松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

大正時代の祖父の趣味

2016-12-26 16:10:30 | 日記・エッセイ・コラム

 祖父は地方公務員だった。だから貧しくはないが、裕福でもなかった。祖父が残した買い物控え帳をたまに見ることがある。結構レコードを買っている。良く出て来る。そう言えば蓄音機があったのを覚えている。東京高島屋から子供のレコードを5枚なんてのもある。母のために買ったものだ。大体は生活用品で、布団から蚊帳まで、下着の「サルマタ」もこまめに書き込んである。

 一円がどれほどの価値があったのかは分からない。ましてや何銭と言われてもピンとこない。ただ借用書も保存していて、200円とある。きっと大金だったのだろう。なんで公務員が立て替えるほど余裕があったのか、分からない。

 祖父はエビオス錠を常備していて、これは私も好きだった。栄養があったからかも知れない。そのせいか、ビールは最初から抵抗なく飲むことが出来た。今でも思い出して時々カリカリとかじっている。

 祖父が亡くなった時、いろんなものを一緒に持って行った。中でも古銭のコレクションがあったのだが、骨と一緒に焼かれてしまった。あれは惜しいことをした。

 大正時代は悪くない時代だったのかも知れない。だってあの「大正ピルスナー」が飲めた時代だもの。

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