マイタのブログ

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酒屋オヤジのノーガキ。

2009年02月27日 | うんちく・小ネタ

… H木社長は、減っていく日本酒の消費量とともに日本古来の文化が衰退していくことに大いなる危惧の念を抱いてきた。それは、日本酒が日本固有の酒であるように、その原料である米もまた大事なものであるからだ。「日本は米をつくるために選ばれた国である」 との長崎 明・元新潟大学学長の講演に感動したH木社長は、日本文化を守るため酒と文化にこだわる酒づくりを常に提案してきた。

 日本の穀物で単位面積当たり一番収穫が多く、連作障害もない。しかも、食べ物としても栄養のバランスがいい。日本の河川は雨が降れば滝のようになるが、水田があることによって洪水を防ぎ、肥沃な土壌が海に流れ込んでしまうのを防いでいる。自然と農村の景観の点で問題になっている、減少する棚田の保全・管理についても、米を食べて日本酒を飲むことが一番の後押しになる。

 H木社長は、一酒造メーカーのエゴからではなく「日本酒の消費が現在の倍になれば百万トンの米を使うことになり、余剰米を清酒だけで吸収できる」 と指摘する。

                                    (2002年の記事より抜粋)

新潟の酒造界では変わり者呼ばわりされてきた、私が大好きな蔵元さんのお話しです。7年経った今も残念ながら日本酒もお米も消費量は上向きにはなっていないようですが、日本酒をこよなく愛して下さる方々がいらっしゃいますから、決して悲観したものではないと思うんですよね。フランスにおけるワインも、ドイツでのビールも然り。今は世界的に「国酒受難の時代」なのです。若い人たちに その良さを理解してもらうには、我々酒屋、いえ私はまだまだ努力が足りないようです。「若い人たちの飲食の選択肢から日本酒や和食が除外されている」 といったお声をちょくちょく耳にしますからねぇ。もちろん迎合するつもりなどサラサラありませんが、このままじゃイカンですわ。

文化とか何とか難しいことは置いといて、適量飲酒で陽気になって家族円満、明日も頑張ろうって みんな楽しく過ごせたら きっと世の中もっともっと明るくなるだろう… そんな夢を持って酒屋をさせていただいております。「本物の酒」や「幻の酒」なんていう言葉に興味はありません。お客さんは「飲んで旨い!」が一番だと思いますから。ただ、汚染米を使っていた焼酎も発覚するまでは「旨い」と言われてかなりの量が飲まれていたのも事実。味だけで判断すると、時として怖い思いをするかも知れないということが実証されたのは記憶に新しいところ。まぁ こういうことは初めてじゃないですけどね。

とにかく、今まで以上に自店でおすすめするお酒の中身について熟知しなければ…と思っております。そんなことで、取り扱い銘柄が少ないことはご容赦くださいませ。さらに厚かましくも、マイタのブログをご覧の皆さまには、日本酒とお米の消費拡大にお力添えいただけたら幸いです。

以上、汚染米問題が風化しそうなこの頃だからこそ、襟を正さねば…と感じる42歳の春でした。

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