日本の心・さいき

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為になるかも知れない本(その239-4)

2007-12-20 08:34:17 | Weblog
その5、他人の意見に耳を傾ける
 理事長先生は、部下の意見を尊重する人であり、小児科のことは私に任せてくれた。現在でも、使いたい薬を自由に使っているし、私と馬の合わないナースがいたら、遠慮せずに言ってきて欲しいとまで言われいた。私が高い医療機器を次から次へと頼んでも、全てOKしてくれて、しばらく頼みに行かないと(最低限の必要なものは全て買ってしまったが)、ある時、「田原君は最近何々が欲しいと言わなくなったが、何か言っていなかったか」と周りの人に聞いていたそうである。小児科の設計にしても、(理事長先生自身が素晴らしい建築マニアであるのに)必ず私の了解を得ることを気にしていたし、新生児・未熟児センター室設立の時には、何cmまで、私に任せてくれた。

その6、頭が低くて、笑顔を絶やさない
 270名程の職員を抱えるまでに成長し、救急医療を中心にして永いこと多くの人を救って来られたのに、頭は常に低く、話し出すとニコニコされていた。西田病院の3つのモットーの「誠実」「機敏」「笑顔」は、理事長先生のアイデアであるが、正に、理事長そのものであった。医者たるもの、腕があり、患者さんが多くなり、業績が上がると、ともすれば高慢になり、人の意見は聞かずに、優しい笑顔を多くの人に投げかけることをしなくなりがちになるが、理事長先生は、それとは全く反対の崇高な精神の持ち主であった。

その7、記録を執る。
 理事長先生が毎朝、患者統計を執っていたのは周知の如くであるが、その統計を執ること自体が、生き甲斐にもなっていた様である。82歳になっても、よくメモを取る人であった。記録を取ることにより経営者としての力をいかんなく発揮することが出来、又、手を使い頭を使うことによって最後まで冴えた頭で病院の業務に就けていたのかも知れない。忙しい中にも、立派な著書、「かなづち病院長」「続・かなづち病院長」を出版して、それを後世に残したのである。


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