昨夜からいろいろあって、仕事はトラブルの大嵐でしたが、頼んでいたブツがドサッと入荷♪ 故に何とか精神の均衡を保ちつつ、幸せの一番星でした。
まず、これ、聴きましたからねぇ――
■やさぐれ歌謡最前線 / みなしごのブルース (ユニバーサル)
ハードボイルドに浸りたい……。そんな気分って、誰にでもあるでしょう。
でも生き方までは、そう行かないから、慰めが必要なんでよね……。すると世間は暖かい……。ちゃんと、そんな気分にぴったりの歌が、あるんですぇ。
このCDは本日、復刻発売されたばかりのオムニバス盤で、中身は昭和歌謡曲の「やさぐれ」がたっぷり詰まっています。
もちろん、全てが名曲・名唱というわけではありません。こういう企画では避けられない弱点ではありますが、どのトラックが好きかは、十人十色です――
01 みなしごのブルース / アワネ麻里
02 ナイト・トレイン / アワネ麻里
03 とても不幸な朝が来た / 黛ジュン
04 星の流れに / 秋吉久美子
05 エリカの花散るとき / 秋吉久美子
06 涙のかわくまで / 西田佐知子
07 やさぐれブルース / 賀川雪絵
08 野良犬 / 賀川雪絵
09 海は女の涙 / 石川セリ
10 街 / 桃井かおり
11 尻軽女ブルース / 桃井かおり
12 怨み節 / 梶芽衣子
13 欲しいものは / 梶芽衣子
14 酔いどれ女の流れ唄 / 加藤登紀子
15 いつか男は去って行く / 川辺妙子
16 野良猫 / ガールズ
17 パンキー・ハイスクール・ラブ / ガールズ
18 LOVE JACK / ガールズ
19 東京迷路 / 藤圭子
何と言っても、ド頭に収録された「みなしごのブルース」ですよ♪ 昭和歌謡曲マニアには必須のアイテムとして、オリジナル・シングル盤は高値が付いていますので、こうした最新リマスターでのCD復刻は喜ばしいところです。つまり、ひとりでも多くの皆様に聴いていただきたい名曲なのです。
これは作詞:ちあき哲也、作曲:筒美京平という黄金コンビが昭和46年に発表した歌謡フォークと言っていいんでしょうか、泣きのメロディを哀愁のトランペット、生ギター、エレキピアノ、ヴァイブラフォンで味付けし、哀しみと諦観に満ちた詩の世界を浮彫りにした、ハードボイルドな仕上がりです。
歌っているアワネ麻里については、恐らく後年の粟根まりえと同一人物かもしれませんが、その正体・履歴については良く知りません。しかし歌いっぷりは完全にハマっています。必聴!
で、2曲目の「ナイト・トレイン」はそのB面に収められていたリズム歌謡で、R&B演歌系なんですが、サビで妙に明るい展開に持っていくあたりが、筒美京平のワザが空回りした迷・名曲だと思います。そしてアワネ麻里の歌唱は、ここでもコブシを巧みに使って、最高です。
さらに3曲目は、ご存知、黛ジュンの大ヒット曲「とても不幸な朝が来た」ですから、私のような者は、この3連発で悶絶です。それにしても黛ジュンのボーカルの力は大変なものですねぇ、あらためてその粘っこい魅力を痛感しています。
4&5曲目の秋吉久美子の歌は、もちろん有名昭和歌謡曲のリメイクですが、バックの演奏は、日本のプログレバンド「四人囃子」+凄腕の「安全バンド」なので、要注意です。私なんか、カラオケが欲しいと思うほど、強烈なグルーヴが楽しめます。
6曲目はあまりにも有名な西田佐知子の名曲ですが、個人的には奥村チヨのカバーの方が好きですね……。
7&8曲目を歌う賀川雪絵はスケバン女優としての面目躍如! このクサミは、彼女であるから許されるという……。とにかく聴いて下さいませ。
他には桃井かおりの「尻軽女ブルース」がジャズ歌謡と諦め歌唱がマッチした名曲だと思います。
また梶芽衣子の「怨み節」は昭和54年に発売されたリメイク・バージョンで、アレンジが軽めになった分、彼女の歌の凄みが自然体で楽しめる、まあ、賛否両論の出来だと思います。
16~18曲目に3曲も収録されたガールズは、当時人気があった外タレ・バンド=ラナウェイズに肖ったセクシー・バンドです。もちろんキワドイ衣装とツッパリな歌&演奏がウリでした。テレビにもガンガン出まくりでしたし、「野良猫」はヒットしましたねぇ~♪
今思うと、レコードと生ライブの差が当たり前にあったバンドなんですが、ブスの瞳に恋している現在の社会状況では、憎めませんね。本格的にCD復刻すれば、かなり売れると思うんですが……。もちろん映像もねっ♪
しかしこのアルバムの大団円は、やはりこの人という藤圭子! しかもウルトラ名曲の「東京迷路」なんですから、もう、たまりません。この人のボーカルの凄み、存在感、歌いまわしとリズムへのアプローチなんて、天才です。20年前の曲なんですが、全く古びていません♪ 現在では愛娘の宇多田ヒカルの方が注目されていますが、まだまだですと断言します。あぁ、彼女のコンプリート・ボックスとか、紙ジャケット完全復刻なんてあったら、私は全てを投げ打つ覚悟が出来ています。
ということで、これもとにかく聴いて下さい! リマスターも良好です。としか結論付けられない暴虐のコンビレーション盤なのでした。あぁ、今日も幸せだぁ~♪