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~サッカーを中心に日々の雑感など~

日めくり万葉集(55)

2008年03月25日 | 万葉集
日めくり万葉集(55)は「万葉集」が唯一の資料で謎の多い歌人、という柿本人麻呂の歌。選者は東洋文化研究者のアレックス・カーさん。

【歌】
磯城島(しきしま)の
大和(やまと)の国(くに)は
言霊(ことだま)の
助(たす)くる国ぞ
ま幸(さき)くありこそ

巻13・3254   作者は柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

【訳】
磯城島の大和の国は、言霊が人を助ける国ですぞ。無事でいらしてくださいよ。

【選者の言葉】
日本語の音そのものに、マジックとかパワーがあるという、それが日本の言霊(ことだま)の強さではないだろうか。日本語は発音的に簡単に出来ている。あ、い、う、え、お。か、き、く、け、こ。

世界の言葉の中ではハワイ語やポリネシア語に似たものがあるが、こんなにシンプルに出来ている言葉はすくないのではないか。その意味では日本語はピュアで響きが美しい。

俳句や短歌には5・7・5など、自然なリズムがある。そのリズミカルな部分が言霊の一つになっている。それは言葉の構造的な部分から、必然的に出来るもので、中国語や英語、ヨーロッパ文学などでは、このような発想の歌はないのではないか、と思う。

祖先の【祖】に【谷】と書いて【祖谷(いや)】と読む。これは不思議な言葉。“いや”も“いおり”も、日本的な響きで可愛らしく、神秘的な味のある言葉。日本語のいろいろな言葉が外来語として、英語に入っている。

“きもの”“げいしゃ”“はらきり”“かみかぜ”。日本語の持つ言葉のおもしろさというものがあって、日本語がすっと世界に広まったのは日本語の一つのパワーが秘められているからだと思う。

【檀さんの語り】
徳島県東祖谷(ひがしいや)。アレックスさんは35年前に、日本の原風景を求めて、四国の山奥にあるこの村に出会い、“茅葺(かやぶ)きの民家”を購入し、【庵(いおり)】と呼んでいる。

この歌は遣唐使として旅に出る者へおくられたと考えられている。言霊とは言葉に宿る不思議な霊力のこと。アメリカ生まれのアレックスさんはその秘密を日本語に求める。もう一つ、シンプルな響きだけではなく、リズムにも注目する。

【感想】
【言霊】という言葉を聞いて、とっさに野田秀樹の舞台でのセリフや、サザン・オールスターズの歌を思い出した。かなり前のものなので度忘れ?してしまって、どういうタイトルだったのか、今は思い出せないなあ・・・。どちらも万葉集の歌から、インスピレーションが沸いたのだろうか。

確かに、歌というのは声を出して読むので、読んでいて心地良さがあるくらい、舌がかみそうでないもの?響きが美しく、リズム感があるものは印象深い。この【日めくり万葉集】の中でも、時間が経っても記憶に残っているのは、流れるようにスラスラと読める、響きやリズムのある歌だろうなあと。

【調べもの】
○しきしま【敷島・磯城島】
①崇神天皇・欽明天皇の宮のあった大和国(奈良県)磯城郡の地名。
②大和国の別称。

○ことだま【言霊】
言葉に宿っている不思議な霊威。古代、その力が働いて言葉通りの事象がもたらされると信じられた。万葉集(13)の【・・・助くる国ぞ】














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