今日は降雪もなく、いつもよりあたたかい一日の始まりとなった。今朝の新聞、「歴史と向き合う」第5部真実と和解。フランスの新進歴史家という42歳のパスカル・ブランシャール氏へのインタビュー記事。
「植民地支配の過去を直視できないという点で、フランスと日本は似ています。」「フランスにとっては世界に共和国の思想を広めることであり、日本にとってはアジアに覇権を築き、先進することでした。」「明治日本の多くの軍人が仏海軍から学んだ。」「日本はドイツから国家というものを、英国からビジネスを、米国から外交を、そしてフランスから植民支配の考え方を学んだのです。」
「両国とも植民地政策は破綻したが、日本は開国以来の発展の過程が失敗だったとは国家の体面上、受け入れがたい。フランスは、共和国の価値が見限られたと認めることがなかなか出来ない。」「そして今、両国とも植民地にかかわる教科書の記述や政治家の発言が批判の的になる。
フランスはアルジェリアから、日本は中国から非難される。植民地支配の歴史、記憶から政治的影響まで日仏はそっくり。早期に植民地支配の問題にとりくみ、歴史のトラウマから解き放たれた英国とはきわめて対照的といえます。」
「そのフランスで大きな変化が起きています。05年2月に”植民支配の肯定的な面も学校で教えるよう”求めた条項(06年1月に削除)を含む法律が出来たことは、封印されてきた植民地の議論を一気に噴出させるきっかけになった。05年秋の暴動は、エリート層に限られていた議論を大衆に広げました。」
「植民地時代が終わって生まれた世代に植民支配を正当化したい欲求はない。ビシー政権のユダヤ人迫害を国家責任と認めたシラク氏以降の大統領も、歴史直視の流れを踏襲せざるを得ません。いずれ植民支配の歴史をきちんと学べる博物館ができ、過去と正面から向きあえる日も来る。」
「日本は多民族社会ではなく、敗戦国として被害者意識が強いなど、フランスとの違いがあるものの、同様の過程をを歩むのではないか。」「歴史に向き合うのは、外圧によるものでも罪滅ぼしのためでもない。植民支配を理解しなければ、日本の近代化のプロセスは理解できない。」
「歴史の記憶の再編・再構築という作業を通して、共同のアイデンティティーは築かれるものであり、それが国の統合の基礎になります。日本人自身が日本をよりよく理解し、世界における日本の位置を見定めるためにも必要です。」「記憶や歴史の内部対立を解消するのは政治の役割であり、政治の肩を押して促すのが知識人の役割です。」(終)
日本の政治は内部対立を解消する方向に向うだろうか。戦後向き合ってこなかったことが、中国ばかりか朝鮮半島との緊迫した状況を生み出したともいえるのでは・・・。
うれしいニュースもあった。
パレスチナとイスラエルの若者が中心の管弦楽団「ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ」が、8月にベルリンで演奏したベートーベンの「第9」ライブがCDになったことが紹介されている。指揮はバレンボイム。(日本の音楽番組の中で、なんかいもヨーロッパでの演奏会の模様が放送されている。ピアニストと指揮者と両方で。)
思想家のエドワード・W・サイードとともに99年に結成、サイードが03年に死去した後も、楽団の指揮・育成に情熱を傾けているそうだ。ゲーテの「西東詩集」にちなんだ楽団名には、反目しあう民族の精神が文化の力で通い合うように、との願いがこもる。本公演に向けての練習は「イスラエル・レバノン紛争」のさなかに始まった。パレスチナ自治区ラマラで開いた演奏会のドキュメンタリーもDVD(5月)になっているそうだ。
パレスチナとイスラエルのニュースは攻撃と破壊ばかりと思いがちだが。別のところでこんな未来へ向けてのニュースがあった・・・。
「植民地支配の過去を直視できないという点で、フランスと日本は似ています。」「フランスにとっては世界に共和国の思想を広めることであり、日本にとってはアジアに覇権を築き、先進することでした。」「明治日本の多くの軍人が仏海軍から学んだ。」「日本はドイツから国家というものを、英国からビジネスを、米国から外交を、そしてフランスから植民支配の考え方を学んだのです。」
「両国とも植民地政策は破綻したが、日本は開国以来の発展の過程が失敗だったとは国家の体面上、受け入れがたい。フランスは、共和国の価値が見限られたと認めることがなかなか出来ない。」「そして今、両国とも植民地にかかわる教科書の記述や政治家の発言が批判の的になる。
フランスはアルジェリアから、日本は中国から非難される。植民地支配の歴史、記憶から政治的影響まで日仏はそっくり。早期に植民地支配の問題にとりくみ、歴史のトラウマから解き放たれた英国とはきわめて対照的といえます。」
「そのフランスで大きな変化が起きています。05年2月に”植民支配の肯定的な面も学校で教えるよう”求めた条項(06年1月に削除)を含む法律が出来たことは、封印されてきた植民地の議論を一気に噴出させるきっかけになった。05年秋の暴動は、エリート層に限られていた議論を大衆に広げました。」
「植民地時代が終わって生まれた世代に植民支配を正当化したい欲求はない。ビシー政権のユダヤ人迫害を国家責任と認めたシラク氏以降の大統領も、歴史直視の流れを踏襲せざるを得ません。いずれ植民支配の歴史をきちんと学べる博物館ができ、過去と正面から向きあえる日も来る。」
「日本は多民族社会ではなく、敗戦国として被害者意識が強いなど、フランスとの違いがあるものの、同様の過程をを歩むのではないか。」「歴史に向き合うのは、外圧によるものでも罪滅ぼしのためでもない。植民支配を理解しなければ、日本の近代化のプロセスは理解できない。」
「歴史の記憶の再編・再構築という作業を通して、共同のアイデンティティーは築かれるものであり、それが国の統合の基礎になります。日本人自身が日本をよりよく理解し、世界における日本の位置を見定めるためにも必要です。」「記憶や歴史の内部対立を解消するのは政治の役割であり、政治の肩を押して促すのが知識人の役割です。」(終)
日本の政治は内部対立を解消する方向に向うだろうか。戦後向き合ってこなかったことが、中国ばかりか朝鮮半島との緊迫した状況を生み出したともいえるのでは・・・。
うれしいニュースもあった。
パレスチナとイスラエルの若者が中心の管弦楽団「ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ」が、8月にベルリンで演奏したベートーベンの「第9」ライブがCDになったことが紹介されている。指揮はバレンボイム。(日本の音楽番組の中で、なんかいもヨーロッパでの演奏会の模様が放送されている。ピアニストと指揮者と両方で。)
思想家のエドワード・W・サイードとともに99年に結成、サイードが03年に死去した後も、楽団の指揮・育成に情熱を傾けているそうだ。ゲーテの「西東詩集」にちなんだ楽団名には、反目しあう民族の精神が文化の力で通い合うように、との願いがこもる。本公演に向けての練習は「イスラエル・レバノン紛争」のさなかに始まった。パレスチナ自治区ラマラで開いた演奏会のドキュメンタリーもDVD(5月)になっているそうだ。
パレスチナとイスラエルのニュースは攻撃と破壊ばかりと思いがちだが。別のところでこんな未来へ向けてのニュースがあった・・・。