『朝日新聞』にこの数ヶ月、5、6回も、橋下知事批判の投書した。掲載しかかったことが1度あっただけで結局のらなかった。橋下知事の教育破壊について、同じ高校教員で親しくさせてもらっている前田光男さん、田中嗣弘さんの投書がのった。説得力があった。
こんど、私の投稿が新聞にのった。『港新聞』だ。そんな新聞知らない?港区を中心に5万部も発行している。社会的な問題にきりこんだり、弱い立場の人のことを積極的にとりあげて、信頼を得ている。
「叫んでいいとも!」という欄だ。1200字。写真ものったが、いまひとつだった。全文を『港新聞』から引用紹介する。
今月の提言者・山上俊夫さん(60・市岡)
「冷たい『橋下改革』で子どもも先生も大変」
橋下知事が学校を激しく非難している。やる気がないから大阪は学力低位なのだと。だがやる気が全てというのは戦時中の発想だ。
教育は手立てなしによくはならない。秋田県は学力調査で1位になった。1位の理由は30人学級にあると断言している。
知事は、小学校1、2年生の35人学級はいらない、逆に人数は多いほうがいいと削減を宣言した。だがPTAの猛反発、署名運動でしぶしぶ復活させた。
ところが今、府下各市の教育委員会が自分に従わないのに腹を立て、従わない市には予算をつけないと脅している。子どもをあからさまに差別するのは行政の公平性から許されない。
▼背景に生活の困難
大阪の子どもの学力が低いのは低位の子どもが相当数いるからだ。この背景には一人親家庭など生活の困難が広く横たわっている。学校や親を責めるだけでは解決にならない。手を差し伸べることが何より必要だ。
これらの子が勉強がわかるようになれば確実に順位は向上する。1、2年だけでなく6年生まで35人学級にする、あるいは1学級を2人で教え、つまずいている子に個別指導できる体制をつくれば確実によくなる。が、現実に進めているのは秋田とは逆の方向だ。
▼高校も予算削られ
高校の例をあげよう。府立高校では各学校の予算が一気に20%削られた。太田知事の時にも削られた上に今度の大幅削減だ。
各学校ではやむなく、宿泊行事の付き添いを8学級16人から11人にする、進路指導の予算をへらす、図書の購入費を大幅にへらす、あるいは電気ポットをひきあげるという涙ぐましいものまで、ありとあらゆる措置をとっている。
府立高校には350人の非常勤職員がいる。膨大な量の印刷や理科・家庭科の実験実習補助など大事な役割をしている。ところが知事は、350人全員解雇するというのだ。首切り問題であるとともに、教育条件の切り下げそのものだ。生徒とゆっくり対応する時間がとれなくなる。実験実習を減らさざるをえない、などの事態をまねく。
▼水抜いて稲が育つか
知事は、350人の賃金5億円より御堂筋のイルミネーション20億円の方が大事なのかと問われて、それが私の政策判断だと言った。金を削って教育がよくなるのか。水田から水を抜いて稲が育つのか。
修学旅行などの付き添いの食事代が8月以後出なくなった。付き添うと8千~1万円自腹を切る。が、「同じ釜の飯を食う」のが宿泊行事の大事な点でもあるので当然食事はともにする。
私立高校生への助成も大幅に削っている。知事は公立へいけばいいというが、受験で落ちて私学へ行っている生徒も多い。知事のやり方はあまりに冷たい。
これが「教育日本一」の具体策だ。教育予算はどんどん削り、勇ましい掛け声と恫喝ばかりが聞こえてくる。
文責=山上俊夫(大阪府立北野高校定時制教員、市岡4丁目在住)
こんど、私の投稿が新聞にのった。『港新聞』だ。そんな新聞知らない?港区を中心に5万部も発行している。社会的な問題にきりこんだり、弱い立場の人のことを積極的にとりあげて、信頼を得ている。
「叫んでいいとも!」という欄だ。1200字。写真ものったが、いまひとつだった。全文を『港新聞』から引用紹介する。
今月の提言者・山上俊夫さん(60・市岡)
「冷たい『橋下改革』で子どもも先生も大変」
橋下知事が学校を激しく非難している。やる気がないから大阪は学力低位なのだと。だがやる気が全てというのは戦時中の発想だ。
教育は手立てなしによくはならない。秋田県は学力調査で1位になった。1位の理由は30人学級にあると断言している。
知事は、小学校1、2年生の35人学級はいらない、逆に人数は多いほうがいいと削減を宣言した。だがPTAの猛反発、署名運動でしぶしぶ復活させた。
ところが今、府下各市の教育委員会が自分に従わないのに腹を立て、従わない市には予算をつけないと脅している。子どもをあからさまに差別するのは行政の公平性から許されない。
▼背景に生活の困難
大阪の子どもの学力が低いのは低位の子どもが相当数いるからだ。この背景には一人親家庭など生活の困難が広く横たわっている。学校や親を責めるだけでは解決にならない。手を差し伸べることが何より必要だ。
これらの子が勉強がわかるようになれば確実に順位は向上する。1、2年だけでなく6年生まで35人学級にする、あるいは1学級を2人で教え、つまずいている子に個別指導できる体制をつくれば確実によくなる。が、現実に進めているのは秋田とは逆の方向だ。
▼高校も予算削られ
高校の例をあげよう。府立高校では各学校の予算が一気に20%削られた。太田知事の時にも削られた上に今度の大幅削減だ。
各学校ではやむなく、宿泊行事の付き添いを8学級16人から11人にする、進路指導の予算をへらす、図書の購入費を大幅にへらす、あるいは電気ポットをひきあげるという涙ぐましいものまで、ありとあらゆる措置をとっている。
府立高校には350人の非常勤職員がいる。膨大な量の印刷や理科・家庭科の実験実習補助など大事な役割をしている。ところが知事は、350人全員解雇するというのだ。首切り問題であるとともに、教育条件の切り下げそのものだ。生徒とゆっくり対応する時間がとれなくなる。実験実習を減らさざるをえない、などの事態をまねく。
▼水抜いて稲が育つか
知事は、350人の賃金5億円より御堂筋のイルミネーション20億円の方が大事なのかと問われて、それが私の政策判断だと言った。金を削って教育がよくなるのか。水田から水を抜いて稲が育つのか。
修学旅行などの付き添いの食事代が8月以後出なくなった。付き添うと8千~1万円自腹を切る。が、「同じ釜の飯を食う」のが宿泊行事の大事な点でもあるので当然食事はともにする。
私立高校生への助成も大幅に削っている。知事は公立へいけばいいというが、受験で落ちて私学へ行っている生徒も多い。知事のやり方はあまりに冷たい。
これが「教育日本一」の具体策だ。教育予算はどんどん削り、勇ましい掛け声と恫喝ばかりが聞こえてくる。
文責=山上俊夫(大阪府立北野高校定時制教員、市岡4丁目在住)
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