるのも、この世の不思議な理と思っているのでした。

コメント
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