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~サッカーを中心に日々の雑感など~

群青(ぐんじょう)

2011年04月19日 | 絵画

定年退職後に夫婦で外国旅行三昧の生活をしている親戚からのお土産。オランダ一週間の旅だって。ゴッホのヒマワリの複製はどうかと言ってきたけど、これは子どもが贈ってくれてすでに飾ってある。

それじゃあとフェルメールの「真珠の首飾りの少女」の複製が送られてきた。フェルメールは「デルフトの眺望」が一番好き。この「…少女」はフェルメールが描いた中では最も清潔感があり、ほかの女性たちと違う雰囲気を醸し出している。青いターバンが魅力的。

フェルメールブルーと言われ、古くはアフガニスタンから運ばれてきたという、ラピス・ラズリを原料とする青色顔料の天然ウルトラマリンがフェルメールの特徴。子どもの頃、絵を描くとき、クレヨンやクレパスの箱に入っていた「群青」の色に似ている。ラピス・ラズリはとんでもなく高価だったようだ。

画家としてはゴッホのほうが数段格上?のような気がするが、なんといっても深い精神性が、ミレーなどと同じように感銘を受けるところ。思想家のように、苦悩しながら新しい境地を探求していく過程が素晴らしい絵になっている。ヒマワリだけでなく、全体が一つの大河小説のような作品の連なり。激しい筆致。どれもいいなあ。

ゴッホ以外で好きな画家はブリューゲル。もっと歴史をさかのぼった近世のころ、宗教改革の時代。旧教スペインの新教に対する弾圧が厳しい中、まだオランダ・ベルギーとして独立できないネーデルラントでは重税が課され、密告が奨励され、死がすぐ隣にあるような恐怖政治の時代、ストレートに表現できない状況で描かれた絵の数々。しかしどこかユーモアがある。「バベルの塔」、晩年の大らかな農民の絵もいいし、好きなのは「雪中の狩人」。

転勤族の末に選んだ終の棲家、しかし狭い考えの田舎の人とは付き合わないことにしましたという文面…、なるほどねえ。その上、十数時間のフライトをものともせず。こっちは札幌まで行くのもおっくうだというのに。次は北欧3か国の旅!!いやはや目が回る…。



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