皇位の安定的継承が危機的状況だとマンガで訴えたのが小林よしのりの「天皇論」3部作だった。その「新・天皇論」の中で、奈良時代の元明天皇から元正天皇に女系継承が行われていた例を示した。これが2010年12月のことだ。
あの時、皇室典範改正を急がなければ、と訴えてから早12年。
今の政権は、男系継承しか頭にないあべ政権より後退してしまった。岸田さんは皇位の継承のみならず、有識者会議の報告書にさえ関心がないことが判明した。これが何を意味するか知っているのだろうか。「国柄」の問題ですよ。天皇がいなくなれば「共和制」に移行してしまう。歴史上最も長く続いた王制、国家元首、立憲君主制が終わる。
その結果を見届けることが出来ないのが残念ではある。不思議なのは、旧皇族を復帰させる案に固執した「自称保守」が沈黙していることだ。今頃、憲法に抵触することが分かったのだろうか。黙ってやり過ごす腹に決めたのだろうか。傍系が評判ガタ落ちのせいだろうか。
あのおぼっちゃまが頼りなく見えるのは私だけだろうか。それでも中年に差し掛かれば、本心を隠して堂々と行動し話すことも可能だろう。
気の毒なのは、プレッシャーですよ。男子を産む重圧だけじゃなく、ご本人しか皇統を守る人間が居ない。誰にも頼れない。退くことも出来ない。自分が最後かも知れない。皇統断絶。そういうことが頭をよぎって、公務を遂行することが出来るだろうか。
帝王教育がなされているならば、もうちっと風格が滲み出るものではなかろうか。心配だ。余計なことだが・・。
とにかく。そういう負担を軽くして差し上げる事にすら、興味がないらしい。凄い政権だ。もしかするとこれも「300人委員会」の陰謀か。日本を貶(おとし)めるための作戦か。日本の中枢は、彼らに操られているのか。80年前の敗戦国は、自分では何も出来ないってことか。
小林よしのりは「女系」というより「双系」。古代から「男系絶対」でなく「双系」だったと言っている。直系で男子が居なかったら愛子さまと思っている。
そして大事なのは皇室の方々の考え方だ。お一人、変わった考えの方がいらっしゃったらしいが、上皇様、天皇陛下、秋篠宮のお三方は女系容認と拝察されると、元侍従職などの文脈を追って解説している。一番身内の歴史に詳しく、また研究なさっている方々が、そう考えていらっしゃる。
この「拝察」を、恐れ多いと無視するのが「自称保守」の面々だ。まことに困ったことで御座います。
小林氏は、天皇論上梓後、たびたび皇室に招かれている。おそらく「天皇論」をお読みになっていて、好感を持っていらっしゃるはずだ。でなければ時の天皇陛下から、直接ご指名が掛かるはずがない。
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