OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

宮前ユキに GIVE UP させられた浮浪雲

2017-09-25 18:13:07 | 歌謡曲
GIVE UP / 宮前ユキ (ポリドール)

テレビドラマで使われるテーマ曲には一聴して魅了されるものが少なくありませんが、本日掲載のシングル盤A面収録「GIVE UP」にも、サイケおやじは瞬時に完全KOされましたですねぇ~~♪

これは昭和53(1978)年春~秋にテレビ朝日系列で放送されていた時代劇「浮浪雲」の主題歌で、作詞:阿久悠&作曲:大野克夫、そしてアレンジは船山基紀が担当した、実にロッキンソウルなディスコ歌謡でして、チョッパーベースやアタックの効いたギター、そしてニューソウルなストリングスは言わすもがな、宮前ユキの歌いっぷりの蓮っ葉な純情(?)が最高に素晴らしいんですよっ!

告白すれば、サイケおやじは宮前ユキについて、我が国のカントリー&ウエスタンの分野では女王的な存在という事だけは知っていたつもりだったんですが、もちろんこの時点まで彼女の歌はきっちり聴いた事がなかったもんですから、完全に自分の好みのツボを刺激してくれたこのボーカリストは誰?

なぁ~んていう自らの不明を反省せざるをえなかったほどです。

もちろん、その頃ともなれば、時代劇にも流行最先端の洋楽味を強めた劇伴音楽は珍しくなかったんですが、ドラマ本篇がジョージ秋山の代表作のひとつにしてビックコミックで長期連載されていた「浮浪雲」の実写版ですから、原作の魅力だった洒脱でコミカル、そしてハードボイルドな雰囲気の良さをイメージ化させるには、思いきったカッコの良さも必須だったと思いますので、この宮前ユキが歌う「GIVE UP」は大正解だったはず!

なにしろ主人公の浮浪雲を演じたのは渡哲也ですから、クールにして野暮天フィーリングも好ましい役者としての資質が全開していましたし、その妻にして明るく、現代的(?)なカメ役が桃井かおりというキャスティングであれば、倉本聰や金子成人の脚本には昭和歌謡曲を口ずさんだり、放送時オンタイムの風俗&風物が出てきたり、台詞にしてもほとんど現代劇調という、正統派時代劇のファンからすれば噴飯物の演出は賛否両論ながら、これが石原プロの製作というのも、妙に味わい深いところでした。

そして当然ながら他のレギュラーメンバーや毎回のゲストにしても、所縁の面々が登場する事が多く、このあたりは既にDVD化されているドラマ本編でご確認、お楽しみ下さいませ。

個人的には渡哲也と云えば、一般的なイメージは日活ニューアクションの「無頼シリーズ」とか、テレビアクション物の傑作「大都会」、あるいはこの「浮浪雲」終了直後に始まった「西部警察」に代表されるハードボイルド系の演技に魅せられるものが強いのかもしれませんが、実はコミカルというか、あえて言わせていただければ、「紅の流れ星」等々に強く表出されたオトボケ寸前のソフトボイルドな役柄にもジャストミートの最高感を覚えますので、時代に先んじながら、飄々と生きる浮浪雲の渡哲也も、決して嫌いではありません。

ということで、そんなこんなをとりとめもなく綴りながらループ&リピートしまくって鳴らす宮前ユキの「GIVE UP」は、本当に素敵ですねぇ~~♪

凹んだ気分も思わず逆転する快感に浸ってしまうのでした。
コメント (3)
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