黒鉄重工

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北方project ~Welcome to Hokkaido. その11【2017/5/3~7】

2019-01-30 22:49:36 | 旅行・イベント記
2017年5月4日(木)11時42分
 北海道三笠市幌内町 三笠鉄道記念館
711系を見た後は、ほど近くにある三笠市の三笠鉄道記念館という鉄道博物館に来ました。ここに来るのは2010年以来2度目です。前回来た時の雪辱をようやく晴らすことができるのか・・・?
昨日見た小樽市総合博物館に匹敵する、道内どころか全国でも屈指の規模を持つ鉄道博物館です。北海道最初の鉄道、幌内線の廃線に伴い開館しました。道内で活躍した鉄道車両をこらしょと収蔵していて、一見の価値あり。

幌内線は、元を辿ると幌内鉄道を国有化したものです。幌内鉄道は幌内~小樽(手宮)までを繋いでいました。昨日訪れた小樽市総合博物館が旧手宮駅の土地を活用した博物館でしたので、ちょうど幌内鉄道の起点と終点を渡ってきたことになります。なんだかステキですね~。

鉄道駅では岩見沢駅が最寄りですが、駅から離れた位置にあるので自動車で来るのが楽。でも路線バスでも来るのはそう難しいことではないです。前回もバスで行ったので。
ここも蒸気機関車の動態保存を行っていて、今日はそれの運転日です。今日は蒸気機関車目当てに来ました。前回来たときは平日だったので蒸気機関車は休みでしたからね。


手早く順番に見ていきましょう。収蔵車両のほとんどは屋外展示されています。展示場は旧幌内線の旧幌内駅の跡地を活用したものです。ただしあまり幌内駅の名残はないです。


ワム60000形ワム66172
15t積みの2軸有蓋車です。車扱いの急行列車によく使われていたとかで。
前回来たときは再塗装の最中で足場を組まれていたので、ようやく見られたという感じ。
そう前回の雪辱とは、整備中のため満足に見ることの出来なかった車両たちの7年越しの再履修なのです。


セキ6000形セキ6657
小樽でも見た石炭を積むホッパ車。


DE10形1072号機
未だに全国で見ることのできる汎用ディーゼル機関車。1000番台は0番台のエンジン強化版です。蒸気暖房発生装置を積んでいるので旅客列車にも使われていた・・・ハズ。


キシ80形キシ80-31
これは珍しいもので、キハ80系の食堂車です。小樽でも見たじゃん、って思うでしょうけど、食堂車自体の現存数が極めて少ないので貴重なわけです。
キシ80-31は博物館の食堂として使われていて、まさに食堂車の面目躍如といったところ。車内で食事を摂ったわけではないので、中がどの様になっているのかは未確認。
前回は白と緑に塗られていて塗り分けも独特なものでしたが、いつの間にか塗り分けは変わらないものの色が国鉄っぽくなりました。気動車特急色ではなくて一般型気動車の色味ではありますが。この塗り分けも、国鉄末期~JR初期に流行った斜めストライプ塗装に近いものを感じるので、意外と馴染んでいる感があります。
車両の位置というかキシ80の前後に連結されていた客車がどこかに行きましたね。


DD15形17号機
小樽でも見たDD13形を原型にしたラッセル式除雪機関車。
ラッセルヘッドには車輪がなく、機関車に完全に取り付けている状態です。これが祟って着脱には結構手間がかかったんだそうです。なので夏場は普通の入換用機関車として使えるのがウリのはずだったのに、着脱が面倒なんで雪が降らなくなったら車庫で遊ばせてたなんて話もあったかと思います。


DD14形1号機
ロータリー式の除雪機関車。見た目が全く違うのですがこうみえてDD13形(DD15形)を原型に開発した機関車です。ここには1号機が保存されているのですね。


アメロコスタイルな見た目。車体の下部にはロータリーヘッドを回すためのドライブシャフトがあるので、それを避けるようにエンジンと運転室を上に上げる必要があったのです。
運転室を前方に寄せたのは、除雪作業時の視界を確保するため。何度も言ってますけど、こっちが前側です。正直カッコ悪いからそうは見えないけど。
前回来た時は完全に足場が組まれてたんであんま見られませんでした。で、この時は後ろ側を前側と思って写真を撮ってました。この時がDD14の存在を知った最初の瞬間だったのですが、いくら視界が悪そうだとは思いつつもボンネットのほうが前という先入観がありましたね。あの時は若かったのさ、フフフ・・・。


ソ80形ソ81
扱重65tの操重車。1956年製で、こちらははじめからディーゼルエンジンを動力とします。手前に連結されているのは、クレーンブームを収納しておくための控車チキ6147。
ソ80の現存車はここの他に静岡県の佐久間レールパークにもあったんですが、同園の閉鎖に伴い解体されてしまったので、ソ81が唯一の現存車になっています。


キハ22形キハ22-52
北海道専用の寒冷地用気動車。小樽のはクリームとオレンジのツートンカラーでしたけど、三笠のはたらこ色に塗られています。


キハ56形キハ56-16
急行形気動車キハ58系の北海道型。といっても外観はあまり変わっていませぬ。
気動車の運転席窓の下には通行票のタブレットを受け取るための展開式の棒が付いています。


キハ27形キハ27-23
キハ56とよくペアを組むやつ。キハ56は2エンジン車ですがキハ27はエンジン1基だけ積んでいます。


スユニ50形スユニ50-505
50系客車の郵便荷物合造車。


スハフ44形スハフ44-12
スハ42系門下生の一人。動態保存でおなじみの旧型客車。12番ってのはずいぶん若い番号ね。


オハフ33形オハフ33-451
オハ35系門下生の一人。これも動態保存でおなじみの旧型客車。車端部の扉部分の車体に絞りがないので戦後製造分ですね。
この2台は撮影が苦しい。


DD51形610号機
幹線用のディーゼル機関車。一部地域でまだ現役。


DD51とキハ22。


DD16形15号機
軸重制限の厳しいローカル線でも走れるように小型化したディーゼル機関車。DD51やDE10と同じスタイルながらさらに小さいのでかわいいです。
この15号機は、煙突周りにある手すりが前から謎に思ってるんですけど、なんなんでしょう?


スエ32形スエ32-1
DD16の後ろには救援車が連結されています。小樽でもそうでしたが、救援車が残っているのも大変貴重なのですよ。救援車という車種もそうですが、救援車の種車になったのは、オハ35系やスハ42系等の旧型客車よりもさらに一世代前の車両の場合が多いので、車両的にも資料的価値があるのです。

スエ32は、オハ35系のひとつ前の客車であるスハ32系の荷物車マユニ31から改造された救援車です。おそらく外観はほとんど改造されてないんじゃないかなと思います。
荷物車ながら窓配置は座席車と同じだったようで、スハ32系で最後になった小型窓がよく分かります(オハ35系から窓が大型化された)
スハ32系の現存車はなかなか希少です。有名なところではJR東日本が動態保存で1台保有していますね。


スエ30形スエ30-41
オハ31系の荷物3等合造車のオハニ30から改造された救援車です。これも扉配置は種車時代から変わってないと思われ。客室部分はそのままなのか改造して資材置き場にしたのかはちょっと外からじゃわからないですね。見た感じ物置になってますが、あのブルーシートは冬季に車両に被せるやつですかね?

オハ31系も貴重な客車です。スハ32系よりも一世代前の客車ですし。
オハ31系よりも前に製造されていた木造客車ナハ22000系の車体を鋼体化したような客車です。車体を鋼体化しただけの客車みたいなものなので、二重屋根、妻面のアンチクライマー、魚腹式台枠など、当時の木造客車の構造を引き継いでいて、オハ31系の特徴にもなっています。
あとは、鉄道模型のKATOが初めてNゲージを生産した時の車種がオハ31系だったので、そういう意味でも知られた客車です。

というところで今日はここまで。