今日は朝から降雪。運転のときは気になって、モーツァルトの調べもなかなか耳に入らない。スピードをダウンしたり、止まるときはブレーキを何回も踏んだり。まだ水分の多い雪質だが、いずれ気温が下がると凍り道になる。アイスバーンのつるつるは毎年のこととはいえ、やはり怖くてたまらない。
月曜日の新聞にフランス最大野党、社会党の大統領候補に指名されたロワイヤルさんの記事があった。指名後の初演説で「女性への暴力を国策にする」と公約したそうだ。当選したら、まず女性への暴力追放に関する法案を議会に出す意向を示し、「ある社会が正しいか不正かは女性の地位と相関関係にある」と述べた。また、著書「テレビに子守される赤ちゃんたち」で日本製のアニメの暴力に触れ、「日本のテレビでは幼い少女が常に虐待されている」と批判しているそうだ。
日本でもDVの暴力が問題になっているほどだから、フランスでこういう女性候補が出るのも当然なのだろう。大いに道筋を示してもらいたい。ある社会が・・・のところは、イスラムの社会とまともにぶつかりそうで、ちょっと心配だ。ロワイヤルさんが言っていたという、男たち中心に進んだフランス革命時に女権を要求した女性、オランプ・ド・グージュという名前ははじめて聞いた。ロワイヤルさんの基準からすると、日本も確実に「正しくない社会」に入りそうだ。
「惜別」という紙面にイタリアの映画監督、ジッロ・ポンテコルボさんのことが載っていた。この監督の名前は知らなかったが「アルジェの戦い」(66年)の監督と出ていてびっくりした。まさかイタリア人の監督だったとはー。今まで見た中でも5本の指に入るのではと思うぐらい強烈な印象で、随分前に見たのに忘れられない。
「フランスからの独立を求めるアルジェリア民族解放戦線(FLN)と仏軍による壮絶な闘争を描いた映画。仏の将軍が徹底した抗ゲリラ戦を展開し、カスバの地下組織を追いつめていく。62年の独立後、同作品は66年ベネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得。ゲリラ側の主張に偏っていると抗議した仏関係者が揃って式典をボイコットし、唯一残ったのがフランソワ・トリュフォー監督だった」。
「ドキュメンタリーではなく、ニュース映像も使っていない。キャストは将軍役以外ほぼ全員が素人。そんな作品が現実以上にリアルといわれるほどの迫力を持ったのは、構想から5年かけた執念の賜物だといっていい。多くのプロデューサーに断られ、監督や脚本家らが資金を持ち寄って完成させた」・・・。
映画館で見たのではなく、かなり後でビデオを見たものだが、こういう事情は知らなかったのでなるほどと納得した。この映画はアメリカ側からはテロとの戦いの生きた教材とされたという。追い詰められた非力な者たちが自分たちの身体を武器にするというのは、随分前から行われていたようだ。(日本でも太平洋戦争末期に神風特攻隊として、若者が生きて帰れない戦闘機に乗って、敵に向っていった。)
イタリアのネオリアリズムの伝統がこの監督に受け継がれていたんだなあと、あらためてロッセリーニの時代の重要さを思い出した。イギリスのケン・ローチ監督がアイルランドの独立運動を描いた「麦の穂をゆらす風」が今年のカンヌ映画祭のパルムドールを取った。最高傑作と激賞される一方で、ややIRA(アイルランド共和軍)に甘いのではないかという評価があるそうだが、どうしてもこれは見たいと思っている。「アルジェの戦い」のあとを受け継ぐ作品であってほしい。
月曜日の新聞にフランス最大野党、社会党の大統領候補に指名されたロワイヤルさんの記事があった。指名後の初演説で「女性への暴力を国策にする」と公約したそうだ。当選したら、まず女性への暴力追放に関する法案を議会に出す意向を示し、「ある社会が正しいか不正かは女性の地位と相関関係にある」と述べた。また、著書「テレビに子守される赤ちゃんたち」で日本製のアニメの暴力に触れ、「日本のテレビでは幼い少女が常に虐待されている」と批判しているそうだ。
日本でもDVの暴力が問題になっているほどだから、フランスでこういう女性候補が出るのも当然なのだろう。大いに道筋を示してもらいたい。ある社会が・・・のところは、イスラムの社会とまともにぶつかりそうで、ちょっと心配だ。ロワイヤルさんが言っていたという、男たち中心に進んだフランス革命時に女権を要求した女性、オランプ・ド・グージュという名前ははじめて聞いた。ロワイヤルさんの基準からすると、日本も確実に「正しくない社会」に入りそうだ。
「惜別」という紙面にイタリアの映画監督、ジッロ・ポンテコルボさんのことが載っていた。この監督の名前は知らなかったが「アルジェの戦い」(66年)の監督と出ていてびっくりした。まさかイタリア人の監督だったとはー。今まで見た中でも5本の指に入るのではと思うぐらい強烈な印象で、随分前に見たのに忘れられない。
「フランスからの独立を求めるアルジェリア民族解放戦線(FLN)と仏軍による壮絶な闘争を描いた映画。仏の将軍が徹底した抗ゲリラ戦を展開し、カスバの地下組織を追いつめていく。62年の独立後、同作品は66年ベネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得。ゲリラ側の主張に偏っていると抗議した仏関係者が揃って式典をボイコットし、唯一残ったのがフランソワ・トリュフォー監督だった」。
「ドキュメンタリーではなく、ニュース映像も使っていない。キャストは将軍役以外ほぼ全員が素人。そんな作品が現実以上にリアルといわれるほどの迫力を持ったのは、構想から5年かけた執念の賜物だといっていい。多くのプロデューサーに断られ、監督や脚本家らが資金を持ち寄って完成させた」・・・。
映画館で見たのではなく、かなり後でビデオを見たものだが、こういう事情は知らなかったのでなるほどと納得した。この映画はアメリカ側からはテロとの戦いの生きた教材とされたという。追い詰められた非力な者たちが自分たちの身体を武器にするというのは、随分前から行われていたようだ。(日本でも太平洋戦争末期に神風特攻隊として、若者が生きて帰れない戦闘機に乗って、敵に向っていった。)
イタリアのネオリアリズムの伝統がこの監督に受け継がれていたんだなあと、あらためてロッセリーニの時代の重要さを思い出した。イギリスのケン・ローチ監督がアイルランドの独立運動を描いた「麦の穂をゆらす風」が今年のカンヌ映画祭のパルムドールを取った。最高傑作と激賞される一方で、ややIRA(アイルランド共和軍)に甘いのではないかという評価があるそうだが、どうしてもこれは見たいと思っている。「アルジェの戦い」のあとを受け継ぐ作品であってほしい。