松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

趣味は「石」

2021-09-06 09:28:35 | 日記・エッセイ・コラム
 燃えるゴミを自転車の両ハンドルに引っ掛けて分担をこなした。東側に向くと、太陽がスポットライトのように当たって、まぶくて景色が良く見えない。 きっと草花も、スポットライトを浴びているだろうなと思うと、そのまま散歩に出たくなる。

 一番頭にあるのは畑に並ぶ芙蓉の花だ。
 しかし行ってみると、2個しか咲いていなかった。もう終わったか。そこへ畑の主が現れた。「写真、好ぎだあだな」「んだス、好ぎだス」

 「萩の花、分がるが」「あー、分がるスよ」「変わった野生の花あったがら、採って来て植えだんだ」「ほう~」「見せるが」「ハイ」
 うす紫がかった淡い色の花だった。「いろいろ果樹、やってるスな」「なんもだ。コレ柿。今年は小せえ」

 それで趣味の話になって、おれはメダカと朝顔の話をした。するとメダカは、あそこの誰が飼育していて、朝顔は金農の誰とか、即座に名前が出るのだった。
 で、ご本人の趣味は実は「石」。「石、分がるが。ピッカピカに磨いだやづ」

 「分がるスよ、オレ鉱山関係だったがら。鹿角のストーンサークル、あるスべ。あの石、緑色凝灰岩だったスな。河原がら緑色の石だけ選んで持って来るあだスと」アレ、乗ってこない。

 色々話をしたが、そうそう以前にもらったジャガイモのお礼を言った。「ほっくほくで、んめがったスよ。じゃがバターにして食べだス」様々な方面に配っているのか、誰かと混同しているかも知れない。鉱山と言ったら、あーそうだったな、とおっしゃった。

 ん~、ピッカピカに磨いた石ねえ。ご主人の後頭部を眺めながら、思った印象を口に出すところだった。あぶねえ、あぶねえ。ボロが出ないうちに、退散するべし。
 「自然を相手にするのが、一番だスな」と言ったら、全く同感だと言ってくれた。
 しばらく来てから、気が付いた。あれ、オレも「ノーマスク」だったな。ま、いっか。
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