その昔、越後湯沢の酒蔵さんが、過疎化する一方の土地で先祖代々の生業を存続させていくためには、都会の若者に飲んでもらえる日本酒を開発しなければいけない・・・と、考えに考えて造られたお酒がありました。
香りは極めて華やか、味はとことんスッキリ、無色透明の瓶に白いラベル。そこに刻まれた四文字の酒名は伝統的な筆文字ではなく、当時の業界では斬新で若者に馴染み深いワープロ文字(その頃はそう呼ばれた)を使用。
中身も外見も徹底的にスマートさを追求したその酒は色々な意味で注目され、軽薄短小と揶揄された世代の強い支持と時代の波に乗って全国にその名を轟かせるに至ったことは、私と同年代の日本酒党の方々でしたらご存知のところでしょう。さらにその影響を受けたと思われるお酒が散見されるようになったことも・・・
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ただ、誤解されては大変なのでひと言申し上げておきますが、つい最近まで金鶴・大吟醸が明朝体だったのは決してそのブームにあやかった訳ではありません。社長のケンさんの感性に合致するものが無かったからでして、止むを得ずこのような書体を使っていたのです。
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しかし、このままでは面白くないな・・・と、奥さんの習字の先生にお願いして書いていただいたのがこちら。↓
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らしくなりましたねぇ・・・ いい感じですわ。
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越淡麗の大吟醸、お味も素晴らしかったですよ[E:happy01]
仰る通り、香味もいい感じです。
なんてったって お酒は味で勝負! なんですが、
見た目で敬遠されるのは辛いですから、
外見もあまり軽視できないのですよ。