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ゴッホ~黄色い夢の町~3

2008年10月31日 | 絵画
ゴッホの夢はとてつもなく大きかった。この家の仲間を集め、世界の芸術を変えようとしていたのだから。ゴッホにとって黄色い家はその夢の象徴だった。

夏~ヒマワリ~、6月、アルルではいっせいに麦が黄色に色付く。毎日麦畑で新しい表現に挑んでいた。1ヵ月麦畑を描き続け、独特のあの激しい筆使いがはじめて生まれた。

その記念すべき作品は【種まく人】黄色28.9%。畑に種をまく農民の姿はゴッホ自身の姿だと言われている。この夏、ゴッホの黄色はドンドン深みを増し、暗い黄色や緑を加えた。

遺品の中には編み物に使う毛糸玉があった。二色の色を組み合わせて色の効果を試していた。この頃から絵の具そのものも工夫し、金属を材料とする【クロームイエロー】を使うために頻繁にパリから取り寄せていた。

友人に宛てた手紙のなかで【種まく人】では【クロームイエロー】を自分なりに工夫して用いたと書いている。太陽の内側には明るい【クローム1号】、外側の放射する光の部分には色の濃い【クローム2号】を使った。

そこに黄緑が重ねられ、最後には全体を黄土色で引き締めた。ゴッホはさまざまな色を混ぜることなく塗り重ねることで、アルルの輝く太陽を表現しようとした。8月、アルルの夏が輝き、ヒマワリがいっせいに太陽のほうを向き、大輪の花を咲かせる。

この姿を見て同じような仲間と共にし、同じ夢を追いたいという気持ちが高まってきた。しかし仲間からの手紙を待ったが、アルルに来るように誘った仲間はほとんど、金がないからいけないというような返事ばかりだったが、ゴッホは絵を描き続けた。

【ヒマワリ】黄色69.8%。花びんに書かれたヒマワリの数は全部で14本。この数にはゴッホの願いが託されていた。13人の仲間を呼ぼうと考えていたからだ。仲間たちの顔を思い描きながら一輪一輪描いていった。

(【ヒマワリ】は子どもからのプレゼントで、複製の絵が我が家の壁にかけられている。かなわなかったゴッホの夢がここに描かれているのかと思うと切ないが、描かれているヒマワリは14本も納まっているとは思えないほど、ノビノビとした動きがあって、いかにもゴッホの絵だなあという感じがする。実際の絵は写真の黄色の色よりはるかに明るい。)












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