黒鉄重工

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北米project 3 ~Encouragement of Canadian Rockies. 最終回 【2015/07/08~18】

2016-12-25 23:04:09 | 海外旅行記

2015年7月18日(土)14時12分
アルバータ州カルガリー・ダウンタウン 9Ave SW and 1 St SW

最終日のメインイベント、ヘリテージパークを退園して、カルガリーのダウンタウンへとやってきました。
昨日は車で通り過ぎただけなので、降り立つのは初めて。ちなみにレンタカーは近くのコインパーキングに駐めてきています。
滞在時間は1時間も無いので、もう見たいものだけ見ていきます。最初に来たのはここ、カナディアンパシフィックの看板が立っている所です。ここはカナディアンパシフィックのカルガリー駅の駅前です。
もっとも定期列車はゼロで、夏季にロッキーマウンテニア鉄道がたまに来るのと、事前予約しないと運行しないロイヤルカナディアンパシフィック号くらいなもので、大変寂しい駅です。
カルガリーの北約300km先にはエドモントンというアルバータ州の首都があるわけですし、その2点間を結ぶ中距離列車でも走らせればと思うんですが、まあ新幹線でも敷かないと他の交通に勝てないんでしょうねぇ・・・。かなし。



で、そこに鎮座しているのがカナディアンパシフィックA1e形29号機関車なのです。1887年にモントリオールにあるCPの自社工場その名も「新工場 New shop」で当初は390号機として造られたそうな。
軸配置は4-4-0の典型的なアメリカン機。その割にはなんだか垢抜けた見た目です。その原因は恐らくこれのクソ長い寿命で、なんと1960年11月まで現役を張っていたそうです。70歳超えです。70年の間に外装はかなり変化しているはずです・・・。
なお1960年というのは、もはや現役の蒸気機関車の時代はおしまいという時期ですから、CPの蒸気機関車時代の大半を過ごしてきたわけです。
引退後はカナダ鉄道歴史協会に引き取られてなんやかんやあってここに静態保存されています。



私含めみなさんには縁のない話ですが超豪華クルーズ列車「ロイヤルカナディアンパシフィック号」のロビーがあるのがここです。
小じんまりとしていますが、外から覗いた分にはヤバい空気を出していたゾ。



カルガリータワー。なんで人類はこう塔を建てたがるのかを論じているとキリがないのでしませんが。
カナディアンパシフィックの領地(?)にカルガリータワーならばカナディアンナショナルの領地(?)にも塔が建っていて、こっちはそのまんまCNタワーと呼んでいます。スカイツリーを東武ツリーって言うようなもんですから、もうちょっとひねってもよかったんじゃねえのとは思います。
登る時間なんて無かったので遠くから見るだけにしておしまいです。



辺り一面高層ビル・・・。これは都会だな。東京とはまた違う整然としたものを感じます。
ただ一通がやけに多くて、車で周るのには不便しそうな街です。



カルガリートランジットのバス。Chevrolet 4500 + Arboc SOF (Spirit of Freedom)です。小型のコミュニティバスですね。
BCトランジットでもおなじみのシボレー4500シャーシで、カタウェイボディもArboc SOM (Spirit of Mobility)とよく似た姉妹車です。SOFはSOMの廉価版という位置づけだそうですが、あまり違いは分からんです。



ダウンタウンでのメインイベント、C-トレイン撮影です。
カルガリーのダウンタウンと郊外を結ぶLRTです。開業は1981年で、エドモントンのLRTと共に北米LRTの草分け的存在です。利用は好調で、LRTの優等生と認識されているそうな。
現在は2路線が運行中で、ダウンタウン内ではこの2路線が同じ線路を走るので、効率よく撮影できます。



電車がやってきました。2001~2007年に導入されたSD160形電車の前期型です。1編成2両で構成され、利用状況に応じて増結していきます。日中は3編成6両で運行するのが通例のようです。いわゆるLRVではないですが、プラットホームを造ってバリアフリーにしています。
ちなみにこれの広告はマツダでした。トヨタ、日産の次に見かける日本車がマツダかホンダって感じですね。上位2社と比べるとその頻度はグッと下がりますが。



こちらは2010~2012年に導入されたSD160形の後期型です。フロントデザインが変更されてよりヨーロッパ風の電車になっています。
SD160形とその前身であるSD100形はシーメンスが北米向けに開発したLRT車両なので、投入されているのはアメリカとカナダのみです。カルガリーの他にエドモントンやサンディエゴなどで見かけることが出来ます。



NFI D40LF。銀と赤の塗装なのでそこはかとなく東急バス感を感じます。



SD160前期型。C-トレインにはもう一形式、U2形という開業時からの古い電車が走っているのですが、結局見られませんでした。レールバスみたいな見た目が可愛いんですけどね。
C-トレインは基本的に専用軌道を走りますが、ダウンタウン内では併用軌道です。ただ、併用軌道と言っても一般車両の乗り入れは禁止されているようで、実質的には道路を一本LRT(と路線バス)専用に再整備したというところでしょう。
一般車両乗り入れ禁止は思い切ったことをしたなと思います。



D40LFの旧塗装。まあ、あまりかっこいい塗装ではないですな。
ちなみにこの通りはバスはあまり通らなかったです。路線バスのダウンタウン内での運行経路は1本の大きな幹線道路に多くの系統を集中させる方式(日本だとこの場合が多い)と複数の道路に系統を分散させる方式があるんですが、カルガリーは後者だったようで。
また、郊外の路線バスの系統はC-トレインの郊外駅を起終点にしていてダウンタウンへ直通しないものが少なからずあるようなので、ダウンタウンにはあまり現れない・・・と言う事情もあるようです。おかげで効率的な撮影とは行きませんでした。



時間切れになったので駐車場に戻ります。
駐車場はCPの線路の上にある立駐でした。貨物列車でも通らないものかと少し期待しましたが、ダメでした。ダウンタウンを徘徊している時に遠くから列車の通る音は聞こえてるな~ってのが何回かあったんですが(この時は撮影するポジションにいないので未撮影)、つくづく旅行後半は列車に嫌われましたね。



15時頃にダウンタウンを離れて、16時前にはレンタカーを返却してカルガリー空港のチェックインカウンターへ。とうとうビクトリアへ変える時が来たのです。るるー(悲)
乗る飛行機はウェストジェットというところ。カルガリー~ビクトリアを直通しているのでラクです。エアカナダはバンクーバー乗り継ぎになるので・・・。
機内預けの手荷物が1つあったので預けようとしたんですが、預け料金25ドル取られました・・・。な、なんでや!?と思ったんですが、そういう決まりなので仕方ないです。

ウェストジェットはLCC系の会社なので、最初はLCCでよく見かけるチケット自体は低価格だけど預け料金なんかで利益を出すビジネスモデルか・・・と思ったんですが、どうもそうでないようで。
カナダとアメリカの国内線および両国間の国際線のエコノミークラスではだいたいどこの航空会社でも預け荷物が1個目から有料となっているようです。LCCは当然、エアカナダやアメリカン航空のような大手のレガシーキャリアもそうなっています。リージョナル航空会社までは把握してないです。
まあなんともセコいことするなぁと思います。とはいえ他の交通機関もないですし、足元見られた格好になってます。うーんセコい。
みんなも預け荷物の数は減らしていくように気をつけような。



搭乗ゲートに向かいます。
カルガリー空港はウェストジェットのハブ空港ということもあって、ターミナルの一角は完全にウェストジェットのものになっています。他のキャリアが全く見えないぞ。
ウェストジェットの機材はほとんどがボーイング737で構成されています。創業にあたってはサウスウェストを手本にしたそうですから、機材の統一はそこに倣ったのだと思います。接客サービスもそこに似ているらしい。



ウィングレットが上下についたシミタールウィングレット装備の737。新し目の機材ですね。
そういえばまだ昼飯を食べていなかったので、ここで軽く済ませておきました。もう16時回ってるんだけどね・・・。



搭乗時刻になりやした。WS227便ビクトリア行きです。機材はB737-800(C-FAWJ)。もしかしたら初の737搭乗かもしれないです。



機内。まあこんなもんよ。
LCCですが背面モニターが付いていて有能。ただしイヤホンは有料なので買うか持参しよう。ドリンクも有料。そこら辺はLCCです。



はい離陸。シミタールウィングレットの機材なのね。
珍しく窓側・・・というか通路側がもう埋まってたのだ。チェックイン時まで座席は決まっていないので、ウェブチェックインが始まる24時間前から椅子取りゲームなのです。ちょうどその頃はホテルに向かって運転していたはずなんで、まあムリだわな。



せっかくなので景色を楽しみます。ちょうど雲のない所を飛んでいるので地上の景色がよく見えます。
ここはカナディアンロッキーかな?氷河が見えますね。すでに少し懐かしくなっております。



一気に飛んでバンクーバーの郊外。



バンクーバーとビクトリアの間のガルフ諸島。ここの景色は本当に美しくてうっとりします。ここからの景色はとても好きです。



はい着陸。帰ってきたぞー。
1時間位乗っていましたが、時差があるので時計の上では30分しか時間が経っていないことになります。時差マジックすごいな。というかそれ以上に、飛行機で1時間で行ける距離をのんびり11日間かけて巡ってきたというのに、ある種の壮大さを感じます。



降りました。
LCCですが特に不便もなく良いフライトでした。ただ以降使う機会がなかったので搭乗はこれっきりになっていますが・・・。マイル貯められないからね・・・。
この後はBCトランジットのバスに乗り換えてお家へ帰りました。


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はい、これで11日間に渡って旅してきた北米P3もようやくおしまいです。
本当に色々な場所を回りましたが、どこもカナダの広大で懐の深い自然と歴史を味わえました。ここでしか出来ない体験も幾つもしました。いつかまた行ってみたいと思いました。生涯忘れられない旅行になったのは違いありません。
北米P3を連載し始めたのが5月24日ですから、実に7ヶ月間、1年の半分以上をこれの執筆に費やしたということで、ええー、長引いたなぁと。途中何度かやめちまいたくなりましたが、そうなると後の連載にも進めないのでそこは頑張りました。褒めてくれ。
いくつかの場所は弊ブログが初めて日本語で書いたと言っていい箇所がいくつかあるので、そこはちょっと胸を張ってもいいと思いますぞ。特に鉄道とか軍事とか。もっと褒めろ。

カナダの出来事はまだ1年分のストックがあって(実に17ヶ月遅れ!)まだ当面の間は書き続けることになりますが(白目)、ひとまずこれはここでおしまいです。次の連載開始は年明けになるだろうから、なんだかちょうどいいな。


おしまい