松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

恐怖の、墓参り。

2014-08-13 13:16:25 | 日記・エッセイ・コラム

今でこそ、車で20分もあれば、楽に墓参りができるのですが、

子供の頃は、一日掛かりだったのです。

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バスを乗り継いで、終点まで行くと、

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海で言えば、

岬のような場所に、墓所はあるのです。

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もろに西日が当たる墓は、そこに行くまでがまた、大変だったのです。

谷地のような一本道を、ぞろぞろと登っていくのですが、

雨の後なんかは、転ぶまいと、必死だったのです。というのは、

大人たちが、「転んで怪我したら、死ぬまで治らない」と、

脅かすからなのです。

一応、下刈りしたとは言え、何が出てくるか分からないような

粘土質のベロンベロンの坂道を、何か持たされているのですから

バランスを取るのも、骨が折れます。

それが、一升瓶に入った水だったりすると、

もう、それ自体、難行苦行となるのです。

今は、寺の脇に引っ越して、この山に登る必要は無くなりました。

新城川を、さかのぼり、

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おそろしく遠い場所に、寺はあるのです。バスの終点からさらに、

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奥へ入り、集落も無くなった頃、

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立派な寺は、現れるのです。

山門には、立派な

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仁王様が、待ち構えています。

昔、この奥に銀山があって、

その頃は、とても栄えていたみたいです。

だから、格式は今でも、素晴らしく立派で、

檀家の負担金は、ほかの宗派の人は

びっくりするような額。

坊主丸儲け、

なんて、ことは、

申しませんけど。

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