こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

「要支援・要介護認定者ニーズ把握調査報告書」を読む

2014-06-02 18:59:43 | 社会保障
昨年の夏に、7月1日時点で要支援・要介護認定を受けておられる2739人を対象に行った調査の報告書。

全文が市のHPにもアップされている。

回収率は63.1%。有効回答数 1,727件。

制度始まって直後に実施されたアンケート以来、2度目の悉皆調査。

第5期の計画策定のときに一般質問で求めた。


「6割を超える回収率は高い」そうだ。

しかし要介護度別にみると、介護度が高いほど回収率は低い。

これまでの無作為抽出の調査でも同様の傾向があった。

介護度の高い高齢者や家族の日々の暮らしの大変さを思えば当然だと思う。


だから「郵送だけのアンケート調査では不十分ではないか」と問題提起をしてきた。

調査時点の介護度別の全体数の記載はないが、2014年1月の人数から推測すると、要支援1・2の回収率が約7割、要介護5の回収率は4割程度のようだ。

介護度の高い方、そのなかでも一人暮らしや「老々介護」の方は「アンケートどころではない」のだと思う。

実態を把握して、これからの施策に生かそうと思えば、そういったお宅は訪問して「今、困っていること」をお聞きするとともに「介護が必要となったのはいつから?」「いつ、どんなサービスを使ってきたか」「状態の変化のプロセス」などについて詳細に聞き取りをして欲しいと思う。


家族構成を見ると、4分の1以上の方が一人暮らし、「介護をしてくれる方がいる」場合の介護者の年齢は、65歳以上が45%。なかでも「80歳以上の方の介護者が80歳以上」という例がとても多い。まさに「老々介護」の状況。


介護保険サービスの利用状況については「利用している」が87%。所得段階別にみると、基準額である第6段階以下の方の「利用している」割合と、第7段階以上の方の場合ではかなりの開きがある。最高額の第10段階では96.3%、ほとんどの方が利用しているのに対して、第6段階では80.3%。「必要に応じて」ではなく、経済状況に応じてサービス利用が抑制されていると思われる。

その他、ページをめくるごとに気になることがある。


「今後の保険料について」として、「保険料が多少増えても、給付されるサービスが充実していればよい。」「給付されるサービスを多少抑えても、保険料が低ければよい」などの選択肢のなかから選ぶ問いがある。

率直に言って、ナンセンス。というより酷な質問だと思う。
「サービスを受けたければ保険料アップを覚悟しろ」と迫るもの。

最後の「自由記述の意見等」には、316人から346件の意見が寄せられたということ。
「意見内容の分類」だけでは詳細はわからないが、おそらく切実な声、様々な要望などが綴られたことと思う。

そのひとつひとつが計画策定に生かされて欲しい。
コメント (2)
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