FOOTBALL LIFE

~サッカーを中心に日々の雑感など~

宝物を見つけた

2010年11月23日 | サッカー

宝物を見つけた!!ホーマックへ行って買い物をしている時、何の気なしにDVDが無造作に置かれているワゴンに、アーセナルの「2005-2006シーズンレヴュー」というのを見つけた。ハイバリー最後の年、赤白ユニフォームではなく、この年だけの記念で小豆色というのか、チョコレート色というのか、アンリがいるころのもの。随分安い値段が付いていた。

札幌に行った時には必ずスポーツ店へ寄っては、アーセナルのコーナーを見てきたものだけど、ここ数年、遠出が年々おっくうになってきた。それが突然のお宝発見!!しかも忘れていたようななつかしい場面が次々に出てきてうれしい。

ピレスがPKを蹴り損ねて、そこへアンリが飛び込んできたという”迷シーン”もあった。インタビューに答えるアンリはくっくっと笑いながら、失敗は許されないけど、サッカーはエンターテインメントだからという内容を言っていた。ベンゲル監督も勝った試合だからあまり怒ってはいなかったようだ。

あのころのメンバーはとにかく個性的。ベルカンプやリュングベリ、いつも頭に血が上っていたGKレーマン、アンリもピレスもビエラも一人一人がエレガントで、それぞれに特徴があり、面白かったし、魅力的だった。

ベンゲル監督の戦術はどんな相手でもホームでもアウェイでも戦い方を変えず、センターバックの二人以外は!?選手たちがゴール目指してドンドン上がってしまうわけだから、上がったスペースを付かれて、ころりと負けてしまうチームでもあった。

今、批判されているマンチェスターシテイのイタリア人、マンチーニ監督のように勝ち点狙いで守備的に行くということとは対極にある戦術。それでも05-06年のチャンピオンズリーグではリーグ戦と戦い方を変えて、これがアーセナルかというほど守備重視、得点の少ない試合を積み重ねて、とうとう決勝まで進んだ。だからDVDのタイトルは「ザ・ファイナリスト」。

DVDを見ている時間は走馬灯のようにいろんなシーンが思い出されて、夢のように楽しい、過ぎ去った時間だった。なんたってアンリの活躍するシーンがたくさん出てくるんだから、これ以上のものはない。

時は流れ、昨日見たプレミアリーグハイライトでは、ピレスがアストンビラのユニフォームを着ていたのを見た。ビジャレアルのユニフォームも違和感がなかったし、今度もすんなり似合っていたねえ。

先週のアーセナルは、この間のノースロンドンダービーで、前半2点とったのに、後半3点取られて負けてしまった。今季のトッテナムはたしかにいい選手がいて、アーセナルに勝ってもおかしくはないチームへと変貌を遂げているが。

その数日前にイングランドとフランスの親善試合があり、アーセナルの選手たちはごっそり参加。試合後の選手たちのコンディションを問題にしていたベンゲル監督の心配が現実のものになってしまった。

明日の早朝にはチャンピオンズリーグの試合の生放送がある。アーセナルはグループリーグの勝ちぬけがまだ決まってないから、これは早起きして見なければ・・・。


レオニー

2010年11月09日 | 映画
先週本屋さんへ行ったとき偶然、入口のところに映画「レオニー」のポスターが張ってあった。今週の土曜日20日に全国公開されるそうだ。そのときは積雪があれば遠出の運転は危ないかなあと、前売り券を買おうかどうしようか迷って帰ってきたが・・・。

何年か前にアメリカ人と結婚しアメリカ在住というノンフィクション作家、ドウス昌代さんの「イサム・ノグチ」~宿命の越境者~を読んだことがあり、(今ではかなり内容も飛んでしまった!)、そのときはとにかく長い本で苦労して読んだという記憶が残っている。

その後札幌に行った折、郊外のモエレ沼公園まで足を運んでその感触を確かめてみた。彫刻家イサム・ノグチの最後の作品は、どこまで行けば終わりになるのかというくらい広大な敷地に作られ、大人も子どもも楽しめる遊びの空間だった。

芸術が一握りの人々のためだけのものであっていいのか、という思いはずっとあったようだから、これだけの大作を作るための大きな空間を、ここでようやく手に入れて実現したということになる。これが遺作となったイサム・ノグチが作る前に下見に訪れた、という映像を何かで見たことがあったので、なんともいえぬ気持ちで胸が一杯になったものだ。

今回のこの映画は朝日新聞でも紹介されていたが、女性映画監督、松井久子さんの第3作目に当たり、日米合作、7年の歳月をかけて作られた松井さん渾身の自信作だそうだ。ドウス昌代さんの本ではイサムの母親、レオニーにも触れられてあるが、当時の男尊女卑、封建性がまだ残る日本でシングルマザーを貫く困難さと、どこまでも英語を押し通すレオニーの頑固さをも描いていたような記憶がある。

この映画ではがんばる母親像だけではなく、レオニーの自我が表れた部分も隠さずに描いたということだから、その点は女性像を美化しがちな男性監督とは違う視点から描いているのではないかと期待している。

インタビュー記事では松井監督ご自身もお子さんがまだ幼いときに離婚を経験されているので、レオニーの生き様に自分が重なって見えるという思いを吐露されていた。今では立派に成長された息子さんがスタッフとして松井さんを支えているそうだ。久しぶりに映画館へ行く土曜日には、暗い画面に浮かぶセリフと映像からどんなメッセージを受け取るのか、今から楽しみ・・・。