SONGSで知ったのだが、玉置さんは今、オーケストラと組んで、公演して回っているらしい。玉置浩二が見つけた最高の到達点は、オーケストラとのセッションだった。ナレーション曰く「その歌声は、かつてない高みに到達し、圧倒的な迫力で全国のコンサートホールを熱狂させています。」
1曲目にいきなり最大のヒット曲「田園」を持ってきます。畳みかける玉置の歌声に、オーケストラの弦楽器が付いて行きます。忙しそうです。でもこのくらいのテンポのクラシックもあることだし、何ら問題ないのでしょう。問題は玉置の方にありました。出だしで、入りずらそうです。リズム楽器のない管弦楽では、歌いだしのタイミングが分かりづらいそうです。しかも指揮者の棒振りの意味も分からないとか。そこは天性のミュージシャン。2回目には、うまく入ります。
2曲目「恋の予感」。管弦楽は人間の声と重なる周波数が少ないのか、ボーカルが非常にクリアに聞こえます。持ち前のジャズな心を総動員して、メリハリのある、情熱たっぷりの曲に仕上げます。しかし安全地帯と全く違うバックでも、彼の曲が生きてくるなんて、思いもしませんでした。むしろ歌の魅力が、彼ののどによって生まれかわったようです。玉置のボーカルの魅力を感じているのは、指揮者である大友直人氏も同じです。彼にとって、ボーカリスト玉置浩二の魅力は衝撃的なものでした。「何と言っても、当ったり前なんだけど、音程がいいっていう、ね、これは生まれ持った才能と、やっぱりトレーニング、日頃からの賜物だと思います。短い5分ぐらいの曲の中にドラマをね、歌として作り上げられる、音楽作りが素晴らしいと思ってね。私にもとても勉強になります。」
3曲目は10分のバラードによる組曲。サーチライト・Mr.LONELY・メロディ。リズム楽器がないために、ひとつの小節から、解き放たれた、玉置の詩は、まったく新しい表現を可能にする。それだけのロックでジャズな(タモリの言うところの)魂がある。4曲目「悲しみにさよなら」女癖に関しては、行ったり戻ったりの玉置が、歌に関しては進歩し続ける。56才にして、ついに見つけた「ライフワーク」。全く、大した男です。
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