山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

ハマスが休戦案受け入れ!!イスラエル・アメリカも受け入れよ

2024年05月07日 12時27分20秒 | Weblog
 ジェノサイドによるガザの犠牲者が3万4700人、その7割が子どもと女性、親が殺されて残された孤児が1万数千人にも達している。イスラエルはハマスの壊滅といいながらその実態はパレスチナ人への集団懲罰と民族浄化だ。すでに南部に追いつめ、停戦交渉を破たんさせた後、大々的に攻め込む準備を整えている。
 停戦交渉がなかなかすすまず、決裂、破滅的攻撃を心配していたが、朗報がとびこんできた。5月6日夜、ハマスはガザでの休戦案を受け入れると発表した。最高指導者ハニヤ氏が、仲介役をつとめてきたエジプトとカタールに休戦案受け入れを伝えた。イスラエルが4月に同意した案とほぼ同じという。だが、ここで一気に主導権をとたれたイスラエルは、「受け入れることができない広範囲な決定が含まれている」と難色を示している。
 休戦案の42日間の第1段階では、パレスチナ囚人50人釈放と引き換えに人質女性兵士を釈放する。以前報道されたものはパレスチナ人1000人釈放だったのに変わったなとの思いはする。停戦11日以内に、ガザのイスラエル
軍施設解体開始、主要ルートからの軍撤退、ガザ北部への帰還承認だ。第2段階の42日間では、持続可能な長期的停戦、ガザ封鎖の完全解除だ。
 国連安保理でアメリカはガザ停戦決議に4回拒否権を使って停戦を妨害してきたが、3月25日追い詰められて棄権に回ったことで可決された。
 停戦交渉をやっている最中に、イスラエルは南部攻撃態勢を強化し、ラファでの作戦継続を決定してもいる。休戦案を葬って、攻撃に突入する可能性は十分ある。
 アメリカ政府高官がイスラエルに入っている。バイデン政権がイスラエルへのアメリカ製弾薬の供給を停止したとの報道がある。バイデン大統領もこのままイスラエルを甘やかして世紀の犯罪の共犯をつづければ秋の選挙で地獄を見ることは避けられない。
 ハマスが完璧を求めて停戦に応じないことも懸念されていたので心配していた。武力で勝つことはありえないのだから、国際的な正義の世論を引きつけるしか道はない。民族解放闘争としてはベトナム解放民族戦線のたたかいに学ぶべきだ。ベトナムでは武装闘争でもアメリカ侵略軍を消耗させて撤退に追い込んだが、解放闘争が正義の闘い、要求であることを絶えず世界に訴え、広めつづけた。ここにベトナムの強さのゆえんがあった。この点で、パレスチナにはファタハとハマスの深刻な分裂があり、民族の統一要求が確定していない。これをイスラエルとアメリカが利用し、分断を拡大すべくあらゆる手を使ってきた。
 このような状況下でのハマスの10月7日の越境攻撃は民間人を標的にするなどの国際法上の問題があった。わたしは、何十倍返しの虐殺が予想されていたので、政治指導部としてのハマスがこれを織り込んで、つまりパレスチナ人がなすすべもなく虐殺される事態を想定しながら作戦をすすめたことに違和感を抱いた。しかしその後の虐殺があまりにひどいので、この批判点は腹にしまい込んできた。すでにガザで命を落としたジャーナリストは85人に及び、その努力で世界に真実が報道され、ジェノサイドを許すな、国際人道法じゅうりんを許すなの国際世論がひろがった。ハマスが一刻も早い停戦・休戦を追及し、努力する姿が大切だ。
 だれが侵略し、虐殺し、民族浄化が完了するまで皆殺しをやめないのか、パレスチナの民族自決は国連憲章の基本原則であること、これを見極める国際世論を高めることがパレスチナ民族解放闘争の基軸だ。

 
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