日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

臨 床・・・

2010-09-11 12:43:48 | Weblog
 あるベテランの弁護士さんが、テレビで・・・「一人前の弁護士になるには、試験に合格しただけでは不充分で、実際にいろんな例を受け持って、一つ一つ体で受け止めて体験して行く中で、いい弁護士になれる・・・」って感じで言われていたけど。
 そうだなあ、学校の先生や看護師さんや医師だって、同じと思いますけど・・・。
 教科書にちゃんと書いてあるよって言う人いるけど、各論になると、いろんなケースがあるし、それに個人差もあるので、教科書通りに行かないことも多いかな。
 昨日、(発生学ン講義が終わって)12時半過ぎに、9歳の男児が急患で来た。よく、外来に来る子どもだった。学校でお腹を痛がったと言うことで来院した。
 鼻汁、咳嗽、発熱、頭痛、嘔吐、下痢全くなし。喉も赤くない。髄膜刺激症状もない。朝は、全く元気だったとのこと。顔色悪く、お腹をとても痛そうにずっと曲げている。左下腹部を特に痛がる。母親も、大事な一人息子なので、心配そうな顔をしている。
 「今朝、うんち出た?」
 「ハイ、今日は、出てます。」
 「普段、便秘がち?」
 「いいえ、便秘でこんなにきつがったこと、今まで一度もありません。」
・・・取り敢えず、感染症はない感じに思えたので、浣腸した。→すると、便が少し出ただけで、硬さも普通。
 「お母さん、便秘が原因じゃないみたい。点滴して、外来でしばらく様子を診たいと思います。点滴する時、一緒に、検査も出来ますから・・・」(母親納得)
 実は、こんな例、今まで数多く経験してきている。いろんな原因で、腸管の循環不全が起きているのでは(?)と、思っているのだが・・・?!
 大学で、心臓の手術後に、時々、お腹痛がって、小児科診察を依頼されたことがある。腸への虚血と思われる。
 10年半余勤務した佐伯の救急病院では、子どもが頭を打った後に、脳外科専門医から、「先生、頭じゃないごとある…先生の方みたい・・・」って感じで、小児科にしばしば紹介されていた。
 この場合、あまり周りが騒ぐので(?)、「アセトン血性嘔吐症(?)」になった感じですが・・・。そんな無欲状顔貌になって、嘔吐と腹痛があって、尿アセトン強陽性の子ども、数多く経験しましたが・・・。(この場合、年齢やその子の性格や既往歴がとても大切になりますが・・・)
 今回は、暑さで、脱水気味になり、腸が虚血になっていると思われた。
 点滴をすると、腹痛が嘘の様に軽快して、眠ってしまった。で、検査も、脱水所見(尿素窒素の上昇あり)以外に、特に問題なし。(レントゲンの検査もなく、薬もなし)
 で、目が覚めて元気なので、16時過ぎまで点滴をして、帰した。(暑さで脱水にならない様にと説明して・・・)
 又、この日、18時前に救急車で、15歳の女児が来院。掛かりつけでなく、数年間、全く当院を受診してない。当直は、卒後9年目の臨床バリバリの自治医大卒の女性の産婦人科医。
 その先生から、電話あり。けいれん(医師は診ていない)あり、発熱ない、呼び掛けても応じなくて、目の動きがおかしいとのこと。血圧正常、呼吸数、心拍数正常。
 CT正常。一緒に来た養護の先生が、あまり慌てていない(おかしい?)。目の動きが悪い割には、一般状態がいい(おかしい?)。神経の得意な院内の内科医が診て、「HY」じゃないかと言う。血液検査もいいし、「ヒステリー」と考えると、診断に不自然なことがない。
 それによく話を聞くと、2~3年前にも同じ様なことがあって、しばらくしたら、元気になって入院せずに帰れたとのこと。
 で、恐らく、今回も、同じ経過をとるだろうって感じになって、しばらく様子を見ていたら、嘘みたいに元気になったので、点滴終了後に、入院せずに帰した。
 目出度し、目出度し。
 臨床には、時に、思わぬ落とし穴がある。思い込みは、いけない。常に、医師は、シャープな頭の状態にして的確な情報を得て、的確な判断をしていかないといけないが・・・。経過を見て、後で診断が付けられることも多い(最後まで、付けられないこともあるが・・・)。
 医師としては、帰る時に、患者さんが元気になって、親御さんから喜んでもらえると、ホント嬉しいですね。
 

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覚え方・・・

2010-09-11 09:55:24 | Weblog
  昨日(10:20~12:00)の看護学校の(発生学3回目)講義で、(j自分なりの)記憶術を紹介した。又、覚えるべき内容(毎年、この時点で配っているが・・・)もプリントアウトして(ビタミン13、サイトカイン13、脂肪酸8など、18項目)。
 まず、自分が空で47都道府県の人口の多い順に、16番目まで言い、飛ばして、岡山県(21番目)、三重県(22番目)、熊本県(33番目)と言い、次に、世界の人口の多い順に、30番目まで言ったら、拍手が起きた。で、その覚え方を説明した。
 覚える時に右脳を上手く使うといいと思う。覚える気にならないと覚えられない。繰り返すこと、これも大切。
 その後、解糖系→TCAサイクル:グルコース→グルコース6リン酸→→→オキザロ酢酸まで20の化学名を言い、アミノ酸も、20言ったが、今度は、拍手は起きなかった。恐らく、生徒達自身も、やれば自分達にも出来るはずと思ったに違いない。
 教える方も、生徒の反応を見ながら教えないといけないかな。教える内容も、毎年、さほど違わないので、年々楽になるし、コツも掴めてくる。
 発生学の講義では、最初の日に、九州の地図を描いた。で、福岡市と上天草市と鹿児島市と書いて・・・原始腸は、前腸と中腸と後腸となるが、それから、前腸は、十二指腸の一部までとなり、中腸は、十二指腸の一部から横行結腸の3分の2までとなり、後腸は、それから下になる。
 前腸の領域に栄養するのは、腹(福岡のふく)腔動脈、中腸の領域に栄養するのは、上(自分たちが今いる上天草市の上)腸間膜動脈、後腸の領域に栄養するのは、下(下にある鹿児島のか)腸間膜動脈と説明したら、生徒の反応が、とても良かったかな・・・?!

http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20080916/1 

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