FOOTBALL LIFE

~サッカーを中心に日々の雑感など~

逆境の中で

2009年11月29日 | サッカー
サッカーは何が起きるかわからないと良くいわれるが、それが選手にも当てはまるということが起きた。ワールドカップ欧州予選プレーオフ、フランスとアイルランドの試合での延長戦、ここでのゴールによってフランスは辛くも勝利。W杯出場権を手にした。

しかしこの決勝ゴールにおけるアンリのアシストは、手を使っていたことが映像で判明。それ以来アイルランド国民からはペテン師などと言われ、アンリはすぐに事態を沈静化しようと謝罪の声明を出したが、一度起こったバッシングは止まらない。

フランスアカデミーで育ち、英才教育を受け、十何年も周囲の期待に応える選手生活も引退を考えるような時期に来たというのに。働く人々にとっては途方もない高額報酬をもらう選手だった、ということも理由の一つかもしれない。

フランスサッカー協会はアンリを人身御供として差し出し、ほとぼりが冷めるまで汚れ役になってもらいましょうという対応にも見える。重要な1戦でも重要ではない?リーグ戦などでも、見逃す誤審はよくあること。

ハンドを“自己申告”しなかったことが悪いというなら、南米の選手あたりはくしゃみが止まらない!?だろうし、ドイツリーグで発覚した八百長試合の選手たちはどうなの?国と国との試合となるとナショナリズムもからんで、こうも温度が上がってしまう。

仲間に対する愛情と相手への憎しみは表裏一体。いつでもひっくり返る恐れがある。正義の名の下に圧倒的多数が一人に襲い掛かる。メディアも煽るようにそれに乗じて売り上げを伸ばす。アンリの選手生命が完全に絶たれる様なことになったら、彼らは満足するのだろうか。

90分の試合ではアイルランドに同点にされ、フランスのほうが追い詰められていた。さらに延長戦になり、疲労がピークになる魔の一瞬、ハンドがあった。そして思わずゴールを喜ぶパフォーマンス・・・。現役の選手なら、誰でも起こり得る状況ではないかと思う。

アンリが数日前のチャンピオンズリーグの試合、バルセロナーインテル戦で元気にプレーする姿を見せたのが救い。試合前には笑顔も見せるなど、逆境の中でも周囲に気を遣っているようにも見えた。

フランス国民は今度の問題で、フランスは出場する資格がないと8割方の国民が回答したらしい。しかしもしアンリがハンドを自己申告したことで敗戦となり、W杯出場を逃した場合、それをフェアプレイと賞賛するだろうか。







良い知らせもある

2009年11月24日 | サッカー
22日のリーガ・エスパニョーラ第11節、ビジャレアルがバジャドリーに3-1で勝利。なかなかフィットしなかった今季新加入、ブラジル人FWニウマールの2得点などで、前節からジャンプ?して11位まで浮上。良い知らせもあるもんだ。

代表試合が行われていた間にブラジル代表はイングランドなどと親善試合を組み、ニウマールは2試合ともにゴールを決めて勝利に貢献していた。ゴールを喜ぶその映像を見ながら、これはきっとビジャレアルに戻ってもいい結果になるのではと期待していたら・・・やっぱり!!

前半6分、ニウマールはDFエスクデロのぴたりと合わせたクロスを決め先制点を奪うと47分、親善試合で見せたようなゴールを決め、57分にはロッシまで復活のゴールで3点目。しかし60分、バジャドリーのディエゴ・コスタに1点返されるがその後スコアは動かず。3-1で逃げ切り勝利。いい流れになってきたよ。

こうやってエースがゴールを決めるようになれば、以前は引き分けになったような試合にも、勝ちきれるようになるだろう。北のチーム、スポルティング・ヒホンも昨季のザル?のような失点の多さを克服したのか、このごろは勝ち点3を獲得、なんと7位につけている。後半は薄い選手層に息切れしてくるだろうから、今のうちに稼げ、稼げ!

前節まで首位だったバルセロナはアウェイでビルバオに引き分けて、ラシンに勝利した2位レアル・マドリードと順位が逆転。しかし勝ち点1差なので十分取り戻せる位置。29日のクラシコではどうか。心身の疲労が濃いアンリはまさか出場しないと思っていたら、後半途中から登場した。

FIFAがアンリのアイルランドへの謝罪声明があったことによる、アイルランドの再試合の要請を認めなかったことを受けて、フランスサッカー協会がアイルランドサッカー協会からの連名要請を退けたという報道。

多分そうなるだろうなあという結果に終わった。この場合、アイルランドよりもフランスのほうがより“守られる側”。そうした政治力や巨大化したサッカービジネスの前には、再試合を行うことがもっともフェアな解決策というアンリの個人的な要望など消し飛んでしまう。

アンリに対する今までのイメージは、日本人のようにやさしく繊細でゴールにも自分の哲学を貫くというストイックなもの。しかし今回の声明を読むと(朝日新聞でも何回か記事になっていたし、バルセロナのクラブ公式サイトでは一面を使って、もっとも詳しく掲載されていた。)やはりフランス人だった。

「混雑したペナルティーエリア内で極めて速く向かってきたボールへのとっさの反応。意識的な判断が出来るように100倍のスロー映像をテレビで見るような余裕は選手にはない。」「あのシーンをスローで見れば、故意ではなくとっさの反応によるリアクションだったことがわかるはず。」と、実に見事に反論している。(興味のある方は日本語版《FCBarcelona.jp》をご覧ください。)

ここはベテランといってもチェルシーのアネルカやアーセナルのギャラスでは駄目で、アンリだからこそ反省や謝罪という正直な気持ちを吐露しながら、あれだけ見事な反論になっているのだろう。

ヨーロッパ(だけではないだろうが)では、いかに個人というものの主張が必要か。そういうものの背景には、大陸の中でひしめく国々が戦争を繰り返してきたという歴史があるのだろうが、あらためて自由と背中合わせの孤独と責任、11人という集団の中にある一人一人、個人の強さというものを再認識した。




第49節

2009年11月23日 | サッカー
22日、J2第49節、コンサドーレ札幌はアウェイの長良川競技場でFC岐阜と対戦。前節から約2週間ぶりに見る試合では2-4というスコアで快勝。守備に回ったときには危うさがあるものの、来季へ向けた布陣を試すなど、選手たちはのびのびとしたサッカーで本来の魅力的な姿を見せていた。

久しぶりの大量得点になんだかうれしくなって、近くのコンビニでスポーツ紙を二つも買い込んだくらい。道新の朝刊記事によれば、試合がない間「秋合宿」を行っていたそうだ。ここで何度も練習した動きが1点目、前半12分、上里選手が前線へ飛び出し、この日トップ下で先発したハファエルとの連携から先制点へと結実させた。

20分には右サイド古田のクロスから、ハファエル、FWキリノとボールをつなぎ、ダニルソンが綺麗にミドルシュートを決めてはやくも2点目。直後の21分にも今度は左サイドの藤田、上里とつなぎ、ゴール前へと走りこんだダニルソンが3点目を決めた。

ところが喜びすぎて気が抜けたのか、すぐに岐阜の攻撃を許し、32分、あっけなく、GK高原がはじいたこぼれ球を押し込まれ、1点返されてしまう。1-3で折り返す。

後半岐阜の攻勢を受けながらも、65分、来季のサイドバック選手として石崎監督から期待されているDF岩沼選手が前線へ上がり、力強いシュート。これで4点目を奪い岐阜を突き放したはずが、数分後の67分、またもこぼれ球を押し込まれて2点目を返されてしまう。岐阜の勢いに追いつかれるのではとロスタイムまでハラハラ。しかし逃げ切って2-4で試合終了。

まさか4得点も!!大量得点は8月30日の草津戦(5-2)以来というんだから、浮かれてしまうはずだよねえ。「いろいろな形で点が取れてよかった」と石崎監督のコメント。

メインスポンサー撤退で選手獲得のための資金が一気に減額。来季は思うような補強が出来るのかといった状況でも、石崎監督は「苦しいときこそ・・・」と引き続き監督を引き受けてくれた。ありがたい話だ。

次節はホームに戻り、札幌ドームで横浜FCを迎え撃つ。寒くたって、吹雪だって、ホーム最終戦、札幌ドームへ応援に行くよ。曽田選手引退のニュースには大きな驚きと残念な気持ち。札幌育ち、曽田選手のやりのこしたものを、きっと若い選手たちが引き継いでいくことだろう。未来へ向かってがんばれ!!








苦い勝利

2009年11月20日 | サッカー
18日に行われたW杯欧州予選プレーオフの結果はどうか、と試合が見られないのでヤキモキしていた。フランスはアウェイの第1戦でアイルランドに0-1と先勝していたが、ホームに戻っての第2戦は・・・。

フランス代表はアイルランドの気迫に押されて、まったく本来の戦いではなかったらしい。前半30分ごろ、アイルランドのロビー・キーン(イングランド、プレミアリーグ、トッテナムに所属)に同点ゴールを奪われて1-1のスコアに持ち込まれた。

その後はGKロリスのがんばりでなんとかアイルランドの追加点を許さなかったが、フランスもゴールを奪えずに延長戦に突入。そのあとは攻勢の度合いも増え、101分、ゴブがゴールを決めたがこれはオフサイドで取り消し。つづく103分、マルダがFKを蹴ると、ボールはライン際にいたアンリの下へ。

それを短く折り返し、詰めていたDFギャラスにクロスを送ると、ギャラスは至近距離からヘッドでボールを押し込んで2-1とした。ぎりぎりのところでフランスが勝利したという試合内容。

ところが・・・、この2点目を決めたとき、アンリが手を使ってボールをコントロールしたと、アイルランドの選手たちはその場で一斉に猛抗議。緑色で埋められていたアイルランドのアウェイサポーター席が騒然となり、このとき主審は副審と協議したがゴールを認めた判定は覆らず。

試合終了後、フランス代表はロッカールームでもこの勝利に浮かれることは出来なかったようで、苦い味を噛み締めながら、ほかのプレーオフ組、ポルトガル、ギリシャ、スロベニアとともに本大会出場国となった。とまあ、いろんなサッカー情報と映像の断片を総合すると、おおよそ、こういった流れだったのだとわかった。

しかし、今日になってニュースを見ると、事態はさらに驚くような展開!
なんと敗戦となってアイルランドの国民感情が爆発。FIFAに再試合を要求したアイルランドサッカー協会を支持したコーエン首相は、フランスのサルコジ大統領とも話し合う考えがあることを示したというのだ。

それに対してサルコジ大統領は今回の件を謝罪した上で、「非常に気の毒に思うが、(再戦の)要望には応えられない」とコメントしたそうだ。いやはや・・・、たかが?サッカーのことで国と国との外交問題に発展しそうになるというのだから、サッカーの熱狂がどの程度かわかるというものだ。

アンリ自身は正直に“ハンド”だったということを後の会見で認めており、責任は審判にあるという内容だったらしい。手を使ったということでは、やはり、1980年代のW杯で、“神の手”ゴールと言われたアルゼンチンのマラドーナのことが引き合いに出され、相手国からはまるで犯罪者扱い。

アンリは1998年W杯、2000年ユーロで優勝した、ジダンを中心としたフランスチームの栄光を引き継ぐことを託されてキャプテンとなった。ホームの後押しのあるパリのスタジアムで、ハンドを申し出て敗戦となった場合にはどうなるのかと考えれば、そこまでサッカー選手に無謬性を求めるのは無理な話だ。

アイルランドは英連邦からの独立運動を激しく戦った歴史があり、それを映画化したケン・ローチ監督の「麦の穂を揺らす風」という映画が公開されたときには、わざわざ札幌の映画館まで見に行ったほど。ロビー・キーンはその燃える血を受け継いだ子孫の一人。

過去にも重要な1戦で審判の判定が物議を醸した試合はいくつも見てきたが、目に見える確かなものはないにしても、どちらを残したいかというFIFAやUEFAの“意向”、あるいは何らかの“圧力”がジャッジに影響しないとは言えないだろうという気がしていた。

FIFAはどういう裁定を下すのか。アンリもこの先ずっと、このプレーの映像に悩むことになるだろう。フランス代表のドメネク監督は、矢面に立つキャプテン・アンリをどうしてもっと援護しないのだろうか。当分の間、サッカーニュースを見ては憂鬱になる日々かとため息・・・。







プレーオフ

2009年11月14日 | サッカー
明日14日(すでに今日?)にはW杯欧州予選プレーオフがあり、アイルランドーフランス、ポルトガルーボスニア・ヘルツェゴビナ、ウクライナーギリシャ、ロシアースロベニアという対戦カードになるそうだ。

なんと言っても心配なのはアンリが所属するレ・ブルーのフランス代表の試合。さっきE.N.G.( イングリッシュ・ニュース・ギャザリング)というイングランドサッカーの情報番組を見ていたら、アイルランド代表にはトッテナムのFWロビー・キーンなどがいて、ダブリン(だったか?)で待ち構えているらしい。

フランス国民からブーイングされ続けているというドメネク監督の下で戦うんだから、キャプテンのアンリも気苦労が絶えないようだ。フランス人、ベンゲル監督に率いられたアーセナルにはフランス人選手が何人もいて、今チームは絶好調。

代表にはMFディアビ、DFギャラス、DFサニャが選ばれ、チェルシーにもアンリとコンビを組むFWアネルカがいる。スペインのレアル・マドリーにはFWベンゼマ、フランス国内のボルドーにはジダンの後継者ではないかというグルクフ、と次世代も育ってきた。

(チャンピオンズリーグのアウェイ戦で着ていたボルドーのユニフォーム、紺の地色に白いセーラー服風の襟というデザイン、ちょっと可愛らしく、清潔感もあっていいねえ。)

粘り強い戦いが真骨頂のアイルランド相手に、アウェイで難しい戦いになりそうだ。失点が少ないというのが特徴らしいから、フランスの攻撃陣はその守備網を崩せるかどうか。

ドイツのブンデス・リーガ、バイエルンに所属するリベリーの名前がないから怪我が治っていないのだろう。いつも右サイドから攻撃の起点になっていたのに、この大事な1戦に出られないとは。

アンリはあまりにも過去のフランスの栄光を背負いすぎて代表では大変そうだが、51得点で代表歴代最多得点選手なのだという。最近まで代表ではゴールがあるのにリーガ・エスパニョーラのバルセロナではゴールがないと、スペインのメディアからは批判されていたらしい。

ロシアにはアーセナルで活躍しているMFアルシャビンが選ばれていることでもあり、どの試合も見たいけど。試合放送がないんだからどうしようもない。ラ・マルセイエーズがアフリカ大会でも鳴り響くことを願いながら・・・。




危機感

2009年11月13日 | サッカー
今日は晴れたいい天気になった。凍っていた道路も明るい日差しで少し緩んだようだ。Jリーグも終わりに近づき、選手たちや監督の去就が盛んにニュースになっているが、J2コンサドーレ札幌はスポンサー「ニトリ」撤退でクラブが揺れ動いている。

その後石屋製菓が増額して再び胸スポンサーになるらしいという記事が書かれていたが、そのあとはどうなるのか。Jリーグにもクラブへの救済措置として、2005年に作られた「公式試合安定開催基金」というものがあるのだそうだ。

来季J2で戦うことになる「大分トリニータ」がそこから2億円の借り入れを申請するというニュースがあった。この不況でどこも財政は厳しいだろうし、地方クラブにとって、スポンサー探しは大きな悩み。

HFC(北海道フットボールクラブ)のことが詳しく書いてあるかとウィキペディアを見てみたら、コンサドーレ札幌の歴史をたどることにもなった。設立が1935年と書いてあってこれには「?」。東芝サッカー部という前身から数えてということらしい。

強豪実業団チームだったが、本拠地の川崎にはすでにヴェルディ川崎というチームがあり、ここで昇格は難しいと判断。1996年に出来たHFCという受け入れ態勢のある札幌に移転、ユニフォームも赤黒のカラーを受け継ぎ、コンサドーレ札幌誕生となった。

太平洋戦争前からサッカーチームが存在していたということにはびっくり。日本も野球一色ではなかったんだなあと、その反骨精神には感心した。草創期に少数派の道を選んだ石崎監督もなかなか頑固者だったんだねえ。

政権交代後、税金の無駄遣いを厳しく洗い出すために行政刷新会議が行われているけど、これはHFCにも必要なのでは?チームの歴史を読んでみて、監督や選手たちに使ったお金が有効に生きていなかった、という例が余りにも多すぎたんじゃないかなあという気がしたよ。










激震

2009年11月10日 | サッカー
残り少なくなったリーグ戦、8日日曜日、J2第48節コンサドーレ札幌はホーム、厚別公園競技場でカターレ富山と対戦。試合は後半8分に先制されるが、38分FW石井選手が同点ゴールを決めて1-1の引き分けで終えた。

ミスが多くて見ているほうもストレスの溜まる試合だったが、所属クラブにはそれよりもっと大きい“激震”!!この2年間メーンスポンサーとなってきた「ニトリ」がスポンサー撤退することがわかり、来季の構想も白紙状態になっているというのだ。

強化費大幅減額でもしかしたら外国人が一人もいないチームになるかもしれない、なんて新聞には書いてあった。そうなればユースチームのような若い選手たちのチームとして、地道に経験を積み、力をつけていくしかないだろうねえ。

今までは公的な支援もあったことで、いわば“殿様商売”をやってきたようにも見える。気持ちがあってもスタジアムまで行けないというファンもいるだろうし。厳しいかもしれないけど、これからは飛び込みでも戸別訪問でもして、小口の支援をコツコツ集めて行くのも一つの方法では・・・。

次は間を置いて22日、アウェイのFC岐阜戦。そのあと、29日には今季最後のホーム、札幌ドームで行われる横浜FC戦。この試合はチケットを買ったから応援に行くよ。今季の総決算、寒さを吹き飛ばすような試合を見せてほしい!!





久しぶりの試合放送

2009年11月09日 | サッカー
8日、日曜日に行われたスペイン、リーガ・エスパニョーラ第10節、CLでも結果を出し、リーグ戦では3位につけて優勝も狙えるかという好調セビージャ(セビリア)に対して、アウェイでの戦い、ビジャレアルとの対戦は・・・。

唯一勝利のないチームと言われていたが、リーグ戦でようやく勝利して以来、ヨーロッパリーグでもラツィオに勝って連勝。ようやく上昇の波に乗ってきたビジャレアル。

試合は前半9分にはやくも相手FWルイス・ファビアーノに先制ゴールを奪われる。このシーン、どうも緩慢な守備で早い時間に得点を許し、なんだか嫌な予感。しかし29分、ビジャレアルも好調なピレスを起点に、ゴール前に迫ってショートパスをつなぎながら崩し、最後にピレスが浮かしたシュートで同点ゴール!!

前半1-1で折り返す。後半も勝利への意欲は衰えず、59分左サイドから攻めあがったピレスがクロスを送ると、このこぼれ球に前線のダビド・フステルという選手が押し込み、勝ち越し点を決めた。すごい!!1-2。

この当たりまでは調子が良かったが、高さで上回るFWルイス・ファビアーノに61分、2点目を決められてしまう。あっという間に2-2。しかしまあ、その前のプレーで、あんなに簡単にクロスをあげられてはねえ。寄せがまるで甘かったなあ。

ホームのセビージャは同点になると俄然元気を取り戻し、セットプレーから途中交代してきたFWカヌーテに3点目を決められ、一方のビジャレアルは防戦一方。なんとか追加点を防いで3-2のまま試合終了。この結果により13位にまで浮上していた順位が、また下がって16位。

この試合では解説の話がとてもわかりやすかった。新監督バルベルデの戦い方というのは、従来のゴール前までショートパスをつなぎながら攻めあがるというのともう一つ、後方から前線のFWロッシに大きくパスを送って、それを合図に人数をかけて攻めあがる方法。

それにまだ浸透していないがサイド攻撃も取り入れるのがバルベルデ監督の戦い方ということだった。なるほど・・・。まだ浸透しつつあるという段階なのだろう。

この試合では36歳のピレスが大活躍。ゴールシーンを見られたのが、なんといってもうれしいよ。双方の選手が接触して倒れたときも、激しく倒した相手選手のところへ近寄って、指で突っつきながら?穏やかになにか言っていた。

相手選手は怒る様子もなく苦笑しながら聞いている。こういうところはいかにも経験のあるベテランで、審判が行き届かないところにもちゃんと気を配って、選手たちを落ち着かせていた。

バルセロナのアンリのほうは久しぶりに先発し、ホームでマジョルカに4-2と勝利。アンリも3点目で初ゴールをあげて、さぞホッとしたことだろう。よかった!!2位のレアル・マドリーも勝利したので1位2位勝ち点1差は変わらず。セビージャが3位に付けて追走している。








次の試合も大事

2009年11月06日 | サッカー
海外サッカーも週の半ばにはカップ戦があり、グループリーグ突破をかけて残り試合も少なく、一試合一試合が重要になる。3日4日はチャンピオンズリーグの試合、5日にはヨーロッパリーグの試合と見るほうも忙しい。

一番気になっていたのはヨーロッパリーグの試合、スペイン、ビジャレアル。南部バレンシアの近くにある、人口4万人くらいの小都市で市民の約4割がソシオであるという文字通りの市民クラブ。資金も潤沢ではない。ビッグクラブではないから応援している。ショートパスをつなぐ流れるようなサッカーで泥臭くないところもいい。

リーグ戦では前節5得点という大勝に沸いたらしいが(なにしろさっぱり試合が見られないので)、国内とは違って相手はイタリアのラツィオ。ローマにあってローマと同じ大きなスタジアムを共用するクラブだ。

今朝、クラブ公式サイト英語版を見たら、4-1という結果になっていた。いやー、ほんとかいなとうれしいったらない。しかしどちらも勝ちぬけに必死。双方にレッドカード1枚ずつ出している。

前半1分ピレス、カニ13分、15分ピレスがPKによる得点。後半になり72分にはラツィオのZarateという選手に1点返され、77分ピレスはFWロッシと交代。83分ビジャレアルは再びPKによるFWロッシのゴールで4-1となり試合終了、ということらしい。ピレスが好調!!

ビジャレアルのグループGは全勝のザルツブルク(モーツァルトが生まれ育った町)が全敗のレフスキ・ソフィアを下して決勝トーナメント行きを決めているので、残り1枠を勝ち点6で同点のビジャレアルとラツィオで争うのだそうだ。

同じスペインの昨季の覇者バルセロナは、アウェイですでに氷点下の寒さになっているロシア・タタールスタン共和国のカザンをホームとするルビンというチームと対戦し、0-0という結果。

アンリは残り10分で登場したが、これまで実戦からかなり遠ざかっていたこともあり、決定的チャンスもあったが決められなかった。あまりにも時間が少なくて、凍ったピッチの感触に慣れないうちに終わってしまった、という感じに見えたなあ。

イングランド、ロンドンのクラブ、アーセナルはオランダのAZアルクマールというチームと対戦し、セスク、ナスリ、ディアビの活躍で4-1の勝利と危なげなかった。得点はなかったがアルシャビンのアシスト、見事なスルーパスが素晴らしく印象的。これでほぼ突破が見えてきた。

アーセナルはスピード感、躍動感溢れ、パスをつなぐ流れるようなサッカー。見る人をサッカーファンに引き込むほど魅力的なパスサッカーを展開する。ビッグクラブといっても若い選手が多いので、あまり強欲?に見えないところがいい。その分守備に不安があり、なかなか優勝は難しいかもしれないが。こんなに楽しいサッカーなんだから、ベンゲル監督も株主に負けないで・・・。

ビジャレアルは11月8日の日曜日、リーグ戦はアウェイで好調セビージャと対戦。相手が上位チームなので試合放送がある。久しぶりに試合を見られるので今から楽しみ。










国会中継がおもしろい

2009年11月06日 | 雑感
毎週録画している園芸番組がなくなって国会中継に代えられていた。いつもならなんだあ~とがっかりするところだが、今日の国会中継は参議院予算委員会質疑の模様。毎日の新聞を読むのも勉強になるが、それと違った臨場感があり、おもしろくて時間が経つのも忘れるほどだった。

なにしろ質疑されている部屋があまり大きくないということもあって、全体が見渡せ、議員の顔や表情が細かに映し出されるというのがいい。自民党の舛添さんや脇さんの質問に対して、鳩山さん(総理大臣)や菅さん(副総理・国家戦略担当大臣)や岡田さん(外務大臣)、長妻さん(厚生労働大臣)、前原さん(国土交通大臣)などが応えている。

自民党時代の負の遺産に四苦八苦しているのだよといいたいところを?鳩山さんや各大臣は丁寧に答えていて、小泉さんのときのように「そんなこと聞かれても私にわかるわけがない」なんていう出鱈目さがない。

むしろ生真面目で正直すぎて心配になるくらい。鳩山さんはマニフェストに書いてあることが出来なければ責任を取ってやめる、なんて簡単に言わないほうがいいと思っていた。鳩山一族にお金があり、個人献金疑惑も取りざたされているが、国民はそんなことを承知で政権交代のほうに1票を投じたわけだから。

質疑は新型インフルエンザ、日米同盟などの外交問題、ダムなど公共事業の中止など。前原さんは「コンクリートから人へ」という方針に対して批判的な脇さんの質問に対して、ちょっと気色ばむところもあったが、すぐ気を取り直してまた落ち着いた答弁になった。このあたりにお手本とするイギリス人に倣って、少しばかりユーモアが入ると尚いいよねえ。

政権交代してからわずか数ヶ月、混乱や調整不足などを盛んに揚げ足取りをされている。現場に行ってみないとわからないことは必ずあるはず。なにがなんでもマニフェスト通りとは行かないこともあるだろうし、税収の見込みが大きく違ったりすれば、その辺は柔軟に説明しながら変えていってもいいと思うけどなあ。

チェンジの本家本元、オバマ大統領も核廃絶の演説を行うなど、政権交代によって大きく方針転換しようとしても、失業率が下がらず、企業に投入する公的支援や、医療改革、アフガニスタンへの増派(これには日本人も疑問)など、間隙を突く共和党の動きもあり、今は苦戦している。

旧体制のほうが都合がいいというのは、アメリカのほうにもいるのだろう。外交問題ではアメリカ側からの懸念表明など、しきりに鳩山政権に揺さぶりをかけている。そんなことに動じずに政官業癒着、明治以来の大改革にまい進して頂きたい。大きな挑戦には時間が必要。数ヶ月ですぐ変わるなどとは考えていない。