寒風山へ行くと、パラグライダーで優雅に飛んでいる鳥人間たちが居る。オレだって大学の頃、一度は飛んでみたいと夢見た姿だ。あの頃で一式30万円と言われていた。
その鳥人間の中に、日本のレジェンド(勝手に命名)がいたことは全く知らなかった。その方は72歳。大潟村の小野寺久憲さん。肩書は寒風山パラグライダースクールの校長だ。
その鳥人間の中に、日本のレジェンド(勝手に命名)がいたことは全く知らなかった。その方は72歳。大潟村の小野寺久憲さん。肩書は寒風山パラグライダースクールの校長だ。
4月28日、その冒険は始まった。いつものように、いい上昇気流が吹いていたので飛び立った。みるみる高度が上がった。何度か県境を越えて確か五所川原付近まで飛んだことはあったという。だから北を目指した。映像で見たが、上昇気流による雲が、頭の上を覆うように、ずっと先まで続いている。
ここで彼氏は、ひょっとすると奥羽山脈を越える事が出来るかも、と考えた。机上の計算では、何度も夢見た計画だ。そこで急遽方向転換し、山脈を目指した。もしも失速した場合のことも考え、眼下の景色を注意深く観察した。ところどころに民家のある場所を確認しながら、もしもの場合に備えた。
山を越えた時、うっすら海のような青色の領域が見えたような気がした。それが確信に変わった。ついに太平洋側へやって来たぞ。二戸を超え。九戸を超え、久慈の海岸線が見えた。「やったぞ」と思わず叫んだ。6時間の旅だった。
これを伝えたのが、夕べのNHK秋田の「ニュースこまち」だった。その前に新聞でも見たので、穴の開くほど注目して観た。小野寺氏のUPになった顔はとても柔和な、目の輝いた、何かを達成した人間のもつ若々しいオーラにあふれていた。
それを取材したのが、キャスターの宮地由季。あの子は活発そうだけど、しっかりした、人に好かれそうないい子だ。あの子だから、小野寺氏のあの表情を引き出せたのだと思う。失敗したな。録画するんだった。
72歳にして、何かを成し遂げる。
オレは2年下だが・・。この枯れそうな老人に、これから成し遂げたい夢が、あってたまるかいっ。
※写真はマイ資料映像
少年の時に戦争に駆り出された象使いが、象と一緒に遠い所でいっぱい転戦し、老人になった時ようやく許されて故郷に戻って来た物語。
印象深かったのがラストシーン。自分の家があった所に帰ったその老人は何かを探している。やっと見つけた。井戸だ。「あった!これさえあれば始められる。これからが私の人生だ。」
キミは良く物語を覚えているね。それは一種の才能だね。