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~サッカーを中心に日々の雑感など~

ゴッホ~黄色い夢の町~4

2008年11月01日 | 絵画
アルルの秋、人恋しくなったゴッホは夜の街を彷徨うになった。町の中心に行ってみればいつも見とれてしまう場所。それを絵にしたのが【夜のカフェテラス】だった。

黄色いガス燈の下で人々が楽しそうに語り合っているカフェ。満天の星の下でカフェが温かな黄色に輝いている。夜の闇を青い色で描いている。これまで夜空をこんな青で表現した画家はいなかった。

東京で(2005年)3月にゴッホの色についての研究が行われた。東京国立近代美術館に展示してあるゴッホの絵を電気通信大学教授の小林光夫さんがコンピューターを使って分析した。

【カフェテラス】の黄色と青は黄色が35.3%、青34.9%。その差は僅か0.4%。ゴッホは計算したかのような正確さで黄色と青という補色を均等に用いていたと言うことがわかった。

ゴッホの黄色は青を加えることでますます輝きを増し、色は一色では本当の美しさを発揮できない。ゴッホは夜のカフェでそれを学んでいた。夜の黄色に目覚めたゴッホはある日、川岸ですばらしい夜景に出会った。

川面に映える美しい街の灯り。そこでローソクに光を点し、それを頭につけてカンバスに向かっていた。翌日アルルの町はその噂で持ちきりだったという。そうして描いた作品が【ローヌ川の星月夜】

黄色は3,2%しかないが、川面に浮かぶ灯りと夜の星に目を奪われるように印象的に使われている。ゴッホは星を描きながらまだ来ない仲間たちのことを思い出していた。

(それまで夜の闇を青い色で表現した画家はいなかったと言われていたが、たしかにこの青の透明な美しさが素晴らしく、それと対比して黄色い灯りがさらに印象的。二色の使い方が鮮やかで現代にも通用するようなモダンな感じがするが、当時は昼間の光と影を描くことが中心だったのだろう。時代より早く生まれすぎた天才!!)








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