ユーロ予選の試合が始まって、どのカードを見ようかと迷ってしまうほど。ブラジルワールドカップで優勝したドイツとスコットランドの試合はホームのドイツが2-1で勝利。スコットランドは18日に英連邦からの独立を問う住民投票が行われるので、違った意味で興味深い。300年も独立を待った結果は!!
ドイツは多くの得点を挙げたFWクローゼもキャプテンのラームもアーセナルのDFメルテザッカーも代表引退。おまけに新キャプテンのシュバインシュタイガーは怪我で欠場。エジルも出ていなかったなあ。新しい旅に出るには準備が必要。優勝国として最後まで戦って燃焼しつくした後だけに、心身両面での疲労やモチベーションを回復するのは容易ではないのかもしれないねえ。
それでもミュラーが前半18分先制ゴールを挙げたときには、やっぱり強いなあと思わせるが、追加点がないまま、後半66分スコットランドの同点ゴールが生まれる。そこからドイツのすごさが出た!!選手たちのスイッチが入り、猛然とゴール前へ襲いかかる。チーム全体のエンジンが全開、それまでとは違う激しい動きになって、攻め上がっていく。70分ミュラーが2点目を押し込んでとうとう逆転ゴール。2-1とする。スコアは動かず試合はこのまま終了。
スイスとイングランドの試合ではイングランドの最前線にFWウェルベックが起用され、マンチェスターユナイテッドからアーセナルへ移籍してきたばかりだから、どんなプレーをするのかと見ていたら、絵に描いたような速いカウンターから抜け出して2得点。2-0での勝利へ貢献した。
だけど、ちょっと心配なのはアーセナルはこの頃あまり速いカウンターは見かけないんだよねえ。スピードのあるウォルコットがいないせいかもしれないが。中盤のウィルシャーだ、サイドのカソルラだ、エジルだ、なんてあちこちパスが渡って行くうちに相手守備陣の陣形が整ってしまう。攻撃にスピード感がないというか。ウェルベックの能力を活かすような手数をかけない攻撃が出来るだろうか。
ホームのチェコとオランダも面白い試合だった。チェコのキャプテンはロシツキー。オランダのキャプテンはファンぺルシー。ともにアーセナルのチームメートだったので、お互い笑顔を見せて和やかな雰囲気。こういうのは親心というのか、なんだかうれしいよ。
ロシツキーは開幕以来、ほとんどアーセナルの試合には使われていないけど、チェコの代表の中では厳然とした存在感がある。落ち着いた態度でチームに自信を与え、豊富な走力でチームを支えていた34歳の大ベテラン。
ワールドカップのオランダはファンハール監督がそれまでのオランダの攻撃サッカーを支えてきた4-3-3の戦い方を変えて、守備を3バックにし、おおいに周囲を驚かせたが、それが功を奏して勝ち進み、3位で終了した。その後を引き継いだヒディンク監督は二度目の監督就任。点取り屋として大活躍したロッベンが不在、ファンペルシーにもいい形でボールが渡らない。
前半チェコの無名の選手がエリア近くから思い切ってシュート。これが決まってチェコが先制、後半オランダは同点に追いついたが、1-1のまま引き分けかという90分過ぎ、オランダのDFが自陣GKに返したボールがポストに跳ね返り、GKも触れないまま、詰めていたチェコの選手の足元へこぼれ、これを押し込んでチェコが2-1とする。
呆気ないミスからの失点でオランダが勝ち点を逃すことになった。この試合では移籍しないでがんばっているロシツキーを応援する気持ちが強いので、チェコが勝ってよかったなあと。オランダも当然勝ち残ってほしいし、勝ち残れるチーム。
余談だけど…、サッカーニュースに興味深い記事が載っていた。フランス代表からの引退を表明したバイエルンのMFフランク・リベリについて、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)会長のミシェル・プラティニが「選手が決めることではない。監督が決めること」「FIFA(国際サッカー連盟)の規定で決まっている。もし召集に応じなければ、彼はバイエルンで3試合の出場停止になる」と述べたそうだ。
仰天!!フランス革命で世界に先駆けて人権宣言をしたフランス国民がこんなことをいうとは!!ドルトムントのスポーツディレクター、ミヒャエル・ツォルク氏は「(代表引退の)決定は選手自身に任せなければならない。選手たちは(サッカー)協会の奴隷ではない」というコメントで反論している。
これでドルトムントがますます好きになったけど…来週、チャンピオンズリーグでアーセナルと対決する…よりによって…