小ネタは面白い。登場人物もキャラが濃い。そして丁寧に物語は進む。
マーク・ラファロ演じるケネス・マーシャルとその妻イルファ(「ヘレディタリー/継承」のお母さんのトニ・コレット)は、自分達夫婦が教祖となる教団の星を作るべく、惑星ニフルハイムへ4年の月日をかけて宇宙船で到着。この夫婦の憎たらしいキャラが強烈。宇宙船の中の信者に赤いキャップを被っている人もいるので、トランプ夫婦に見える。
で、マカロン(!)店経営に失敗して借金を背負って命を狙われたミッキーはその船に「エクスペンダブル(消耗品)」として乗船。記憶データをその都度書き込まれて、クローンとして何度も生き返る。宇宙放射線を浴びたらどうなるかの実験、惑星ニフルハイムで人間が呼吸できるようなワクチン開発のための踏み台にされて、記憶はそのままにミッキーの体は17代目に到達!
宇宙船内で警備員のナーシャ(「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」のホイットニー)という、カッコ良くて情熱的な恋人ができて、それなりに幸せな日々も送る。体位のパターンもいろいろ研究してて楽しそうだし、これが後の伏線になる。
ところが、17代目が生きてるのに、18代目が再生されてしまったので、ストーリーは一気に進む。面白いのは、再生された肉体に記憶データを書き込んでいるのに、性格は少しづつ違う事だ。ナーシャは全て知っていて楽しんでる。17代目のミッキーは心優しく穏やかな青年だけど、18代目は気性が荒い。
役者さん達は全て芸達者。周りが濃い分、ミッキー17の穏やかさが際立つ。
惑星ニフルハイムの先住民クリーパーが、噂通り「風の谷のナウシカ」の“王蟲(オ-ム)”だ。公式HPも、「インスピレーションを受けた」と認めているが、エンドロールのスタッフの所には、クリーパーのデザインした人の名前が出てた。でも、見た目も、キャラも完全に王蟲(オ-ム)だ。
ラストはメチャメチャハッピーエンドだ。ってか、4年も航海してるのに、地球との通信状態はリアルタイムだ。地球では金貸しのギャングが出て来たり、マーシャル夫妻をやっかい払いした割には、司法制度がしっかり機能している。宇宙船の中でのマーシャル夫妻の行動もしっかり虐待と認定され、ミッキーやナーシャも裁判を受けさせられ、しっかり調べられ、正当な判決を受ける。えっ~、地球でギャングが借金を払えなかった人を惨殺してたのになあ。急にどうした? 不思議だなあ。
今後、クリーパーと本当に共存できるのかなあ。クリーパーのハッタリもバレちゃったし。監督はポン・ジュノだけど、アメリカの映画だし。クリーパーを征服しちゃいそうだ。
政治家ナーシャが頑張ってくれるのかなあ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます