明るい春の陽光を浴びて、融けた庭の雪の中から、春一番。とうとうスノードロップが元気に顔を出した。ああ、春が来たんだなあとうれしさが込み上げてくる。いよいよ長い冬が終わりをつげ、これからは花の季節…
ずっと見続けたベニシアさんの番組「猫のしっぽカエルの手」も、この間は最後に「終」の文字が出ていたから、多分終了するのだろう。ベニシアさんがなんでもこまめに手作りする姿は、丁度、日本の昭和の時代を思い起こさせ、随分前に他界した母の姿と重なって、なつかしい思いに駆られる。
家族のために料理も裁縫もした上に、自分の着物をほどいて洗い張り、布団まで手づくり…となにもかも…あの頃のお母さんたちはいつも年中暇なし。そのお蔭で手作りの洋服やセーターを着せてもらい、添加物のない食事をすることが出来た。
でもまあ、あれから時代が進み、便利な電化製品とともに家事から少しづつ解放され、車の運転もするようになると、女性たちの行動範囲が広がり、より文化的な生活を出来るようになったという側面もあるが、今はまた原発事故が起きて、電気を使い放題という生活は反省を余儀なくされている。
「週刊朝日」に連載されていた広瀬隆さんの「原発破局を阻止せよ!」もとうとう終わった。このシリーズが続く限り、応援する意味でも週刊朝日を買って読もうと思っていたので、なんだか今は脱力感。講演会にも行ったしね。皇室関係の記事なんか出たときにはこれを買うの?という週もあったが、部数が少ないのか手に入りにくい中で、とにかく毎週買ってきた。広瀬さんには喫煙もほどほどにされ、今後も元気に原発再稼働阻止へ向けて過激に!?発言していただきたい。連載記事は単行本でも発売された。
3月は終わりの始まりみたいな月。一区切りをつけて新たなスタートということもあり、ちょっと気が向いたので、長年いつか読み返そうと胸に秘めていた!?、ロジェ・マルタン・デュ・ガールの「チボー家の人々」(山内義男訳・白水社)を図書館から借りてきた。1巻目は14歳ジャックの家出の波紋、2巻目を張り切って読んでいる。
半世紀近く前に読んだ本はとっくに処分したので本屋で買いなおそうとしたけど、今の時代はこういう大河小説の類、読むのに時間がかかる本は置いてない。どうしようかと迷ったら、そうだ、図書館があると思いついた。若かりし頃に味わった感動をもう一度。その頃には子供の立場でしか物語を理解できなかったけど、今は別の角度からも読めるはず…と過ぎ去った時間が無駄でなかったことを確かめたい。現在は新書版も出て読みやすくなっている。