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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

レディジェンの煩悩

2010-07-30 14:43:16 | Rolling Stones

出張先から失礼します。

ついにというか、素直に喜んでいいのか!?

ストーンズのライプ全盛期の記録映画「Ladies & Gentlemen」がオフィシャル化らしいです。

どうやら10月の発売予定!?

これまで散々、ブートで出回っていましたが、今回はピッチが正確なのか?

ミック・ジャガーのインタビューのおまけは如何に?

米国盤ブルーレイは日本語字幕入り?

もし、そうだったら、これを契機にブルーレイを導入しようかなぁ。

等々、諸々の疑問と煩悩が早くも私の心に渦巻いています。

ネットでは早くも様々な情報が飛び交って、なにが真実なのか不明……。

しかし絶対なのは、買うという行動だけです!

ストーンズフリークはもろちん、全てのロックファンは必見!

なんだか今日は、何も手がつかない状態です。

乱文、ご容赦願います。

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ストーンズとうなぎのライブ

2010-07-26 17:19:23 | Rolling Stones

Got Live If You Want It! / The Rolling Stones (London)

ストーンズが1966年のクリスマス商戦用にアメリカ優先で出したライプLPなんですが、本日掲載したのは、そのモノラルミックスの米国盤です。

ご存じのように、当時のアナログ盤ではステレオとモノラルの両ミックスにおいて、まだまだ厳然とした差異が認められていましたから、このアルバムも例外ではありません。しかもCD時代となって再発された時、マスタリングの都合があったのか否か、英米盤はもちろんのこと、日本を含めた各国盤で様々なミックス違いや編集ポイントの不可思議が重なったという、なかなか一筋縄では聴けない作品になってしまいました。

その詳細と経緯については、拙稿「転石音盤史 1966 part 5」をご一読願いたいのですが、これを本日、わざわざ取り上げたのは、ちょい前の出張で中古盤屋から釣り上げてきたという顛末です。

告白すればサイケおやじは、既にこのモノラル盤は2枚所有していたのですが、それでも状態の良いブツに出会ってしまえば、ゲットさせられてしまうんですねぇ。

まあ、そうやって他にも複数枚の所有になっているレコードは相当にあるんですが、あぁ、やっぱり今回も……、なぁ~んて自分に言い訳をしながら、お金を払ってしまいました。

ちなみに価格は販売店との信義もありますから、詳らかには致しませんが、相場よりも、かなり安かったんですよ♪♪~♪

ということで、今日は土用の丑の日!

全くストーンズとは関係ないんですが、特に今年はバテバテのサイケおやじにすれば、うなぎを奮発しようか、思案の首が曲がりっぱなし!?

いや、このアルバムってヌルヌルしていて掴みどころがない魅力というか、聴けばレコードに刻まれた観客の熱狂がダイレクトにリスナーのエネルギーに変換されるという、実はうなぎの蒲焼のような美味しい人気盤!

その脂っこさだって、言わずもがなでしょう♪♪~♪

と、こじつけところで、本日は失礼致します。

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ブート売り場のならず者

2010-07-17 16:56:16 | Rolling Stones

Get A Line On You / The Rolling Stones (bootleg = CD)

出張中止を言い訳に、先日は昼間っから映画鑑賞に赴き、ストーンズのドキュメント作品「ストーンズ・イン・エグザイル」を堪能してきました。

その内容はストーンズが1972年に出した傑作2枚組LP「メインストリートのならず者」の内幕を、当時の写真やホームビデオ映像を使い、メンバーや関係者のインタヴューで構成したマニアックなものですから、決して一般向きではないでしょう。月末にはDVDの発売も予定されています。

しかし、それをあえて劇場公開するという商魂よりも熱意というか、そういう部分に共感しているお客さんが多いように見受けられたのは、これもサイケおやじの言い訳でしょうか。

まあ、それはそれとして、この「メインストリートのならず者」再発見(?)プロジェクトは公式リマスター盤に未発表テイクを追加しての発売、あるいは前述のドキュメント作品の制作等々、にわかに活発になったのと並行して、当然ながらブート業界も便乗しているわけで、本日ご紹介のブツもそのひとつです。

ちなみに該当アルバムのセッションからは、これまでも様々な流出音源が纏められ、例えば以前にご紹介した「Exile Of Main St. Outtakes」もそうだったんですが、新マスターの裏入手や音質の改善により、そのクオリティが日進月歩なのは言うまでもありません。

またネット時代の恩恵というか、それらの音源が無料でダウンロード出来たり、また入手に関してもメールによる販売情報が充実していますから、イリーガルな世界ではありますが、それは正直、良い時代になったものだと思います。そして実際、サイケおやじにしても幾つかのルートを確保し、楽しい無駄遣いをやっているというわけです。

で、これもサブタイトルに「Exile Outtakes」とあるように、以下の演目が収録されています。

 01 All Down The Line (acoustic)
 02 Get A Line On You
 03 Shake Your Hips
 04 Sweet Virginia
 05 Ain't Gonna Lie
 06 Bent Green Needles
(inst.)
 07 Let It Loose (inst.)
 08 Travellin' Man
 09 I'm Going Down
 10 Hillside Blues
 11 Stop Breaking Down
 12 Shine A Light
 13 Dancing In The Light
(inst.)
 14 Alladin Story (inst.)
 15 Leather Jacket (inst.)
 16 Potted Shrimp (inst.)
 17 All Down The Line (electric)

まず驚いたのは、その音質の優良性と統一感です。

ストーンズ中毒者ならば、収録演目がこれまでも度々ブートとして出回っていた過去はご存じだと思いますが、とにかくそれらは音質や音圧にバラツキがあって当然の世界でした。

ところが今回のブツは、通して聴いていても、それほど違和感の無い、なかなか丁寧な編集構成が高得点♪♪~♪ 最初と最後に「All Down The Line」を置いたのもニクイところです。

また業者の狙いが明らかに公式拡張盤の真相究明にあったのは間違いないところで、そのオフィシャルで登場してきた未発表曲が決してリアルタイムの生音源ではなく、現代で世に出すにあたり、相当なオーバーダビングや改変が施されたのは既成の事実になっています。

例えば「Dancing In The Light」は、ここでのインストバージョンを聴けば、拡張盤収録の未発表テイクが、新たにミック・ジャガーのボーカルやアコースティックギターをダビングした結果であることが知れるでしょう。

また「Alladin Story」も拡張盤では「So Divine」の曲タイトルで初出とされた演奏ですが、ここでは「So Divine」に聴かれた露骨にオーバーダビングしたリードギターが無いので、物足りなくもあり、また素朴な味わいも捨て難いという、なかなか意味深なトラックになっています。

またオーラスのエレクトリックバージョンの「All Down The Line」も、拡張盤のオマケテイクとは別物で、ほとんど完成直前でありながら、ラフな質感が中毒性を秘めた快演ですよ♪♪~♪ 実はシングル盤オンリーで女性コーラスが大きいモノラルバージョンと同一疑惑もあったのですが、微妙にミックスが異なっているように思います。ただし最後の最期に針音が聞こえるので、う~ん……。

それとこれまであまり良い音質で聞かれなかった「Ain't Gonna Lie」が、今回は合格点でしょうか。一般的には「スティッキー・フィンガーズ」制作時のデモ&未完成テイクとされていますが、こういう平凡なブルースロックをも魅力的にしてしまうストーンズ独自のグルーヴは、やっぱり素敵♪♪~♪

ですから、ど~でもいいようなプルースジャムの「Hillside Blues」でさえ、ミック・テイラーの如何にも「らしい」ギターワークを中心に聞けてしまうんですねぇ~♪

またブルースの古典をストーンズ流儀に演じた「Stop Breaking Down」が、公式テイクの混濁した雰囲気よりもずっと明快なノリで解釈されているのも嬉しいかぎり! もう、当たり前すぎて、面映ゆいほどです。

それと皆が大好きな「Shine A Light」が今回、さらにストレート真っ向勝負なテイクになっているのも強烈で、例のレゲエ風味は抑え気味にしつつも、ミック・テイラーのギターが泣きまくるという、実にツボを刺激する歌と演奏が結果オーライ♪♪~♪ 公式テイクでは印象的だったゴスペルコーラスも入っていません。

気になるインスト曲では、「Leather Jacket」が明らかにミック・テイラー主導というムードが濃厚で、何処かで聞いたことのあるようなリフやフレーズが組み合わされた展開は、およそストーンズらしくありませんが、ミック・ジャガーのボーカル入りテイクを期待すると、それはフェィセズになるかもしれませんね。

しかし「Potted Shrimp」は逆にキース・リチャーズの色が全く強く、これはこれで相当に面白いです。ワウワウのギターソロは誰?

ということで、プート初心者にもオススメ出来る優良盤です。

で、この機会に書いておきたいのが、ブートの世界にまでオリジナル盤云々を取り沙汰する昨今一部の存在です。

もちろんブートの世界にも、音源供給の過程も含めて、正統派レーベルの確固とした流れがあるのは認めるところです。そしてそういう一流(?)メーカーの出したブツが、しばらくするとコピー物として出回るのが、ブート業界の常識的な掟であることも、同様でしょう。

それを指弾するが如き態度でコピー物を非難するのは、ブートが所詮は泥棒業界であることを忘れているような気がしますねぇ。

実は最近、ストーンズの初来日となった1990年の公演から、東京ドームにおける隠密録音の8枚組が、なんと100セット限定で世に出たのですが、これはもちろん音質が良かった事に加え、初出音源があったので、忽ち完売! サイケおやじも必死でなんとかゲット出来ましたが、直後に追加プレスが売り出され、今ではコピー物が堂々と出回っている始末です。

また前述したドキュメント映画を上映していた劇場には、ブートの売人も密かに商売をやっていたりしたようです。

こんなところは以前、プロレスブームが全盛期の頃、後楽園ホールの周囲で昔のテレビ中継試合を収録したブートビデオを売っていたのと似ているわけですが、内容が優れていれば、ブートなんてCDRでも、MP3でも、何でもOKということです。

それよりも、例えば本日ご紹介のブートにも顕著なように、どこで集めてきたのかは知る由もない音源を丁寧にリマスターし、ひとつに纏め上げる根性と情熱には、潔くお金を払うのが、礼儀でしょうね。

もし、それがハズレであったとしても、人生の勉強と言えば大袈裟ですが、少なくとも一瞬の夢とワクワク感を買えるのであれば、それがマニアの生きる道かもしれません。

その違法性についても、まあ、ヤミ米を食っていると思えば……。

よしっ、一生、ついていくぞぉ~~~!

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魅力の生音ストーンズ

2010-06-02 16:27:18 | Rolling Stones

Frankfurt Tape 1973 / The Rolling Stones (- = Bootleg)

世情混沌とする中で発売されたストーンズの傑作アルバム「メイン・ストリートのならず者」リマスター盤は、果たしてどうなのか……!?

未発表曲&アウトテイクが入っていること、さらに豪華&高価箱仕様にはリマスター音源を使ったアナログ盤や1972年の北米巡業から作られる予定だった映画「Ladies And Gentlemen」と「Cocksucker Blues」の抜粋映像入りという企画は、確かに嬉しいものでした。

当然ながらサイケおやじもゲットさせられたわけですが……。

実は心から楽しめたわけでは、決してありません。

それはリマスターによって再構築された「音」の今風な響きというか、特にボーナストラックの幾つかは、これまでブートで耳に馴染んでいたことあり、どうやら全篇に部分的な音の差し替え等々があるのは間違いないという結論に達しています。

そのあたりを聴き較べる作業も、実は手持ちの音源をあれこれ引っ張り出しての奥の細道に対し、多忙を極めている現在の仕事があっては些か苦痛になっているが、ストーンズ中毒者を自覚しているサイケおやじには哀しいところ……。

で、結局は昔の「生の音源」を求めてしまうんですよねぇ。

例えばちょいと前に入手していた本日ご紹介のブツは、1973年の欧州巡業音源としては、昔から人気の高いもののひとつですが、一応は最新のリマスターというコピー物!?

 01 Brown Sugar
 02 Gimme Shelter
 03 Happy
 04 Tumbling Dice
 05 Star Star
 06 Dancing With Mr.D
 07 Angie
 08 You Can't Always Get What You Want
 09 Midnight Rambler
 10 Honky Tonk Women
 11 All Down The Line
 12 Rip This Joint
 13 Jumping Jack Flash
 14 Street Fighting Man

ソースデータは1973年9月30日のフランクフルト、その2ndショウを客席から隠密録音したもので、これが何故に人気が高いかと言えば、ミック・テイラーのギターがクッキリハッキリ! 大きな音で聞こえるんですねぇ~♪

正直に言えば、キースのギターが引っ込み、またミックのボーカルもそのとおりという、幾分バランスの悪い音源なんですが、それゆえにリアルな臨場感がブート愛好者にはたまらないところじゃないでしょうか。

もちろんミック・テイラー信奉者にとっては至上の音源♪♪~♪

毎度爆発的なギターソロがここでも満喫出来る「Gimme Shelter」、テンションの高いスライドを披露する「Brown Sugar」や「All Down The Line」はスワンプ的な味わいも別格です。

さらに単音弾き中心のアドリブソロも、まあ、何時も同じようなフレーズばっかりという手癖が逆に嬉しいかぎり♪♪~♪

一方、キースも負けじと奮闘しますが、残念ながら前半では録音の状況から少しばかり勿体ない……。ただし「Dancing With Mr.D」以降になると、それなりに音が大きくなってきますから、後半は本当にストーンズ本来のギターアンサンブルを主軸とした、まさに白熱のロックショウ!

そして轟音の中から確実に聞こえてくるビリー・プレストンのオルガン&ピアノも良い感じ♪♪~♪

ですからクライマックスの「Jumping Jack Flash」から「Street Fighting Man」へと続く流れには、思わず腰が浮いてしいますねぇ~♪ もうミック・テイラーが大暴れですよっ! 特に「Street Fighting Man」の最終パートは物凄いとしか言えません!

ということで、時にはマイクを隠すためでしょう、部分的にはドロップアウトもありますから、決して初心者にはオススメ出来ませんが、ストーンズ中毒を患ってさえいれば、これはこれで至福のひとときが楽しめると思います。

ちなみに他のブートとの音質面での差異では、例えば手持ちの「Guten Abend Frankfurt (VGP)」と比較して、そんなに大きな変化は無いと思いますが、モノラルミックスの定位がこれまで以上に真ん中でメリハリが効いて再生されるという感じがします。

そして今回の「メイン・ストリートのならず者」リマスターをきっかけに、いよいよアーカイヴ物に手を染めたストーンズが、今でも一番人気の1973年ライプ全盛期の音源を解禁してくれることを痛切に願っているのでした。

さあ、今日もまた「メイン・ストリートのならず者」を聴く他ないですねぇ。

と、口では嘆いていますが、本音は嬉しいというサイケおやじの心情は、既に読まれていますよね。ふっふっふっ。

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ロニー画伯は上機嫌

2010-05-13 16:33:30 | Rolling Stones

Gimme Some Neck / Ron Wood (Columbia)

1970年代も最後の2~3年になると、なかなかサイケおやじ好みのロックの新譜が出なくなっていましたが、例外的に速攻で楽しんだのが、本日ご紹介の1枚でした。

主役のロン・ウッドは初期ジェフ・ベック・グループフェイセズでの活躍によりロックファンに認知され、1974年頃からは地道にリーダー盤も発表していたところから、このアルバムを出した1979年にはストーンズのメンバーとしてすっかり馴染んだ存在でした。

それは自らストーンズのファンと公言しているロン・ウッドならではというか、常にキース・リチャーズの顔を立てることを忘れませんし、本来がファジーなストーンズのライプ巡業では、例えばメンバー紹介を忘れたミック・ジャガーをフォローしたり、ビル・ワイマンの女癖の悪さを見て見ぬふりをする以外にも、チャーリー・ワッツが悪いクスリに溺れていた時期にはストーンズの結束が緩まないように、何かと世話に奔走していたと言われています。

つまりロン・ウッドは、そのキャリアからしても相当の苦労人ですし、歴代ストーンズのメンバーの中ではダントツの常識人だと思いますよ。何故かといえば、怖い面々揃いのストーンズの中で今日まで過ごしているという、その我慢強さはある種のロック魂!?!

ですから、このアルバムがストーンズに入ってから初めてのリーダー作というポイントを鑑みても、実に痛快なR&R志向が強いのも納得する他はありません。

 A-1 Worry No More
 A-2 Breakin' My Heart
 A-3 Delia
 A-4 Buried Alive
 A-5 Come To Realise
 A-6 Infekshun
 B-1 Seven Days
 B-2 We All Get Old
 B-3 F.U.C, Her
 B-4 Lost And Lonely
 B-5 Don't Worry

ロン・ウッド(vo,g,b,etc) 以下、制作セッションに参加したメンバーはチャーリー・ワッツ(ds)、ポップス・ポップウェル(b)、ジェリー・ウィリアムス(p)、イアン・マクレガン(key)、キース・リチャーズ(g,vo)、ミック・ジャガー(vo)、ジム・ケルトナー(per)、ミック・フリートウッド(ds)、デイヴ・メイソン(g)、ボビー・キーズ(sax) 等々、多士済々ですが、もちろんロン・ウッドの友人関係者が多いのはアルバム全体のリラックスした雰囲気に大きく影響しているところだと思います。

それはA面初っ端の如何にもルーズで楽し過ぎる「Worry No More」からして、もう最高! いきなりラフにマスターテープをスタートさせるワザとらしい仕掛けからローリングするピアノに導かれた酔いどれR&Rの楽しい饗宴が、ストーンズとは似て非なる、どちらかといえばフェイセズ調のウキウキ感がたまりません♪♪~♪

ちなみに曲を作ったのはピアノでゲスト参加しているジェリー・ウィリアムスというアメリカのシンガーソングライターなんですが、このトラックに限らず、アルバムのほとんどを占めるロン・ウッドの自作自演曲にしても、正直に言えばロッド・スチュアートが歌ってくれたらなぁ~、と思わずにはいられないほど、往年のフェィセズ風味が強く出ています。

しかしそれが確実にロン・ウッドの世界になっているのは、当時のクイーン等々を担当してメキメキと注目を集めていたロイ・トーマス・ベーカーのプロデュースゆえのことでしょうか。

実はこのアルバムの録音セッションは1978年の新春からパリで行われていたストーンズの新作レコーディングと同時期!?! なんと、その合間に同じスタジオでやっていたという真相があるようです。

そして告白すれば、私はロイ・トーマス・ベーカーの作る音や演出は好きではないのですが、何故かこのアルバムに限っては正解だと思わざるをえません。

既に述べたようにロン・ウッドの自作自演曲における歌と演奏は、明らかにストーンズに提供しそこなったデモテープを発展させた雰囲気も濃厚なんですが、それをパンクやニューウェイブが盛り上がっていた1979年にジャストミートさせたサウンド作りは流石!

つまり長年のファンにとっては、新しさの中に懐かしい味わいを見出す喜びがあり、おそらくは新しいリスナーにとっては温故知新という感じなのかもしれません。

ですからシングルカットされてヒットしたボブ・ディラン作の「Seven Days」が、今日でもウケてしまうのは面映ゆいところなんですが、ロン・ウッド本人にとっては、なんらの問題もなく歌い、ギターを弾きまくる絶好の舞台なんでしょうねぇ~♪ もちろんファンも、それを素直に受け入れてしまうんですが。

ということで、なかなか直線的なR&Rやストーンズ&フェィセズ風味の強い好盤だと思います。しかも曲間がほとんど無い編集にしてありますから、LP片面の流れも綿密に仕上げられており、それが尚更に気持良いんですねぇ~~♪

そしてロン・ウッドのボーカル、ギターやドブロが冴えまくっているのは言わずもがな、妙に居直ったような感じを受けてしまうのは、この時期を境にストーンズでのロン・ウッドの貢献度が落ちていくことを思えば、なかなか意味深……。

後に知ったところによれば、ロン・ウッドがストーンズの正式メンバーというか、印税契約になったのは、ビル・ワイマンが脱退して以降の1993年頃からだそうですし、ストーンズが休止状態の時は自己のバンドを率いて積極的にライプ活動をやっていたことを思えば、この頃のロン・ウッドには何かしらの決意が!?!

思わずそんな妄想にとらわれるほど、このアルバムはR&Rしていると思います。

ちなみにご存じのとおり、ジャケットを飾るイラストや絵画はロン・ウッド画伯の自信作! ご機嫌な気分が、ここにも表わされているようです。

現在のロン・ウッドは恒例のアル中療養と酒の上での暴力事件、そんな諸々で逼塞状態ではありますが、まだまだ枯れるのは早いですよ。

お気楽R&R、もう一丁!

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やりまくったストーンズ!?!

2010-04-06 17:24:32 | Rolling Stones

More Fast Numbers / The Rolling Stones (Dog n Cat = Bootleg)

これも先日ゲットしてきたストーンズのブートで、内容は1978年発表の人気盤「女たち / Some Girls」関連のアウトテイク集です。

これが制作された時期のストーンズは例によって悪いクスリのゴタゴタ、いろんな訴訟やトラブルを抱えていたところへ、業界では所謂パンク~ニューウェイブの台頭によって、ワルの代名詞とさえ言われてきたストーンズにしても、旧勢力の代表格の如き叩かれ方が!?!

しかしストーンズの創作意欲はなかなかに旺盛だったようで、前作アルバムがライプ盤だったことから、約2年ぶりのスタジオ録音アルバムには、当時の流行に敏感なキャッチーでウケ狙いの歌と演奏がごっそり収録されていました。

ですから当然、そのボツテイクも大量に残され、それが流出してのブートも、LP時代から様々に登場してきたのです。

で、今回のブツは、アナログ時代の名作ブートLPと言われた「More Fast Numbers」と同じタイトルを用いながら、中身はCD2枚にぎっしりと優良音源を集めています。

☆Disc 1
 01 When The Whip Comes Down
(1977年10~12月録音)
 02 Start Me Up (1978年1~3月録音)
 03 Claudine (1977年10~12月録音)
 04 I Can't Help It (1977年10~12月録音)
 05 Miss You (1977年10~12月録音)
 06 Just My Imagination (1977年10~12月録音)
 07 Munich Hilton (1977年10~12月録音)
 08 Respectable (1977年10~12月録音)
 09 Lies (1977年10~12月録音)
 10 When The Whip Comes Down (1977年10~12月録音)
 11 I Can't Help It (1977年10~12月録音)
 12 Shattered (1977年10~12月録音)
☆Disc 2
 01 Some Girls (1977年10~12月録音)
 02 The Way She Held Me Tight (1977年10~12月録音)
 03 Beast Of Burden (1977年10~12月録音)
 04 I Need You (1978年1~3月録音)
 05 Do You Think I Really Care (1978年1~3月録音)
 06 Just My Imagination (1977年10~12月録音)
 07 Fiji Jim (1978年1~3月録音)
 08 Shattered (1977年10~12月録音)
 09 Miss You (1977年10~12月録音)
 10 A Different Kind (1977年10~12月録音)
 11 Far Away Eyes (1978年1~3月録音)
 12 Hang Fire (1978年1~3月録音)
 13 When The Whip Comes Down (1977年10~12月録音)

上記した演目は、その収録にテイク&バージョン違いのダブり曲がありますし、必ずしも「女達」に収録されず、後のアルバムで登場した演奏もありますが、裏ジャケットの記述を信じれば、一応は1977~1978年にパリのパテ・マルコニ・スタジオで行われたセッションからの音源のようです。

そこで手持ちの旧音源盤と様々に聴き比べた結果として、収録曲名の後に録音デートを入れておきましたが、これはあくまでも個人的な推察にすぎません。

まず3テイク収録された「When The Whip Comes Down」は、以降のステージでは定番となったストーンズ流儀の痛快R&Rで、その完成公式テイクは数本のギターがダビングされていましたので、その秘密が解明されています。それは「Disc 1 / 01」が10分超のラフな熱演ですが、「Disc 1 / 10」はその全段階的なリズム主体の演奏で、バックコーラスも入らず、ミック・ジャガーのボーカルもオフ気味なんですが、それにしてもチャーリー・ワッツのドラミングは凄いですねぇ。そして「Disc 2 / 13」が歌詞も公式テイクとほとんど同じになり、ダビングされたギターも確認出来るようになった完成直前バージョンながら、演奏時間はかなり長く残されています。

また説明不要の大ヒット曲「Miss You」は、そのディスコビートや基本のリフがビリー・プレストンに提供されたという逸話どおり、ストーンズ特有の幾分野暮ったいリズムのウネリと本物の黒人感覚が上手く融合された経緯として、ここに楽しめると思います。それは「Disc 1 / 05」がほとんど出来あがっている9分近いテイクなのに対し、「Disc 2 / 09」はサックスやハーモニカが未だダビングされておらず、バックコーラスも入っていない12分近い演奏なんですが、両方とも手探りのギターソロやエレピの伴奏等々から、ロックとニューソウルの幸せなな結婚を目指そうという意気込みが素敵♪♪~♪ 個人的には後者のラフな質感がとても好きです。

そうしたストーンズ流儀の黒人料理としては、ご存じ、テンプテーションズのカパー「Just My Imagination」も興味深いところで、そのオリジナルバージョンはストリングスも使ったパラードだったのに対し、ストーンズは果敢にもミディアムテンポのロックビートでリメイクしていますから、ここでの「Disc 1 / 06」と「Disc 2 / 06」のふたつのテイクも自分達が楽しんでいるかのようなムードが横溢しています。しかし公式テイクと比較するとドラムスとベースが相当に前に出たミックスになっていますし、ギターパートもダビングが完全ではありませんから、尚更に素顔のストーンズがあからさまのような気がしています。

次に「Respectable」と「Lies」という、まさにストーンズならではの激しいギターロックは、当時から「ストーンズのパンクへの返答」とまで言われていたほどのストレートさが魅力だったわけですが、ここでの「Respectable」には公式バージョンでは聞かれないギターがダビングされていたり、全体のミックスも荒々しくて最高です。一方、「Lies」も相当にラフな仕上がりで、特にミック・ジャガーが「Lies」を「Why」と歌い代えている所為もあるんでしょうが、とにかくメンバー全員の意気込みがヤケッパチ気味に熱いですよ。

そして「Shattered」が、これまたストーンズのロック魂が如実に感じ取れる制作段階の演奏で、収録された「Disc 1 / 12」と「Disc 2 / 08」は両方ともカラオケ段階のインストなんですが、あの印象的なリフがシンプルに楽しめるあたりが逆に魅力的♪♪~♪ ちなみに前者には途中からミックのシャウト気味のボーカルが小さく入っていますし、後者は厚みのあるモノラルミックス!?! ビル・ワイマンは参加しておらず、ロン・ウッドがベースを弾いたと言われているテイクです。

さらに面白いのが「Some Girls」で、ほとんど完成しているテイクながら、ゲスト参加したシュガー・ブルーのハーモニカが公式バージョンよりも大活躍しているからでしょうか、ますますスワンプロックな印象が強くなっています。

また、お目当ての「Beast Of Burden」はアレンジや演奏パートが完成に近くなっているものの、ミック・ジャガーのボーカルが疑似裏声というか、その些か湿っぽくて甘いフィーリングが結果オーライ♪♪~♪

それとストーンズ流儀のカントリーロックとして人気が高い「Far Away Eyes」も公式バージョンにかなり近い仕上がりになっていますが、ペダルスチールのギターフレーズが異なっていますよ。

以上、ここまではアルバム「女達」に収録された名曲のアウトテイクでしたが、「Start Me Up」や「Hang Fire」も次回作「刺青の男」で公式バージョンが登場したのですから、本当にこの時期のストーンズは充実していたと思います。特に「Hang Fire」は6分を超えるノリまくった演奏で、このラフな雰囲気は公式バージョンよりも相当に凄いです。

あぁ、これがストーンズでしょうねぇ~~♪

気になる「Start Me Up」はミック・ジャガーのボーカルやコーラスが中途半端な未完成テイクながら、如何にもキース・リチャーズというハードなノリが既に出来あがっていますから、ついつい、ノセられてしまいますねぇ。ただしヒスノイズが多めなのは減点……。

そして残りは本当のボツ曲群なんですが、やはりストーンズ中毒者には、たまらないものばかりです。

例えば「Claudine」は先日ご紹介した再発ブート「Lonly At The Top」にも収められていた問題曲ながら、こちらはファンキーロックなアレンジで押し通した7分半ほどのハードなテイク! これが本当にゾクゾクしてくる演奏なんですねぇ~♪

また「I Can't Help It」は、これまた直線的なファンキーロックながら、ちょいと曲そのものの出来がイマイチ……。しかしストーンズの演奏は流石にビシッとしていて、「Disc 1 / 04」のクールなキメ方は素晴らしく、一方、「Disc 1 / 11」はヤケッパチなフィーリングと団子状のミックスが心地良いという二面性が見事に楽しめます。

う~ん、軍配を上げるのが難しい~、と嬉しい悲鳴♪♪~♪

ですからスタジオジャムの「Munich Hilton」が尚更に心地良かったりするんですが、ちなみにこれも前述した「Lonly At The Top」収録のテイクとは異なる、なんとパーカッションも入った10分超のインスト!?!

そしていよいよのお楽しみなのが、未発表曲のあれこれで、まず「The Way She Held Me Tight」は名盤「メインストリートのならず者」に入っていても不思議ではない、ホノボノとルーズなカントリー系の歌と演奏に和みますよ。懐の深いリズムとビートの作り出し方は唯一無二のストーンズ流儀だと思います。また「I Need You」は歌詞が未完成ながら、ミック&キースのデュエットが気恥ずかしくなるほどなんですねぇ~♪ もちろん曲調は金太郎飴的なストーンズ独自のスワンプ系なのが、ニクイです。

そのあたりは名曲「Dead Flowers」を焼き直したような、本当に軽快なカントリーロックの「Do You Think I Really Care」、そしてちょいと哀愁モードの「A Different Kind」の両方で効果的なのロン・ウッドのベダルスチールギターにも言えることで、全くこの時期の趣味性がモロに出た瞬間が愛おしいばかり♪♪~♪

また「Fiji Jim」は、これまたストーンズがど真ん中のR&R大会なんですが、ちょっと平凡な曲メロをなんとかしようとするバンド全員の奮闘ぶりが微笑ましいところかもしれません。

ということで、中身の濃さに疲れるほど、本当のお楽しみが満載です。

気になる音質はステレオミックス主体の良好なものですから、ブート初心者にもオススメ出来ますが、まずは公式盤「女達」や「刺青の男」を聴きまくってから後には、尚更にシビレること請け合いです。

もちろん、この時期の関連ブート音源は、ここに収録されたものが全てではなく、まだまだどっさり残されています。おそらくCDにしたら6~7枚分はあるんじゃないでしょうか。

ついでに言えば、このプートのタイトル「More Fast Numbers」は公式盤「女達」の最初のタイトルでもありました。

いゃ~、ストーンズの奥の細道は長くて険しいですが、やめられませんよ、本当に!

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ストーンズ名盤プートの再発♪

2010-03-31 17:33:27 | Rolling Stones

Lonely At The Top / The Rolling Stones (Dog n Cat = Bootleg)

昨夜はホームページビルダーの新しいソフトを買いに行ったんですが、あれこれ迷って決められず、結局、またまたCDやDVDによる散財モードでした。

そして本日ご紹介は、その次第で入手してしまった、ストーンズの古典的な名盤ブートの拡大再発盤です。最初に出たのは確か1983年頃、当然LPでした。収められていたのはミック・テイラーが在籍していた末期の1974年と隠れ人気盤「エモーショナル・レスキュー」制作に繋がる時期だった1978~1980年頃のスタジオアウトテイクを収めた優れもの♪♪~♪

まあ、今となってはそのLPも、また後にCD化されたブツも、ピッチの狂いがモロでしたし、音質もイマイチの統一感が足りませんでしたが、当時は感涙して聴いていたものです。

それが今回、ピッチの修正と新規リマスターよる音質の向上、さらに同時期の音源の追加によって更なる感動を呼ぶ、というプート屋のお兄ちゃんの売り文句は本当でした。

 01 Living In The Heart Of Love (1974年3~4月録音)
 02 Drift Away (1974年3~4月録音)
 03 Sweet Home Chicago (1979年1~2月録音)
 04 Dancing Girls / Linda Lu (1979年1~2月録音)
 05 Munioch Reggae (1975年&1981録音?)
 06 Lonely At The Top (1979年1~2月録音)
 07 Munich Hilton (1979年1~2月録音)
 08 What's The Matter (1979年1~2月録音)
 09 Gangster's Moll (1979年録音)
 10 Hang Fire (1979年録音?)
 11 Claudine (1978年1~2月録音)
 12 We Had It All (1979年録音)
 13 Let's Go Steady (1979年1~2月録音)
 14 Save Me (1972年録音?)
 15 Drift Away (1974年3~4月録音)

まず前半の9曲は前述LPに収録後、さんざんCD化されてきた音源ながら、流石に色あせない魅力があります。

まずミック・テイラー参加の「Living In The Heart Of Love」は如何にもイッツ・オンリー・ロケンロールという、実にファジーなストーズノリが全開! 次の時代へ繋がるヘヴィなビートは快感です。

また同じく「Drift Away」はご存じ、黒人ソウルシンガーのドビー・グレイが1973年に放った大ヒット歌謡R&Bというよりも、今ではロッド・スチュアートのバージョンで有名でしょう。実はストーンズがカパーしようとしていた矢先、そのロッド・スチュアートがレコーディング中という情報からのオクラ入りが裏事情のようです。今回のブツでは、トラック「02」がリハーサルっぽいラフなテイク、そしてトラック「15」は後に発掘された、かなり完成されたテイクなんですが、ふたつともミック・ジャガーの歌いっぷりは味わい深く、おそらくはミック・テイラーと思われる小技の効いたギターが良い感じ♪♪~♪ リズムのアレンジもなかなかストーズらしいので、何時の日か公式バージョンが出ることを祈りつつ、このブートを楽しむのも素敵な時間の過ごし方だと思います。

その意味では、おそらくは1972年頃の音源と思われる「Save Me」が、完全な「メインストリートのならず者」しているのは、高得点! この猥雑なロックフィーリングはストーンズでしか醸し出せないでしょうねぇ~~♪

次に1978年録音と言われる「Claudine」は強烈な問題を含んでいるとして、オクラ入りが当然となったものです。それはタイトルどおり、1960年代後半に人気があった美人シンガーのクロディーヌ・ロンジェを歌ったもので、その内容は彼女が起こした愛人射殺事件と密接な繋がりがありますから、公式発売されれば裁判沙汰は必至!? しかも録音時期が例のキースのドラッグ問題でグループがガタガタになっていた時期とあれば、尚更にアブナイ雰囲気が横溢しています。ただし残された幾つかのテイクの内、ここに収められたのは軽快なR&R風味の強いものが選ばれていますから、聴きとれる歌詞の中身がそれほどシリアスには感じられないかもしれませんね。まあ、色々とあるわけですが……。

そして1979年のセッションは、前述したキースの麻薬裁判が結審した後とあって、一応の前向きな姿勢による、なかなかに充実した創作活動がここに証明される音源です。

それは1977年頃から引き続くパリでのセッションを起点に、1978&1979年に行われたバハマのコンパポイントスタジオにおける最終仕上げセッションまでを包括していますから、以降のアルバム数枚分の秘密が解き明かされる楽しみに満ちています。

中でも「Lonely At The Top」は後にミック・ジャガーがソロアルバム「シーズ・ア・ボス(CBS)」で公式発表した人気曲ですが、それが都会的な仕上がりだった事に対し、ストーンズのバージョンは、如何にも「らしい」ルーズなノリが最高にマニアック♪♪~♪


また「Hang Fire」は1980年代のストーンズでは決定的な名盤「刺青の男」に収録の公式バージョンに限りなく近いものですが、ミック・ジャガーのボーカルが別物の未完成テイク!?! ちょいと個人的には録音時期の推定が難しくもあって、実際、ブートで確認出来るだけでも3~4テイクが残されているようです。

つまり、それだけこの頃はストーンズにとっての充実期だったはずで、特にキース・リチャーズは曲作りと自らの歌の世界を確立する味わい深さが素晴らしく、例えばスワンプ系シンガーソングライターとして評価も高いドニー・フリッツの「We Had It All」で聞かせるシブイ歌い回しには、涙がボロボロこぼれます♪♪~♪

あぁ、最高のカントリーバリード♪♪~♪

そしてさらに泣けてくるのが、サム・クックの「Let's Go Steady Again」を変則カパーした「Let's Go Steady」の燻銀♪♪~♪ なんとストーンズとも繋がりの深いクリス・キムゼイ(key) の妻だったクリッシー・キムゼイと最高のデュエットを聞かせてくれるという仕上げがニクイ限り! ミディアムスローなR&Bの世界を時に情熱的に、あるいは刹那の甘さで歌いあげていくキース・リチャーズの意想外の素晴らしさには感涙する他はありません。ちなみにキース&ロンのプロジェクトだったニューバーバリアンズのステージでも歌われていますが、このデュエットバージョンは、微妙にうらぶれたムードがクセになると思います。

こうしたカパーの上手さは、ストーンズのひとつの魅力であって、ロバート・ジョンソンがオリジナルのブルースの古典「Sweet Home Chicago」をドロドロのブルースロックに変換する手口は決して悪質とは言えないでょう。キメしか歌わない詞の解釈は流石だと思います。

一方、オリジナル曲の冴えも秀逸なものが多く、最初は「Linda Lu」と表記されていた「Dancing Girls」のダイレクトなロックビート感、ブルースロックがど真ん中の「What's The Matter」、さらに完成度が高いストーンズ流儀の歌謡ロック「Gangster's Moll」は何度聴いても飽きません。

ただし、ここに収められているのは、あくまでも未完成テイクということですから、尚更に公式完成バージョンが聴きたくなるという我儘を押さえきれなくなるのです。

それは「Munioch Reggae」や「Munich Hilton」といったスタジオジャムからストーンズが自分達の曲と演奏を捻り出していく過程を窺い知るという、まさにファンの喜びと裏腹の欲望かもしれません。

ということで、ディープなストーンズ中毒者にとっては既発の音源ばかりかもしれませんが、なかなか秀逸なリマスターが施されていますから、捨て難い魅力がいっぱいだと思います。

ちなみに全曲がステレオミックスで、これまで耳ざわりだったヒスノイズは極力排除され、ピッチも正常だと思われますが、これは公式テイクを聴いたことがありませんから、独断と偏見ですし、音質そのものはマスターの状態から決して良いとは言えないものも含まれています。

しかし聴き易さは、これまでで最高じゃないでしょうか。

濃存じのとおり、「エモーショナル・レスキュー」関連のブートは夥しく出回ってきましたが、ブートの世界では決定的な名盤となっていたこの仕様での再発は、リアルタイムを未体験の皆様にも楽しんでいただけると思います。

そして公式盤の世界では近々、あの「メインストリートのならず者」のデラックスエディションで幾つかの未発表曲が世に出る予定とあれば、さらにブートの世界も活性化するものと推察する次第です。

あぁ、凄く楽しみだぁ~~~♪

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ストーンズとオルタモント、もうひとつの40周年

2010-01-02 11:41:49 | Rolling Stones

Altamont Free Concert 1969 40th Anniversary Special Edition
                   / The Rolling Stones & Guests (Idol Mind = bootleg)

昨年末には40周年に事よせた名盤ライプ「Get Yer Ya-Ya's Out!」のデラックスエディションが発売され、やはり世界一のロックバンドはストーンズだっ! を再認識させられたわけですが、実はその裏盤として、例の「オルタモント」の決定的なブツが登場していましたので、ご紹介致します。

それはなんとディスク4枚セットの音源&映像集で、もちろんプートながら「40th Anniversary Special Edition」と付けられたサブタイトルが潔いと言っては不謹慎でしょうか。しかし1969年12月6日の歴史に刻まれた真実の一端を間違いなく追体験出来るのです。

しかも結論から言えば、音質は過去最高!

特にこれまで流通していたストーンズのパートが、各種のソースから継ぎ接ぎで構成されていた所為で音質や音圧がバラバラだった欠点が、可能な限り補正修復され、かなり聴き易くなったのは嬉しいところです。

☆Disc-1:Opnning Acts
 01 PA Sound Check with Moog
 02 Opening Announcement
 03 Savor / Santana
 04 Jingo / Santana
 05 Evil Ways / Santana
 06 Announcement
 07 The Other Side Of This Life / Jafferson Airplane
 08 3/5th Of A Mile / Jafferson Airplane
 09 Fat Angel / Jafferson Airplane
 10 White Rabbit / Jafferson Airplane
 11 Free Bird / Jafferson Airplane
 12 Ballad Of You & Me & Pooneil / Jafferson Airplane
 13 Six Days On The Road / Flying Burrito Bothers
 14 High Fashion Queen / Flying Burrito Bothers
 15 Cody Cody / Flying Burrito Bothers
 16 Lazy Day / Flying Burrito Bothers
 17 Black Queen / Crosby, Stills, Nash & Young
 18 Pre-Road Downs / Crosby, Stills, Nash & Young
 19 Long Time Gone / Crosby, Stills, Nash & Young
 20 Down By The River / Crosby, Stills, Nash & Young
 21 Announcement for The Rolling Stones

 このパートは前座出演したサンタナ、ジェファーソン・エアプレイン、フライング・ブリトー・ブラザース、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングという超豪華なバンドの演奏が楽しめるわけですが、音源はサウンドボードと会場からの隠し撮りのミックスながら、全く普通に聴けるレベルですから、たまりません。その臨場感とリアルな音声感覚は、まさにロック全盛期の熱気の凄さを今に伝えるものだと思います。
 特にジェファーソン・エアプレインの演奏は強烈至極! しかも途中で勃発するトラブルの状況までもが、克明に記録されていますから、その緊張感は筆舌に尽くし難いものがあるのです。激烈なギター、ドライヴしまくるベース、ド迫力のボーカル、炸裂するビート! 荒っぽい中に、これがロックという真実が堪能出来ますよ。
 そしてキース・リチャーズと友達関係にあったグラム・パーソンズが率いるフライング・ブリトー・ブラザースの痛快なカントリーロック大会、人気絶頂だったCSN&Y、デビューからいきなりのブレイクを果たしていたサンタナの熱演も期待どおりですから、時にはフェードアウトしたり、あるいは劣悪になる音質であっても、贅沢は禁物だと思います。

☆Disc-2:The Rolling Stones
 01 Introduction
 02 Jumping Jack Flash
 03 Carol
 04 Sympathy For The Devil
 05 The Sun Is Shining
 06 Stray Cat Blues
 07 Love In Vain
 08 Under My Thumb
 09 Brown Sugar
 10 Midnight Rambler
 11 Live With Me
 12 Gimme Shelter
☆Dics-3/part-1:The Rolling Stones
 01 Little Queenie
 02 Satisfaction
 03 Honky Tonk Women
 04 Street Fighting Man
 これが後々まで問題となったストーンズの苛烈なライプのパートですが、既に述べたように、これまでに流通していたブツの中では一番に感度良好な音質ですから、ますます、そのリアルな凄みが堪能出来ます。
 演奏や現場の状況については、拙稿「転石音盤史 1969 part 6」に詳しく書いたつもりですが、やはり何度聴いても、この日のストーンズは逆境をエネルギーに変えてしまう魔性のテンションが最高潮! リズムはワイルドだし、バンドアンサンブルもギリギリの危うさがストーンズ本来の魅力に直結しているようですから、途中までは半ベソ状態だったミック・ジャガーも後半では開き直りの熱唱を聞かせてくれます。
 気になる音質は過去最高! 様々なソースのミックスながら、各音源のレベルとピッチを上手く調整した、実に良い仕事になっています。特にこれまで頭が切れていた「Jumping Jack Flash」「Carol」「Stray Cat Blues」が改善されたのは高得点♪♪~♪ カセットっぽい録音がモロ出しだった「Brown Sugar」にしても、なかなか迫力のある音質で楽しめますよ。
 肝心の演奏は、個人的にはミック・テイラーの頑張りというか、本当は現場の状況にビビっていたと思われるのですが、持ち味のギタープレイは冴えまくり♪♪~♪ 中でも「Carol」でのキースとのギターアンサンブル、「Gimme Shelter」での爆発的なアドリブソロ等々、全篇で大暴れしていますよ。
 もちろんキースのヘタウマギターも気合いが入っていますし、ビル&チャーリーの場数を踏んだ姿勢は、どんな状況でも腹の据わったビートを生み出す原動力として、他のバンドでは絶対に出すことの出来ないグルーヴを提供しています。

☆Dics-3/part-2:Local Radio Broadcast
 05 MC by The Taper on Radio
 06 Introduction
 07 Jumping Jack Flash
 08 Carol
 09 MC by The Taper on Radio
 10 Sympathy For The Devil
 11 Evil Ways
 12 Jumping Jack Flash
 13 Carol
 14 Mick Jagger Live MC
 15 Sympathy For The Devil

 このパートは某ローカルラジオ放送番組からの音源で、当時の状況を語るのは、この中の貴重音源を提供したテープ所有者だと言われています。そして流石は放送音源とあって、聴き易さは言うまでもありませんし、幾分ペラペラした音質が如何にも当時のラジオという雰囲気で懐かしくなります。まあ、これはリアルタイムを知っている者の気分かもしれませんせんが、こんな感じで洋楽を楽しんでいたんですよ、なんていうところを、お若い皆様にも知っていただければ宜しいんじゃないでしょうか。

☆Disc-4/part-1:Altamont Was The Nightmare (DVD-R)
 01 IMP Slate
 02 Prologue
 03 The Altermont Venus
 04 CSN&Y Live Scene
 05 The Stones Live Scene

 4枚目は映像ディスクで、このパートはリアルタイムの現場で観客によって撮影された貴重なサイレントの8ミリフィルムにプートからの音声を被せ、さらに撮影者によって当時の状況が語られるというのが凄いところだと思います。
 ネタバレがありますから、詳しい中味は伏せますが、イギリスからビーチボーイズに憧れてアメリカ西海岸へやってきた撮影者が、実は違っていたアメリカの現実に失望し、さらにオルタモントのフリーコンサートで幻滅した当時をリアルに語ってくれるその内容を、親切な日本語字幕付きで知ることが出来ますから、思わず唸りますねぇ。
 肝心のライプシーンは本当に極僅かなのが残念ではありますが、臨場感は満点!

☆Disc-4/part-2:Altamont Weekend (DVD-R)
 06 IMP Slate
 07 Opening MC
 08 Jumping Jack Flash
 09 Carol
 10 Let’s Get Together
 11 Report & Interviews
 12 Evil Ways
 13 Carol
 14 Mick Jagger Live MC
 15 Sympathy For The Devil
 16 Report & Interviews
 17 Ending MC
 18 Let’s Get Together

 続くパートは、1969年12月8日に放送されたテレビニュース番組「Newswatch」の音声に、当時の貴重な現場写真やフィルムを合わせたもので、もちろん日本語の字幕が付いていますから、所謂「オルタモントの悲劇けが当時、どのように報道されていたかが興味深いとろこでしょう。
 その中では無料コンサートだったはずが、裏ではお金に纏わるあれこれが混乱の原因のひとつだったとか、現場での暴力、悪いクスリ、夥しい群衆……等々、報道されることそのものが、今となっては虚実入り乱れたものと感じられます。
 このあたりは、十人十色の感想になるでしょうねぇ……。
 マスコミの身勝手な結果論も含めて、誰が悪者かなんて決めつけられないわけですが、とにかく歴史となったイベントをさらに深く堪能するためには、最適の資料になったことは間違いないと思います。

ということで、まさに40年前の、もうひとつの事実が浮かび上がってくる秀逸なブツです。もちろん本篇映画「ギミー・シェルター」も必見ですし、公式ライプ盤の「Get Yer Ya-Ya's Out!」も聴いてから後に接するのがベストでしょう。

つまり物事は多角的に検証してこそ、その真実に近づけるという世の中の仕組みがある以上、例え海賊盤であるにしろ、こうしたブツが出るのは喜ばしいことではないでしょうか。

一般的に言われているように、ブート業者なんて金儲け主義の塊というのも、また真実ではありますが、流石は「Idol Mind」というメーカーの熱意が伝わってくる良い仕事として、サイケおやじ的には高得点なのでした。

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史上最強のゲット・ヤー

2009-12-31 10:49:42 | Rolling Stones

Get Yer Ya-Ya's Out! 40th Anniversary Deluxe Edition
                                            / The Rollong Stones (Abkco / ユニバーサル)


ストーンズが1969年の北米巡業から作られた名作ライプ盤のデラックスエディション!

実はご存じのとおり、これは本来、前座出演した黒人ミュージシャン達の演奏も収録したアナログ盤2枚組LPの企画でしたが、発売元の英国デッカレコードから却下され、結局はストーンズの演奏だけを収めた1枚物として発売された経緯があります。

また同時に、歴史的に名高い海賊ライプ盤「Liver Than You'll Ever」が驚異的な売上となったことから、本来は映画用に録られたと思しき音源から制作されたという実情もありますから、その内容の濃さと諸々のエピソードは、まさにロック全盛期の証明でもありました。

そしてついに本年12月、待望の発売となったのが、本日ご紹介の「40周年記念箱」というわけですが、嬉しいことに本来の企画をさらに拡張した音源と映像の多角的なサービスが流石にデラックス♪♪~♪ 3枚のCDとボーナス扱いのDVDが1枚には、ライプ全盛期へと踏み込んでいった上昇期のストーンズの真実が記録されています。

☆Disc-1:Get Yer Ya-Ya's Out! Original Remaster
 01 Jumpin' Jack Flash (1969年11月27日)
 02 Carol (1969年11月28日、昼の部)
 03 Stray Cat Blues (1969年11月28日、昼の部)
 04 Love In Vain (1969年11月26日)
 05 Midnight Rambler (1969年11月28日、夜の部)
 06 Sympathy For The Devil (1969年11月28日、昼の部)
 07 Live With Me (1969年11月28日、夜の部)
 08 Little Queenie (1969年11月28日、昼の部)
 09 Honky Tonk Women (1969年11月28日、昼の部)
 10 Street Fighting Man (1969年11月28日、昼の部)
 このパートについては、オリジナルのアナログ盤収録の音源をリマスターした事になっていて、その詳細については本サイト「サイケおやじ館」内の拙稿「転石音盤史 1970 part 1」を参照していただきたいのですが、そこでも述べたとおり、ライプ音源といっても、後にスタジオで様々な手直しが行われたのはミエミエでした。
 参考までに、海賊盤音源やファンクラブ用の資料から、基本となった録音年月日を入れておきましたが、「11月28日の昼の部」に関しては、おそらくこれまでにコンプリートな音源がブートでも発掘されていないようで、当然ながら私も全貌を聴いたことがありません。
 ただし通称「アップルアセテート」と呼ばれる、この公式ライプ盤の未完成ミックス音源が様々なプートで流通しておりますから、そこでの顕著な違いとか、完成されるまでの試行錯誤がファンにとっては嬉しいところでした。
 で、今回の音質等々は、現行の2002年のリマスターバージョンと基本的な変化はそれほど感じられないものの、低音域の輪郭が幾分、補正されている感じがしています。

☆Disc-2:Unreleased Tracks
 01 Prodigal Son (1969年11月28日、夜の部)
 02 You Gotta Move (1969年11月28日、夜の部)
 03 Under My Thumb (1969年11月27日)
 04 I'm Free (1969年11月27日)
 05 Satisfaction (1969年11月28日、昼の部)
 このパートは公式ライプ盤には未収録の音源集で、もちろんリアルタイムの北米巡業のステージでは定番だった演目ですから、悪いはずがありません。
 ただしこれだったら、当時のライプステージ全体を再現する編集が望ましかったのが本音です。もちろんオリジナルの「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!」と音源がダブりますから、無駄という実態もあるんでしょうが、そこはストーンズですよっ。
 ストーンズも、会社側も、こういう中途半端な姿勢があるから、ブートの需要も尽きないというのが結論では、ちょっと……。
 肝心の演奏については流石に公式音源とあって、アコースティックセットの「Prodigal Son」と「You Gotta Move」におけるミックとキースのシンプルな姿勢、また「Satisfaction」での激したバンドの勢いが克明に楽しめると思います。

☆Disc-3:B.B.King, Ike & Tina Tutner Sets
 01 Everyday I Have The Blues / B.B. King
 02 How Blue Can You Get / B.B. King
 03 That s Wrong Little Mama / B.B. King
 04 Why I Sing The Blues / B.B. King
 05 Please Accept My Love / B.B. King
 06 Gimme Some Loving / Ike & Tina Turner
 07 Sweet Soul Music / Ike & Tina Turner
 08 Son Of A Preacher Man / Ike & Tina Turner
 09 Proud Mary / Ike & Tina Turner
 10 I've Been Loving You Too Long / Ike & Tina Turner
 11 Come Together / Ike & Tina Turner
 12 Land Of 1000 Dances / Ike & Tina Turner

 ある意味では今回の復刻の大きなウリが、このパートです。
 つまり40年前の企画が、ようやく実現したというか、既に述べた本来の2枚組LPの1枚になるはずだった音源が、これだと思われます。おそらく収録されたのも、ストーンズのライプと同じマジソン・スクエア・ガーデンじゃないでしょうか? このあたりは、これまでの海賊盤でも全く聴けなかった音源ですから、確証はありませんが、興味深々♪♪~♪
 そして結果は、素晴らしいです!
 まず前半のB.B.キングは、ご存じモダンブルースの大御所にして、そのギタープレイとゴスペルフィーリングが濃厚な歌唱はロックにも多大な影響を与えた偉人として、今日では黒人芸能の域を超越した存在になっていますが、当時のアメリカでは白人が自発的に楽しめる一般的な人気はなかったと言われています。
 もちろん本人やスタッフは白人マーケットを意識したレコーディングも当時はやっていたのですが、実際の巡業ライプは黒人中心のサーキットでしたから、堂々と白人ファンの多いストーンズの前座というのは、相当に思いきった登場だったと思います。しかもバンドは全盛期の勢いが見事すぎる時代とあって、ハナからケツまでシビレが止まらない演奏ばかり!
 お馴染みのご挨拶という「Everyday I Have The Blues」から定番だった嘆きのブルース「How Blue Can You Get」と続く構成は、わかっちゃいるけど、やめられない♪♪~♪ 躍動して呻き、豪快にウネり、むせび泣くギターとボーカルのコンビネーションをがっちりと支える鉄壁のバンドアンサンブル! いみじくもB.B.キングがMCで「ストーンズに感謝しよう、だって君たちはB.B.キングが楽しめるんだから」という言葉に嘘はありません。
 それは後半のアイク&ティナ・ターナーのパートでも、尚更に鮮やかで、実は同時に制作されたストーンズ初の本格的劇場用映画「ギミー・シェルター」でも、その極一部が観られた濃厚なステージパフォーマンスが存分に楽しめますよ♪♪~♪
 ただし、それゆえに、ここは音源だけなのが非常に残念……。映像が観たくなるのが人情という贅沢は、決して独り言ではないはずです。ここは次なる発掘が待たれますね。
 ちなみにアイク&ティナ・ターナーが意識的に取り上げたと思われる「Gimme Some Loving」「Proud Mary」、そして「Come Together」といった白人ロックバンドのヒット曲を痛烈なR&Bに変換させるエグイ技の数々は、ストーンズが黒人ブルースやR&Bをカパーし、さらにパクっていた事実の裏返しとしても、当時の芸能界の本質が如実に浮き出た現象かもしれません。もう、最高ですよっ!

☆Disc-4:Bonus DVD
 01 Introduction
 02 Prodigal Son
(1969年11月27日)
 03 You Gotta Move (1969年11月27日)
 04 写真撮影
 05 スタジオでのキース
 06 Under My Thumb ~ I'm Free
(1969年11月28日、昼の部?)
 07 Satisfaction (1969年11月27日)
 08 Credits
 これまた、ボーナスというには驚愕の映像集!
 まず演奏部分ですが、音源的には Disc-2 と同じ演目でありながら、別テイク&別バージョンという恐ろしさです。ここは全く個人的な推察として、プート音源等々から演奏データを付記しておきましたが、映像ソースとしては映画「ギミー・シェルター」からの素材を上手く繋ぎ合わせたドキュメント作品として、とにかく物凄い中味の濃さは圧巻!
 特にステージ裏でのストーンズや関係者の様子は、まさに当時の状況の縮図で、なんとジミ・ヘンドリクスも登場! キースやミック・テイラーと簡単なギターセッションまでやっています♪♪~♪ また「Satisfaction」では客席で熱狂するジャニス・ジョプリンの姿もご覧になれますよ。さらに映画制作の関係者とかジャケット撮影現場の様子は、これまでもプート映像で少しは出回っていたとはいえ、日本盤は字幕付きですから、状況がリアルに楽しめます。
 そしてサイケおやじが特に感銘を受けたのが、「スタジオでのキース」というパートです。ピアノを弾いたり、マスターテープを探したり、当時はスタジオのエンジニアで、後にはストーンズのプロデュースも担当することになるクリス・キムジーと作業する真剣さは、歴史のヒトコマにさえ見えてきます。
 それと、例のオルタモントへと移動するストーンズとグレイトフル・デッドの面々がヘリコプターを待っている場面も、後の混乱を鑑みれば、なかなか味わい深いと思います。

ということで当然、サイケおやじには歓喜悶絶のプレゼントになりました。もちろんゲットしたのは日本盤なんですが、それはDVDの字幕がキメ手というわけです。

ちなみに商品仕様は掲載した写真のとおり、豪華な箱に入ったデジパック体裁のディスクが4枚、当時の北米巡業のボスターを縮小したレプリカ、豪華なハードカパーのブックレット、さらに日本盤には翻訳解説書とオリジナル「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!」のイギリス盤を縮小再現した紙ジャケットが付属するという大サービスが嬉しいかぎり♪♪~♪

そして実は今回、前述した映画「ギミー・シェルター」のリマスターDVDも同時に発売されているのですが、ボーナスDVDに収録の映像は、そのオマケ部分でもご覧になれない素材が使われていますから、要注意!

しかし、これでも、まだまだ出し惜しみしているとしか言えないところが、確かにあるんですよねぇ~~。こうなったら、ど~~しても長生きして、その後は地獄でも天国でも、一生ついていく決意を固めるのでした。

最後になりましたが、今年もお世話になりました。

こうして独善的な戯言プログを続けられたのも、皆様のご厚情があればこそと、感謝しております。

来年も、よろしくお願い致します。

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ストーンズ最後のモノラルか?

2009-11-27 10:34:44 | Rolling Stones

Sticky Fingers DJ Copy Monaural / The Rolling Stones (bootleg CD)

またまたプート屋の餌食になってしまった……、と悔恨の情も強いサイケおやじですから、今回は「話のタネ」として書きます。

1960年代後半のいろんなゴタゴタから抜け出し、ストーンズが自らのレーベルを立ち上げての最初のアルハム「スティッキー・フィンガーズ」は、1971年の大名盤! もちろん公式発売されたアナログ盤LPは時代の要請でステレオミックスだけでしたが、実はラジオ放送局用に極々少数だけ、モノラルミックスのDJコピー盤が作られていました。

それが今回のネタ元なんですが、もちろんオリジナルの現物を私は見たことがありません。僅かに某マニアが出していたファンジンで写真を拝み、また文字によるデータを読んだだけで、その存在を信じているわけですから、最近発売されたプートによる復刻にしても、もしかしたら既存のステレオミックスをモノラルに落としただけのインチキ盤? という疑惑から逃れられません。

しかし実際に店頭に並んだブツを目の前にしては、買わずにいられないのが「ストーンズ命」の哀しい宿命です。

 01 Brown Sugar (A-1)
 02 Sway (A-2)
 03 Wild Horses (A-3)
 04 Can't You Hear Me Knocking (A-4)
 05 You Gotta Move (A-5)
 06 Bitch (B-1)
 07 I Got The Blues (B-2)
 08 Sister Morphine (B-3)
 09 Dead Flowers (B-4)
 10 Moonlight Mile (B-5)

収録の上記演目は公式盤どおりですから、内容については割愛させていただきますが、結論としては、そのステレオミックスよりも低音域、特にドラムスとベースが前に出た、なかなか骨太の味わいが強いです。

これはアナログ盤、および公式CDと比較しても分かるところですが、残念ながら最近のリマスターCD盤は持っていないので、それとの違いは述べることが出来ません。

しかし、やっばり名盤としての存在感があるにせよ、モノラルミックスの良さは捨て難いですねぇ~♪

ちなみにモノラルミックスのシングルバージョンが存在している「Brown Sugar」や「Sway」についても、ここではやっぱりアルバムバージョンでしたし、アメリカだけで配布されたプロモーション用シングル盤に収録された「Wild Horses」のモノラルミックスの編集バージョンも、ここには入っていなかったことが判明!?!

つまり公式通常盤との大差は、単にモノラルミックスになっているだけという事なんですが、実は英米でシングルカットされた「Bitch」がモノラルミックスでしたので、聴き比べると、わずかながらこちらが細い音なんですねぇ。これはCDによる弊害かもしれませんが、アナログ盤で聴き比べると、ミックス的には変わっていないので、ご安心下さい。

で、気になる音質なんですが、確かにアナログ盤から落とした証明として無音部やフェードアウトしていくところで「針音」が聞こえます。しかし大部分においては最新技術で、そうした「雑音」は極力消してありますから、問題無く聴けるはずです。

否、むしろ、そうして残した「針音」が本物の証明として、いじましいほどに良い仕事ってことかもしれませんね。プートを楽しむ基本は「気持良く騙される」とはいえ、今回は結果オーライだと思います。

さて、今回のブツの限定2枚組セットにはオマケとして、ストーンズが翌年に発表した渾身の傑作アルバム「メインストリートのならず者 / Exile On Main St.」のイギリス盤テストプレスが復刻追加されています。

 01 Rocks Off (A-1)
 02 Rip This Joint (A-2)
 03 Shake Your Hips (A-3)
 04 Casino Boogie (A-4)
 05 Tumbling Dice (A-5)
 06 Sweet Virginia (B-1)
 07 Torn And Frayed (B-2)
 08 Sweet Black Angel (B-3)
 09 Loving Cup (B-4)
 10 Happy (C-1)
 11 Turd On The Run (C-2)
 12 Ventilator Blues (C-3)
 13 I Just Want To See His Face (C-4)
 14 Let It Loose (C-5)
 15 All Down The Line (D-1)
 16 Stop Breaking Down (D-2)
 17 Shine A Light (D-3)
 18 Soul Survivor (D-4)

結論から言うと、こっちはステレオミックスのアセテート盤からの針落としだそうですから、そうした雑音を消す手直しが顕著な所為でしょうか、公式アナログ盤に比べると、些か音が細い感じです。

また肝心のテイク&ミックス違いも、未だ発見に至っていませんが、しかし特筆すべきは曲間が公式盤とは異なる部分が散見されるところでしょうか。特に曲の最後が次のイントロ部分にクロスしていた「Rip This Joint」から「Shake Your Hips」への流れは分断されています。まあ、このあたりは制作過程で業者が意図的にやったことかもしれませんが……。

ということで、決して普通のファン向けのブツではありません。既に述べたように、あくまでも「話のタネ」でしょう。

ただ、本物を入手するメドが全く無い私のような者には、こういうレプリカでも欲しくなるのが人情、と言ったら失笑かもしれませんね。

こういう居直りというか、わかっちゃいるけど、やめられない道を歩んでいるのが、サイケおやじの本性なのでした。

コメント
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