山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

思いのほか効果を発揮した野党共闘

2016年07月16日 21時14分17秒 | Weblog
 安倍首相によって、ふつう考えられないような野党攻撃がやられた。ふつうは横綱相撲をするものだ。ところがなりふり構わぬ見苦しい攻撃に終始した。野党共闘を徹底して攻撃した。そのことばがテレビを通じて連続して流された。その影響は相当なものだ。
 だが、結果的には、安倍自公によって攻め込まれた部分はあるにしても、攻め込んだ効果は大きかった。
 特に私が注目したのは、共同通信の出口調査の結果だ。32の1人区で、自民党支持層の88%は自民候補に投票したが、公明支持層は自民候補に71%、野党統一候補に23%投票した。公明党支持の創価学会は縛りがことのほかきつく、指示に従わないことはあまり考えられない。ところが71対23だった。憲法問題、安保法制問題が、思ったよりも公明支持層に考える材料となったのだろう。安倍政権に独裁的権限を与えない方がよいと考えたのだろう。
 支持政党なし層では、野党統一候補56%、自民候補38%だった。北海道5区の衆院補欠選挙よりは、野党候補への投票率はへったが、自民候補とは20%ほどの差をつけた。
 以上の2点から、与党統一の参院選に大きい意義と可能性を見ることができた。
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宇都宮さんの決断に敬意

2016年07月14日 11時27分45秒 | Weblog
 昨夜(2016・7・13)、宇都宮健児さんが都知事選への出馬取りやめを発表した。「保守の候補者が分裂する中、より都民に優しい都政に変える千載一遇のチャンスである」「大局的な考えで選挙戦から撤退することとした」と述べた。
 宇都宮さんが、自公政治を打ち破るという大義を大事にして決断をされたことに、敬意を表したい。暴走する安倍政治に対し、東京から新しい政治への展望を切り開く可能性がうまれた。多くの人を励ます一歩が始まった。
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頭脳は封建社会のまま、自民党都連・都知事選文書

2016年07月13日 17時08分46秒 | Weblog
 自民党東京都連が、知事選引き締めのために「都知事選における党紀の保持について」という文書をだした。
 党公認・推薦候補以外の者を応援してはならないというのは当然だが、第3項は自民党の近代人権思想を理解しない封建思想を丸出しの代物だ。
 「各級議員(親族等含む)が非推薦の候補を応援した場合は、…除名等処分の対象となります」とある。親族まで処分するのは、封建社会で反逆者の一族郎党まで殺害したのと同じレベル、今なら北朝鮮レベルだ。なにかといえば北朝鮮をもちだす自民党だが、自分自身が北朝鮮レベルだ。そういえば、自民党改憲案の解説は、天賦人権思想は日本になじまないといっている。その実践が、こんどの文書だ。自民改憲がどんなものか知るいい教材だ。
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都知事選での野党統一実現を期待したい

2016年07月13日 13時50分58秒 | Weblog
 野党統一ならば出馬と表明した石田純一さんの役割は大きかった。お仕事の関係、違約金の支払いなど高いハードルのため断念されたようだ。
 野党4党の共闘体制がいわれながら、やはり民進党の大国主義的な姿勢がつよく、民進党が候補を決めるのが大前提というすすみ方だった。そこに本来の野党共闘のあり方を提言したのが石田さんだった。
 同じ立場で名乗り出たのが鳥越俊太郎さんだ。さまざまな運動にも参加してきた人だし、文句はない。ただ、宇都宮健児さんとの調整、統一ができるかどうかが問題だった。宇都宮さんは支援者の意見を聞いて引くか、出るかきめるといっていたが、今日(7・13)昼の時点では出るという態度だ。支援者も同じ方向を追求している立場から検討してほしいものだ。候補を担いですでに運動をしているという事情は分からないではないが。これは参院選で、全県に候補を立てて半年、1年前から運動をしていた共産党が候補をほとんど降ろしたことと共通する。ムリを言って立ってもらった人を尊重するために、降りてもらった人は比例ででることになった。これは供託金がひとり600万円、倍かかるためたいへんな負担だったろう。でも統一候補擁立の意義が大きいため踏み切った。
 統一候補が宇都宮さんになればいうことはない。でも民進党がうんと言わない。自民党増田氏で自・民あいのりでもいいとか、民主党の中では改憲派の人物が候補に挙げられていた状況から、石田さんの問題提起がきっかけで、本筋の野党共闘路線にやっと戻ったのだから、宇都宮さんの支援者もひと肌ぬいでほしい。支援者には、わたしがサポーターの一人に加わっている首都圏青年ユニオンの指導者もいる。改憲派が3分の2を占めた状況の下で最終判断をした鳥越さんの決意を尊重してほしい。
 宇都宮さんと鳥越さんが話し合って、宇都宮さんの政策を最大限取り入れて統一政策をつくればいいではないか。この方向で東京都民だけでなく、全国の改憲反対で頑張っている人に希望を与えてほしい。
 ここでひとついいたいことがある。安倍自民党とねんごろな政治評論家の発言についてだ。田崎史郎氏はテレビを渡り歩いて、鳥越さんが改憲派3分の2に危機感を覚え決断したこと、東京を憲法擁護の拠点にしたいとの気持ちを表明したことに異議をとなえて、都政にそんなことを持ち込むのはおかしいといいまわっている。憲法擁護は政治家の大前提、当たり前のこと。石原元知事とは逆ではあるが、本来の姿だ。宇都宮さんも重点の三つ目に憲法擁護をかかげている。
 石原氏は知事になるとき、逆の立場から国政への橋頭堡を築くことをいったし、かつての美濃部知事は、時の首相へのアンチテーゼとして「ストップ・ザ・サトウ」を合言葉に運動をした。そういう位置にあるのが首都東京の政治だ。国政にどう影響を及ぼすかを考えて政治をするのが東京のおかれた位置なのだ。じじつ美濃部都政の成果が、全国の地方へ、国政に影響を与えて取り入れられていった。
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沖縄、福島、東北に見る参院選の真実

2016年07月11日 22時30分35秒 | Weblog
 2016年の参院選は自民・公明・おおさか維新などの改憲勢力の3分の2獲得でわいている。いっぽうで、野党共闘によって32の1人区のうち11県で野党統一候補が勝利した。自民・公明の野党共闘への激しい攻撃のもとで、マスコミの予想よりも多くの県で勝利したのは評価していい。
 とくに注目すべきは表題に書いた沖縄、福島、東北だ。いずれも安倍自公内閣が、基地問題、原発問題、TPPで徹底して痛めつけ、無視し、公約をくつがえしてきた地域ばかりだ。地域的には、権力によって生きる権利を蹂躙されたところばかりだ。
 そこで自民党が敗北した。沖縄では裏切り女の島尻安伊子大臣、福島では岩城光英大臣が落選した。東北は反旗をひるがえした。安倍政権によって痛めつけられた地域がたちあがった。そこに野党共闘が役割を果たした。
 痛めつけられた階層が層として立ち上がるまで、機が熟していない感もある選挙結果だ。毎日新聞の世論調査で、「アベノミクスを見直すべきだ」が23%、「参院選で野党が増えた方がよい」が46%だったのに、出口調査ではアベノミクスに期待するのが多数という、国民意識の揺れが示された。格差拡大の原因と結果をどう考えているのか。憲法改正に反対する意識と投票行動の統一がもっと話題にならなければならない。そこには安倍自民による、野党共闘へのしつこい攻撃で共闘への期待が減殺されたことはいなめない。
 逆に言えば、野党共闘をもっともっとしっかりしたものに、多くの人を巻き込んだ運動にしていかなければならない。憲法改正が世論の多数を占めていたのに対し、2004年発足した「9条の会」運動で改憲世論を逆転したように。
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参院選の争点は改憲を許すかどうかだ

2016年07月09日 09時32分44秒 | Weblog
 安倍首相は、アベノミクスは道半ば(アベノミクス下から読めばバカな道とやゆされている)だといいながら、テレビコマーシャルでは、格差拡大を隠して、今の日本はバラ色だといわんばかりだ。サミットの時、リーマンショックの前の状況に似ているなどといったのとどう整合性がつくのか。
 安倍は憲法改悪に執念を燃やしているのは事実だ。リーマンショックと同じといって消費税を延期したのも、参院選で改憲勢力が3分の2を取って、任期中に改憲をするための条件づくりだ。すべてここに収れんしている。
 だが、選挙前には、改憲につきすすむとはいわない。サミットという国際会議で、欧米の首脳があ然とするような、リーマンショック論を平気でいって、国際会議を自分の選挙対策にもてあそぶ人物だから、選挙でうそをつくことなんか朝めし前だ。
 だまされてはいけない。参院選の争点は、安倍改憲を許すのかどうかだ。安倍自民党・公明党・おおさか維新・日本のこころに投票するのは、安倍改憲に賛成の1票だ。
 改憲の本丸は、いわずと知れた9条だ。すでに集団的自衛権容認の安保法制=戦争法で立憲主義が崩されている。ついで本丸に攻撃をかけようとしている。
 世論調査で、9条改憲反対は多数だ。改憲反対の気持ち、ここを基点に参院選を判断しないと大変なことになる。国民の良心の発露を期待したい。
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石田純一さんの気持ちを尊重したい

2016年07月09日 08時41分10秒 | Weblog
 俳優の石田純一さんが、昨日8日、都知事選に野党統一候補であるなら出馬したいと態度表明をした。別の人が統一候補になるなら自分は下りて、喜んでその人を応援したいと語った。野党統一候補を立てることが何より必要だという立場だ。
 石田さんは、原発再稼働反対の運動や、安保法制=戦争法反対の運動で、一市民として国会前のデモに参加し、発言をおこなってきた。そのためにテレビの仕事で足を引っ張られることもあったようだが、屈することなく運動に参加してきた。信頼できる人だ。
 選挙になると、おれがおれがという人(小池百合子さんは女だが)が出てくる。石田さんは、別の人が野党統一候補になるなら喜んで応援するという。その姿勢がすがすがしい。
 参院選の野党4党と市民団体の共闘組織で緊急に話し合って(市民団体はすでに動いてくれているだろうが)、石田さんの気持ちを尊重して、いい方向にもっていくように努力してほしい。民進党も一歩引いて対応してほしい。民進党がまず候補を決めてそれを受け入れよ、いやなら勝手にやるというのでは、統一のために頑張ってきた人の期待を裏切る。
 共産党志位委員長は、石田さんの発言を歓迎したい、だれを統一候補にするかは4党で早急に話し合いたいと述べた。ここはやはり、市民団体を入れて今日にでも話し合いをしてほしい。
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茄子の漬物、牛すじ煮込みと格安チリワイン

2016年07月08日 09時15分07秒 | Weblog
 田舎の兄が野菜を送ってくれた。玉ねぎ、じゃがいも、トマトになすびだ。なすびの袋に茄子の浅漬けの素を入れてくれている。兄のつくるなすびは小ぶりで、大阪で売られている大ぶりとはちがう。漬け物にぴったり。さっそく漬けたら青紫のきれいな色に仕上がった。果肉はあくまで白い。
 値引きをしていた牛すじとこんにゃくを煮込んだ。両方とも臭みが強いので、何度も煮こぼして、みりん、砂糖、味噌、赤みそ、甜麺醤、オイスターソース、七味唐辛子で味付けした。
 日本酒は純米。精米度が高い純米吟醸よりも、雑味の残る純米酒がいい。ワインはチリワイン。ミディアムでフランスやイタリアのフルボディ並みだ。味が濃い。しかも安い。いつも買うのは500円程度のもの。3,4年前までは1000円弱のもの(それでも安い)だったが、いまはアルパカAlpaca(ミディアムボディ)税込み489円。チリワインの安いのがおすすめだ。
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イギリス、イラク参戦のブレア批判。かたや日本は

2016年07月07日 23時06分15秒 | Weblog
 イギリスの独立調査委員会が、7年間の調査をもとに2003年のイラク戦争に参戦させたブレア首相を厳しく批判する報告書を発表した(2016・7・6)。ブレアが改選8か月前の02年7月にブッシュに武力行使を約束していたことも明らかにした。
 イラクが大量破壊兵器(核・生物・化学)を保有しており、それを排除するというのが、イラク侵略の理由だった。たとえイラクが大量破壊兵器を持っていたとしても、アメリカ・イギリスにイラクに攻め込む権利はない。イラクから両国が侵略された時だけ、反撃ができる(しかも国連が行動を起こすまでの暫定的な期間だけ)にすぎない。イラクにアメリカ・イギリスを攻撃する武力はなかったし、じじつ攻撃していない。だから、イラク戦争は、100%アメリカ・イギリスの侵略戦争なのだ。
 イラクに攻め込んだが、大量破壊兵器は見つからなかった。じつは、国連の査察委員会が2002年11月からイラクの同意を得て大量破壊兵器の査察をしていた。3ヶ月査察をし、大量破壊兵器が隠されていそうなところから順に査察をした。3ヶ月やったが見つからなかった。国連査察委員会は、あと数ヶ月査察をやれば問題は解決する(つまり大量破壊兵器はない)という報告書を出した。だが、アメリカブッシュ大統領は、なにがなんでも砂嵐が吹き荒れる前にイラクに攻め込むことを考えていた。国連のお墨付きをもらうこともねらったが(フランス、ドイツなどの反対に会い)そんなものなくてもへちゃらとばかりに、3月20日イラク侵略に踏み切った。イギリスは参戦し、日本の小泉首相は侵略を真っ先に支持した。マスコミによく顔をだす知識人(たとえば中西寛京大教授)の恥ずかしい侵略支持論文も新聞紙面をかざった。
 イギリスが独立した調査委員会をたちあげ、政府要人も調査対象にして厳しい報告書を出したことを評価したい。そんな文化があることはすばらしい。ふりかえって日本はどうか。まったく駄目だ。安倍首相も調査する気はないと国会で答弁している。従軍慰安婦・南京大虐殺・侵略戦争への態度と同じだ。


 
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自民党小池百合子氏、都議会解散する?

2016年07月07日 23時01分52秒 | Weblog
 今日(2016・7・7)小池百合子氏(自民党)が都知事選に出るにあたって、三つ公約みたいなものを語ったが、びっくりしたのはその1だ。「都議会を解散する」だ。
 何を考えているのだろう。都知事に議会の解散権はあるのか。小池さんは、憲法を便宜的に使って自分の得になるときに解散をしてきた首相になぞらえて都知事を考えたのではないか。都知事には都議会が不信任を可決したときに、対抗的に議会の解散の権限が与えられているだけだ。勝手に解散できるわけではない。ところが小池さん、知事になったら、真っ先に議会の解散をやるという。
 権力欲だけは人一倍なのは今回の件ではっきりしたが、基礎的なことがわかっていないこともはっきりした。当選したばかりの知事を議会が4分の3の多数で不信任するはずがないではないか。だから解散などできない。なのに、何を勘違いしたのか、単なる知識の欠如か、自民党きっての女性政治家なのに、この程度かとびっくりした。権力欲とパフォーマンスで日本の与党政治家は務まるのだとわかった。
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教員を30%削って教育無償化するというおおさか維新の公約

2016年07月07日 16時43分38秒 | Weblog
 選挙公報を見たら、おおさか維新の候補者が、「保育園から大学まで教育費無償化」をかかげ、「公務員数・議員定数・議員給与を30%削減」を財源にするとしている。
 一般公務員、教員、警察官を30%も削れば確かに財源は出てくるだろう。だがそれでは行政がストップする。熊本地震を見ても地方公務員を30%削ったらどうなるかわかるだろう。国家公務員も人が余っているか。すでに人員削減が国地方ともすすんで、公務員といっても4割くらいが非正規に置き換えられている。いったい何を削るのか。
 教員、警察官を30%削るのは狂気の沙汰だ。教育無償化を言いながら教員を30%削るというのは妄言もはなはだしい。刑事警察、交通警察とも減らすなどとんでもない。ただ公安警察は人員、使っている経費を明らかにして、大幅削減すべきだ。
 比例の選挙公報では、維新は議員報酬削減を言うが、政党助成金削減・廃止をいわないのはなぜだ。さらに「企業・団体献金の受け取り禁止」をかかげているのには、松井さん、あなたの頭の中はどうなっているのですか、と言いたい。維新は、多額のパーティー券収入を得ている。これはどうなんですか。なぜ政治資金パーティの禁止も書かないのですか。みごとなごまかしだ。政治資金パーティーは企業・団体献金の姿を変えたものにすぎないのに。
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改憲をくいとめる憲法学者・原秀成さんの『毎日』寄稿

2016年07月06日 10時14分41秒 | Weblog
 今日の(2016・7・5)『毎日』夕刊に、尊敬する憲法学者の原秀成さんの論考が載った。原さんの寄稿だ。思い余っての寄稿だと思う。原さんは、日本評論社から『日本国憲法制定の系譜』を出している著名な憲法史の専門家だ。この本は5巻本で、1冊1万2千円くらいの分厚い本だ。私が持っているのは1~3巻。日本国憲法は国内外の多様な源流から、自由・平和の流れが折り重なってつくられたことを、じつに詳細に証明している見事な本だ。浅薄な押しつけ論が恥ずかしくなる研究だ。
 その原教授が、参院選に当たって、「改憲左右する投票行動 参院選カギ握る一部野党」と題する論考を『毎日』に寄せた。文章には、原さんの危機感がにじみ出ている。
「10日に投開票される参院選では、日本国憲法の運命が問われている」「自民と公明の与党だけが改憲勢力とはいえないことに注意すべきだ。おおさか維新、日本のこころを大切にする党は、非改選議員を8議席もち、改憲成立のカギを握る。以上の4党を合わせ、今回の参院選で78議席あれば、改憲が始動しうる」「今回も予測では改憲派が有利のようだ。一部野党の得票次第で改憲が始動しうる。この差し迫った状況が有権者に十分に伝わっているか心配だ」「憲法は法令と違い、いったん改正されたら半永久的に元に戻れない。憲法を左右する分岐点にあって、今日ほど慎重な投票行動が求められている時はない」

 そのとおりだ。安倍首相は争点化しないようにしながら、勝利したら一気に改憲へ進むことは目に見えているし、そういう趣旨のことをいっている。アベノミクスなる政策が途中までしか行ってないから(実態は失敗だが)エンジンを吹かして突き進むかどうかが争点だというが、こんなものに惑わされては日本の道を誤る。隠した争点こそが真の、歴史的な争点なのだ。
 原教授が言うように、おおさか維新をまぎれもない改憲勢力だと認識したうえで投票行動がおこなわれなければならない。だがこれがあまり知られていない。危機的だ。とくに大阪で、4議席が、自民・公明・維新・維新と改憲勢力に占領されることにでもなれば、日本の将来は暗黒となる。テレビが育て上げた維新なる勢力の本質が改憲勢力であることを知ってもらうこと、改憲勢力に国会を占領させていいのか、これを問わなければならない。
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空き缶を集める人がふえている

2016年07月04日 12時39分02秒 | Weblog
 ここ1、2年、空き缶を集める人がふえている。5年、10年前は、自転車の荷台を畳半畳分くらいに広げて、たくさんの缶をビニールのごみ袋いっぱいにして積み上げ、広い地域で収集をしている、いわば専業的な人がやっていた。
 ところが、最近は、普通の自転車で缶の入ったビニール袋をぶらさげて回る、新しいひとが目につく。かつては皆無だったが、女性の姿も見かける。
 老人の貧困がすすんでいることがその元にある。厚生年金、共済年金も減額がすすんでいる。わたしなども、高校でてからほとんど働いてきたが、正採用が29歳だったため、年金は思ったより少ない。このあいだ地域を回っていたら、年金は減らした方がいいという高齢女性に出会ったが、私の年金が介護保険天引きで17万5千円だと言ったら、その方は目を丸くした。国民年金のみの元自営業の方はとても生活はできない。空き缶集めに参入するのも理解できる。
 麻生副総理は、「90になって老後が心配だとか、分けのわかんないことをいってる人がこないだテレビに出ていた。おい、いつまで生きてるつもりだよと思いながら見てました」と小樽でしゃべった。麻生氏は、「1700兆円の個人金融資産が消費に回らないのが問題」という主張の中で言ったことだそうだ。でも退職金あるいは老後に備えての貯金程度の金は、麻生氏が心配しなくても、わたしもそうだが、遠からず使い果たす。
 問題は、自公政府が年金制度を壊し続けていることだ。百年安心といったのは百年前だったか。もう一つ問題は、麻生氏のような億万長者の資産がふえ続けていることだ。累進課税が系統的に崩されて、いまや1億円以上の年収のある人の税率は一般労働者並みだ。累進課税を回復して、所得の再分配をしなければ、日本の問題、格差の問題、財政問題は解決しない。
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公約破り、ウソつき安倍自民のTPP

2016年07月01日 08時57分15秒 | Weblog
 農業経済学者でTPPの問題では最も鋭い分析をしている鈴木宣弘・東大教授の発言に胸を突かれた。紹介しよう。

  「食と農守る意思を示そう」
 国民も農家も、何回も何回も、だまされて、だまされて、結局、TPPもなし崩しに決められ、農業関連組織解体も進められています。安倍政権の「やりたい放題」で、「生かさず殺さず」どころか、息の根を止められかねないほどに地域は追い込まれています。
 官邸に従う人材を農水省トップに据えた今回の霞が関人事は、農業と関連組織にトドメを刺す総攻撃が始まることを宣言するものです。このままでは、TPPと、それと表裏一体の「改革」によって地域社会がグローバル資本に略奪されて崩壊します。大店法が撤廃され、巨大店舗の進出で日本中の商店街がシャッター街になりました。巨大店舗は、ある程度もうかると撤退し、町を荒廃させました。同じことがさらに広範な分野で進みます。
 地方創生どころか、地域の食と農と暮らしの崩壊となります。もうあとのない崖っぷちです。何としても、ここで食い止めるための一人一人の意思表示が不可欠です。

 『しんぶん赤旗』6月24日付1面にのったものだ。2012年末の総選挙で、「TPP反対!ウソつかない 自民党」のスローガンで地方の票を奪い、政権の座に就いた安倍晋三。その後、公約を裏切り、国会決議をも裏切り、TPPを締結した。安倍晋三は、公約を裏切り、全国の農業者を裏切ったことに動揺のそぶりも見せない。だまし、陥れることに何の躊躇もない右翼の面目躍如だ。おおさか維新もこれにつき従う。
 参院選で地方の動向に注視したい。東北5県の農政連は自民党支持をはずした。
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