黒鉄重工

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北米project ~Advance to U.S. その23 【2014/12/19~24】

2015-08-04 19:53:31 | 海外旅行記

次は本館から道路を挟んで反対側にあるスペースギャラリーへ。
スペースシャトルのモックアップがあります。



シャトルのカーゴの中も見れます。
時間が推しているのでここは軽く見るに留めさせてもらいました。また来ます。
ここから外に出るとエアパークに行けます。



Concorde
史上初、そして現時点で唯一の超音速旅客機。ロマンあふれる機体ですがロマンしか無かった模様。
軍用機で超音速が突破されるようになると、旅客機でもそれを求めるようになるのはまあ自然な流れであって、イギリスとフランスが共同開発しました。他にもアメリカやソ連が超音速旅客機を開発していましたが、こちらは最終的にポシャりました。
細長い胴体とオージー翼にオリンパス593 Mk.610エンジンを4発、さらにフライバイワイヤも搭載し、巡航速度はマッハ2。はっやーい。通常のジェット機が片道運航する間にコンコルドなら行って戻ってこれます。当時の航空機技術の最先端を文字通り突っ走ってました。
ですが、ソニックブームの発生や航続距離の短さゆえに就航路線が限られたり燃費も極悪だったり(不運にもオイルショックと時期が重なってもうアレ)で需要が生まれず、生産数はわずか20機、運航先はブリティッシュエアウェイズとエールフランスだけとなりました。
この機体(G-BOAG)は「アルファゴルフ」という名の量産型14号機で、1978年4月初飛行、1980年にブリティッシュエアウェイズで運行を始めました。飛行時間は1万6千時間以上で、2003年11月5日に最終運行をしました。ニューヨークからシアトルへの回航時には同区間最速の3時間55分12秒を記録、うち1時間34分4秒間は超音速飛行をしました。

本物のコンコルドです!細い!
コンコルドは需要はなかったけど人気はあったようで、ほとんどの機体がイギリスとフランスを中心とした欧米の国々で保存・展示されています。この航空博物館のもそのひとつです。日本にはない。JALが導入していたら保存されたかもね。
コンコルドが見れて早くも満足。



機内に入れます。座席はエコノミークラス相当ですかね。まあ狭い。なお料金はファーストクラスよりも高かった模様。金で時間を買ってたんですな。



座席も狭いですが、何と言っても窓が小さい。
内側の窓は他の旅客機と同程度ですが、外側の窓が小さい。はがきサイズの大きさだとか。うーむ、これじゃ外が殆ど見えないです。



オリンパス593 Mk.610エンジン。旅客機のエンジンに見えない・・・。燃料をバカ食いします。



Boeing 737-130
1967年から45年間以上に渡り8000機以上が生産されているジェット機のベストセラー。今も生産や新型モデルの開発が続いているから1万機は超すだろうし、全旅客機を含んだ最多生産記録を持つダグラスDC-3の1万7千機の数字もそのうち破るかもしれません。
このB737-130(N515NA)は737の初期型である737-100型の最初の機体でなおかつ737シリーズ全体の初号機でもあります。ボーイングの飛行試験機として使われ、1974年にはNASAのバージニア州ラングレー研究センターに移籍し実験機として使われました。
全ての737の原典がここに。これも感激ものです。ノーズは現行の737NGシリーズとは少し違うか?地面からの高さもやや低いかも。垂直尾翼は絶対にこっちのほうが小さい。



何よりもエンジンが異なっています。
プラット&ホイットニーJT8D-7低バイパスエンジンを搭載しています。細いし、弱そう。
地面とのクリアランス確保のためにパイロンを設けずに主翼に直留めしているのが特徴。離陸時とか結構ギリギリなんじゃないかなコレ。



Boeing 727-223
ボーイング707をベースにした中距離用ジェット機で、胴体後部に集中して配置された3発のジェットエンジンとT字の尾翼が他のボーイング機にはない独特なスタイルをしています。物心ついた時には既に日本の空からは退役していたんで馴染みはないです。
リアエンジン方式と主翼の高揚力装置の採用により短距離での離陸が可能となり、707では就航できなかった地方の小さな空港でも運用できるようになったことから約100社の航空会社で採用され、737と共に地方空港のジェット化に大きく寄与しました。総生産数は約1800機で、737に抜かれるまではジェット機で最多の生産数でした。日本では全日空が多数運用していたそうで。
このB727-223(N874AA)はアメリカン航空の機材でした。金属地剥き出しのボディが特徴です。最近は塗装するようになりましたね。



特徴的なエンジンと尾翼。エンジンは737と同様のプラット&ホイットニーJT8D-17を搭載します。
三発機はエンジン配置が独特なので面白いです。727はそうでもないですが、DC-10やMD-11は垂直尾翼の根本に搭載された3発目のエンジンは折れるんじゃないかと思うくらい危なっかしいですね。



Boeing 747-121
言わずと知れた世界初の2階建てジェット旅客機「ジャンボジェット」。1969年の初飛行以来、現在も生産が続けられているベストセラー。現在の生産数は1400機くらい。
その圧倒的輸送力により航空券の安売りが可能になり、航空機輸送の大衆化に大きく貢献しました。日本でもたくさん飛んでいましたね。
この機体(N7470)はB747の初号機で、飛行試験を行った他にも777用のエンジン開発の試験にも供されていました。



機首にはエアラインのロゴマークが貼られています。JALとアメリカン航空とトランスカナダ航空くらいしか分からないですけど。塗装はボーイングの昔のハウスカラーで、JALの旧塗装のようにも見えます。
それと、747の初期型は2階部分が現行モデルより小さく窓も少ないのが特徴です。ファーストクラス用のラウンジに使われていたとか。



Lockheed L-1049G "Super Constellation"
ロッキードが開発したレシプロ四発旅客機で、最後のレシプロ大型旅客機として知られています。愛称は「コニー」。日本のエアラインには導入されなかったので馴染みのない機体ですが、「空の貴婦人」と呼ばれるほどに美しいデザインが人気で、多くの博物館で保存されているようです。
L-1049Gは、L-049の胴体をストレッチしたL-1049の主翼翼端に燃料タンクを追加搭載して航続距離を延ばしたもので、太平洋・大西洋横断路線に投入されました。
この機体(CF-TGE)はトランスカナダ航空で運用され、退役後は一時レストランとして使われていました。
そんなに美しい機体かなぁ、コックピット周りが潰れた感じのデザインに見えてあまりそうとは・・・と思いますが、人気だそうです。



独特なのが3枚の垂直尾翼です。



Boeing VC-137B "Air Force One"
ボーイング707-120をベースにしたアメリカ大統領専用機初のジェット機(機体名SAM970; Special Air Missions 970)です。1959年にスーパーコンステレーションを置き換えるために導入しました。
アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン大統領を乗せていました。1962年に後継のVC-137Cに任を譲った後は、1996年6月まで副大統領と要人の輸送機として活躍しました。
コンコルドと並ぶエアパークの目玉ですね。ちなみに「エアフォースワン」は大統領専用機の愛称ではなくて、アメリカ空軍が大統領が搭乗した機に対して使うコールサインです。なので、戦闘機だろうが輸送機だろうが羽の付いたカヌーだろうが、それに大統領が乗っていればそれがエアフォースワンと呼ばれるわけです。



エアフォースワンは機内に入れます。



大統領選用寝台(たぶん)



大統領選専用ソファー(だったはず)
核ミサイルの発射ボタンはどこにあるんだ?



操縦席。



ロマンを追い求めたコンコルドと現実に則した787。旅客機はゆくゆくは高速化か大型化のどっちかになると思ったら、結局は経済性が重視されたっていうオチでした。次の時代にはどんな旅客機が要求されていくんでしょうね。楽しみです。

エアパークは以上です。次からはお待ちかね、第二次世界大戦編です。


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