今日の朝日新聞朝刊に気になった小さな記事。【日本の放射性廃棄物「通航ダメ」 カリブ海諸国、日英仏政府に要請】という見出し。以下引用。
ジャマイカ、ハイチなどのカリブ海諸国でつくるカリブ共同体・共同市場(カリコム)は20日、英仏から日本に返還される原発の高レベル放射性廃棄物のカリブ海通航をただちにやめるよう、日英仏政府に要請したと発表した。福島第一原発に事故を機に、加盟国に不安と反発が広がっているという。
カリコムは、放射性廃棄物の通航は、周辺諸国の人々の生存や環境を脅かすため受け入れられないと表明。…日本は英仏に使用済み核燃料の再処理を委託し、その過程で生じる廃棄物がパナマ運河を通って日本に戻されている。万一の事故やテロ攻撃などへの不安が周辺諸国に渦巻いている上、カリコムのダグラス議長は「福島第一原発事故の影響を見て、ますます容認しがたいものとなった」とAP通信に語った。(おわり)
日本人が国内の混乱ばかりに目を奪われているうちに、大国と言われる国以外の人々にも放射能汚染がどれほど怖いものか、”認識”されるようになったということなのだろう。アメリカの原子力潜水艦が日本の港に寄港するということに対して、その昔、大規模なデモが行われたのだから、それを思うと今までこうした抗議が来ないのが不思議なくらいだ。途中で恐ろしい荷物を乗せて通る船に万一のことがあればどうするのかといったカリブ海の人々の不安は、当たり前のことだろう。(自民党政権長年の原発推進政策上、新聞・TVといったメディアもこれに協力し、声が届いても記事にはならなかったのかもしれない。)
そういう意味では菅さんがたとえ個人的な思いやパフォーマンスや独断専行でも、とにかく13日に日本社会は脱原発を目指していくと訴えた記者会見は世界へ向けて良かったのでは?と思う。いったん原発事故が起こってしまえば、それはその地域だけではなく、日本全土に汚染の影響が広がっていく、さらにいずれは時間の問題で、風に乗って世界中に放射性物質は届いてしまうのだと。
前代未聞、原発4基の事故を起こした国がほとぼりが冷めれば、また原発を使います!なんて許されることなんだろうかと言った疑問は、こういう記事を読むとますます大きくなる。菅さんを早く辞めさせて次の代表でという動きはひょっとして、また原発再稼働へ揺り戻したい経済産業省の官僚たち、巨大利権を手放したくない財界の思惑と一致してしまうのでは?という疑いが消せない。
次の民主党代表候補と言われる議員さんたちは、どうも脱原発に関しては歯切れが悪い。自民党議員とどこが違うの?という感じだ。これでは菅さんに強引にでも!?脱原発の流れを進めてもらったほうが増しではないかとすら思えてくる。果たして次の代表は脱原発の流れを引き継いでくれるだろうか。それとも…